「名前ちゃあーん」
「何？気色悪い」
「気色…いや、別に…」
「用が無いなら呼ばないで」
「ハイ…」


あれれ、なんだろうこれ、ご機嫌斜め？？


「ねーえ名前ちゃん？」
「…」
「シカトですかー」
「…」
「ねぇなんか怒ってる？」
「別に」
「怒ってるでしょ」
「別に」
「絶対怒ってる」
「…」
「なになに俺なんかした？ねぇ」
「…」


顔真っ赤にして涙目で愛を告白してくれたのはどこのどなたさんでしたっけ？
ねぇねぇ。
床に座って雑誌読んでる名前の前をハイハイで往復してるけどさっきからちらりともこっちを見ない。
ねぇねぇ。
お菓子の皿に手を伸ばせばペシと叩かれて、ああそーゆー対応は素早いわけね。
ねぇねぇ。
もう俺かれこれ１０分はハイハイしてんだけど。
ねぇねぇ。
俺これバカみたいじゃない？なにこれ、もう筋トレじゃんこんなの。
ねぇねぇ。


俺、最近ほっとかれてない？


「…だぁーっもう！何！ウザい！」
「名前の意地悪…」
「ハァー？久々の休日くらい静かにさせてよ！」
「久々に休日被ったのに構ってくれない」
「かぶったもなにもおそ松兄さんは毎日休日でしょ」
「いやあ～」
「なんで照れてんの」
「というわけで、構って♡」
「兄さんたちに構ってもらえば」
「やだむさくるしい」
「…母さんに構ってもらえば」
「…名前が良いのに」
「（ドキン！）…あ、そ」
「…ねぇ今どきっとしたでしょ？！したでしょ？！やーだなぁもう名前ってば照れ屋さーん、あ、もしかして今までのって放置プレイ？名前ってば新境地開拓中？きゃあー」
「何がきゃあーだうっとおしいウザいうるさい気色悪い！」
「…そこまで言わなくてもいいんじゃない…？」