夢だけど夢じゃない
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「おはよう名前」
「おはようカラ松くん」
次の日。
ハタ坊は社会人なのでちゃんと朝起きる。朝と言っても社会人としては遅めの8時頃なのだけど。9時頃に朝食だから合わせて私も同じ時間に起きている。社畜の現実では5時起きの6時出、7時出勤だったから本当に夢のよう。夢なんだけど。夢の中で1週間近く経っていてとても充実している。このまま目が覚めないでいてほしい。
私には遅めの朝だけど、ニートの彼にはあまりに早いらしくボサボサの頭と半開きの目で朝食の席についていた。
私はちゃんとパーカーとサロペットを着ているが、彼はハタ坊に借りたのかハタ坊とお揃いのサテンのつるつるしたパジャマで同じ生地のナイトキャップを被っていた。ハタ坊自身はちゃんと着替えている。
アニメで水色のお揃いパジャマしか見たことがなかったので物珍しくてじろじろ見てしまう。ナイトキャップかわいいな。
クソ長いテーブルの私側の席に座っているカラ松とは肉声で会話が出来るため、ほぼ寝たまま座っている彼のトーストにバターを塗ったりコーヒーを淹れたり世話を焼いていると手元のスピーカーがザザと音を立てた。
「おはようだジョ」
「おはようハタ坊〜」
「今日は午後お休みだから3人で遊ぶジョ」
「わかった、お仕事頑張ってね」
ハタ坊は満足気に笑うと先に席を立ってしまった。
椅子で座ったまま寝こけているカラ松の肩を揺する。
「カラ松くん起きて、ハタ坊行っちゃったよ」
「んあ?」
「ハタ坊行っちゃうとあっという間に片付けられちゃうから…あっ待って!まだ食べます!」
ほぼ手付かずの皿を下げられそうになって慌てて止める。旗の人は嫌そうな顔をして皿を戻してくれた。相変わらず露骨だなぁ。そういえばいつものおじいちゃん執事と秘書的なお姉さん、イケメンフラッグがいない。どこ行ったんだろう。困るな。
無理やりカラ松の口にパンを詰め込み、起こして着替えてくるようハタ坊の部屋へ押し込むと自室へ戻る。
今日も青いサロペットを着たのだけど、ズボンタイプがもうなくてミニスカートタイプを着ていたのだ。午後遊ぶと言われて、何するかわからないけど何しても良いようにズボンタイプに履き替えようとクローゼットに向かう。青いズボンはもう全部洗濯に出しちゃったんだよな。何色にしよう。悩んだ末、せっかくハタ坊とやっとまともに遊べるのだし、と緑のサロペットを手に取った。
「フッ…」
「何笑ってるのカラ松くん」
「いや、2人は姉弟みたいだと思ってな」
午後、私たち3人はハタ坊の家のどこかの階にある広大な池のほとりで釣りをしていた。ビルの中に池があるのも意味不明だが、それが屋上とかじゃなくて途中の階なのも意味不明だ。ここは広い温室みたいになっていて芝生が敷かれ、なんか植物がたくさん生えてて、池の向こう岸がぼんやりとしか見えないくらい広かった。
リールも付いていないシンプルな釣竿を垂らしてハタ坊、私、カラ松くんの順で3人並んで座っている。魚いるんだろうか。
こちらを見てクスクス笑うカラ松くんに理由を問うとそんなことを言われた。思わず隣にいるハタ坊と目配せする。確かに、今の格好はハタ坊と全く一緒のお揃いで、いわゆるペアルックてやつだ。カップルではなく姉弟と評されたのはハタ坊の背が私の胸元までしかないからか。そもそもハタ坊やカラ松が何歳なのか、はたまたこの世界の私が何歳なのか定かではないが、現実ではアラサーの私は彼らより歳上であると思われるため、姉弟というのはすんなり許容出来た。しかし彼は違ったらしく。
「名前はお姉ちゃんじゃないジョ友達だジョ」
少し気分を害した様子で抗議するのが余計幼く見えて可愛くてよしよしと頭を撫でる。
「そうだよね、友達だよねー。双子コーデってやつだ」
「やっぱり姉弟じゃないか」
「いや、カラ松くん、この双子というのは本当に双子な訳ではなく…双子のように同じ服を着るコーデのことで…」
「じゃあ俺たちはむつごコーデだな」
「まさにね」
確かに良い歳してお揃い着ているむつごはむつごコーデだし仲良しで微笑ましい。カラ松の口からさらりと兄弟の話題が出たことにホッとする。傷は癒えてきているようだ。外傷はほぼ無く、少し絆創膏を貼っている程度まで回復していた。すごい。ずるい。私は相変わらず顔にでっかいガーゼと眼帯を貼り付けていて顔の半分が覆われているというのに。
「釣れないねぇ」
「そう焦るな。釣りは恋と一緒…焦らして焦らして駆け引きをしてこそ「釣れないジョ〜」…えっ」
元気なカラ松節をぶった切ってつまらなそうにハタ坊が言う。カラ松くん、呆然としている。この流れも愛しいなあ。穏やかで楽しい時間が流れていて私は満足なんだけど、ハタ坊がつまらなそうに竿を揺らすので素朴な疑問をぶつけてみる。
「そもそもこの池、魚いるの?」
「いるジョ。ちーさいのもおーきいのも!」
「大きいってどのくらい?」
「このくらいだジョ」
勢いよくハタ坊が竿を引くとザバァと池から巨大なサメが糸に吊られて現れた。キラキラと水しぶきをあげながら空を舞う突然の巨大鮫にカラ松と2人で声にならない悲鳴をあげる。頭上を通過するサメがひどくゆっくりなスローモーションで見えた。
「ジョ〜〜…ズ」
ズ、でバクリ!とサメに丸呑みにされたハタ坊は、そのままサメごと池にザブーンと飲み込まれていった。
「「ハタ坊ーーーーーーーー!!!!」」
カラ松と2人で絶叫したところで、暗転し、チャララ ラッラ チャ〜ラララ ラララ〜〜と聞き覚えのある軽快な音楽が鳴った。
えっ!アイキャッチ入った!!
「おはようカラ松くん」
次の日。
ハタ坊は社会人なのでちゃんと朝起きる。朝と言っても社会人としては遅めの8時頃なのだけど。9時頃に朝食だから合わせて私も同じ時間に起きている。社畜の現実では5時起きの6時出、7時出勤だったから本当に夢のよう。夢なんだけど。夢の中で1週間近く経っていてとても充実している。このまま目が覚めないでいてほしい。
私には遅めの朝だけど、ニートの彼にはあまりに早いらしくボサボサの頭と半開きの目で朝食の席についていた。
私はちゃんとパーカーとサロペットを着ているが、彼はハタ坊に借りたのかハタ坊とお揃いのサテンのつるつるしたパジャマで同じ生地のナイトキャップを被っていた。ハタ坊自身はちゃんと着替えている。
アニメで水色のお揃いパジャマしか見たことがなかったので物珍しくてじろじろ見てしまう。ナイトキャップかわいいな。
クソ長いテーブルの私側の席に座っているカラ松とは肉声で会話が出来るため、ほぼ寝たまま座っている彼のトーストにバターを塗ったりコーヒーを淹れたり世話を焼いていると手元のスピーカーがザザと音を立てた。
「おはようだジョ」
「おはようハタ坊〜」
「今日は午後お休みだから3人で遊ぶジョ」
「わかった、お仕事頑張ってね」
ハタ坊は満足気に笑うと先に席を立ってしまった。
椅子で座ったまま寝こけているカラ松の肩を揺する。
「カラ松くん起きて、ハタ坊行っちゃったよ」
「んあ?」
「ハタ坊行っちゃうとあっという間に片付けられちゃうから…あっ待って!まだ食べます!」
ほぼ手付かずの皿を下げられそうになって慌てて止める。旗の人は嫌そうな顔をして皿を戻してくれた。相変わらず露骨だなぁ。そういえばいつものおじいちゃん執事と秘書的なお姉さん、イケメンフラッグがいない。どこ行ったんだろう。困るな。
無理やりカラ松の口にパンを詰め込み、起こして着替えてくるようハタ坊の部屋へ押し込むと自室へ戻る。
今日も青いサロペットを着たのだけど、ズボンタイプがもうなくてミニスカートタイプを着ていたのだ。午後遊ぶと言われて、何するかわからないけど何しても良いようにズボンタイプに履き替えようとクローゼットに向かう。青いズボンはもう全部洗濯に出しちゃったんだよな。何色にしよう。悩んだ末、せっかくハタ坊とやっとまともに遊べるのだし、と緑のサロペットを手に取った。
「フッ…」
「何笑ってるのカラ松くん」
「いや、2人は姉弟みたいだと思ってな」
午後、私たち3人はハタ坊の家のどこかの階にある広大な池のほとりで釣りをしていた。ビルの中に池があるのも意味不明だが、それが屋上とかじゃなくて途中の階なのも意味不明だ。ここは広い温室みたいになっていて芝生が敷かれ、なんか植物がたくさん生えてて、池の向こう岸がぼんやりとしか見えないくらい広かった。
リールも付いていないシンプルな釣竿を垂らしてハタ坊、私、カラ松くんの順で3人並んで座っている。魚いるんだろうか。
こちらを見てクスクス笑うカラ松くんに理由を問うとそんなことを言われた。思わず隣にいるハタ坊と目配せする。確かに、今の格好はハタ坊と全く一緒のお揃いで、いわゆるペアルックてやつだ。カップルではなく姉弟と評されたのはハタ坊の背が私の胸元までしかないからか。そもそもハタ坊やカラ松が何歳なのか、はたまたこの世界の私が何歳なのか定かではないが、現実ではアラサーの私は彼らより歳上であると思われるため、姉弟というのはすんなり許容出来た。しかし彼は違ったらしく。
「名前はお姉ちゃんじゃないジョ友達だジョ」
少し気分を害した様子で抗議するのが余計幼く見えて可愛くてよしよしと頭を撫でる。
「そうだよね、友達だよねー。双子コーデってやつだ」
「やっぱり姉弟じゃないか」
「いや、カラ松くん、この双子というのは本当に双子な訳ではなく…双子のように同じ服を着るコーデのことで…」
「じゃあ俺たちはむつごコーデだな」
「まさにね」
確かに良い歳してお揃い着ているむつごはむつごコーデだし仲良しで微笑ましい。カラ松の口からさらりと兄弟の話題が出たことにホッとする。傷は癒えてきているようだ。外傷はほぼ無く、少し絆創膏を貼っている程度まで回復していた。すごい。ずるい。私は相変わらず顔にでっかいガーゼと眼帯を貼り付けていて顔の半分が覆われているというのに。
「釣れないねぇ」
「そう焦るな。釣りは恋と一緒…焦らして焦らして駆け引きをしてこそ「釣れないジョ〜」…えっ」
元気なカラ松節をぶった切ってつまらなそうにハタ坊が言う。カラ松くん、呆然としている。この流れも愛しいなあ。穏やかで楽しい時間が流れていて私は満足なんだけど、ハタ坊がつまらなそうに竿を揺らすので素朴な疑問をぶつけてみる。
「そもそもこの池、魚いるの?」
「いるジョ。ちーさいのもおーきいのも!」
「大きいってどのくらい?」
「このくらいだジョ」
勢いよくハタ坊が竿を引くとザバァと池から巨大なサメが糸に吊られて現れた。キラキラと水しぶきをあげながら空を舞う突然の巨大鮫にカラ松と2人で声にならない悲鳴をあげる。頭上を通過するサメがひどくゆっくりなスローモーションで見えた。
「ジョ〜〜…ズ」
ズ、でバクリ!とサメに丸呑みにされたハタ坊は、そのままサメごと池にザブーンと飲み込まれていった。
「「ハタ坊ーーーーーーーー!!!!」」
カラ松と2人で絶叫したところで、暗転し、チャララ ラッラ チャ〜ラララ ラララ〜〜と聞き覚えのある軽快な音楽が鳴った。
えっ!アイキャッチ入った!!