短編
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「ん、ふ、ちょ…ダメ」
「どうして、」
賑わう雑踏がすぐ近くな筈なのに、何処か遠くて、カーテンの隙から差す光は強くて、外は汗だくになるほどの猛暑なのにこの部屋はカーディガンが恋しくなるくらい冷房ガンガンで、でも、そんな空気に構わず、身体は心からあつくて、熱くて、狂ったように噛み付くように唇を貪る男は、彼氏だけれど、この学校の生徒は、私達のことを「兄妹」と認識していて、(事実、なのだけれど)
文化祭2日目、生物研究部の研究発表の部屋が、数十分間、誰もいなくなる事をどうして知っていたのか、私の手を引いて、混み合う廊下から、この人気の無い、冷えた、暗幕の閉まった部屋へ連れ込んで、水槽や模造紙に隠れ、冷たいタイル張りの床に足を投げ出して、ただ、唇を合わす。
いつ、誰が入ってくるか解らないのに、この男は夢中で口内を荒らして、ああ、でも、解っているからこそ、次へは進まないのか、
「、名前、」
「おにいち「名前で、呼んで、」…いちまつ、」
古い空調の耳障りな音と、絶え間なく響く水音が、不協和音で、ああ、ドアの向こうは、人混みなのに、
ここは、ふたりだけ、の世界、だ。
恋人同士の逢瀬は、ほんの僅かな時間だけ
「どうして、」
賑わう雑踏がすぐ近くな筈なのに、何処か遠くて、カーテンの隙から差す光は強くて、外は汗だくになるほどの猛暑なのにこの部屋はカーディガンが恋しくなるくらい冷房ガンガンで、でも、そんな空気に構わず、身体は心からあつくて、熱くて、狂ったように噛み付くように唇を貪る男は、彼氏だけれど、この学校の生徒は、私達のことを「兄妹」と認識していて、(事実、なのだけれど)
文化祭2日目、生物研究部の研究発表の部屋が、数十分間、誰もいなくなる事をどうして知っていたのか、私の手を引いて、混み合う廊下から、この人気の無い、冷えた、暗幕の閉まった部屋へ連れ込んで、水槽や模造紙に隠れ、冷たいタイル張りの床に足を投げ出して、ただ、唇を合わす。
いつ、誰が入ってくるか解らないのに、この男は夢中で口内を荒らして、ああ、でも、解っているからこそ、次へは進まないのか、
「、名前、」
「おにいち「名前で、呼んで、」…いちまつ、」
古い空調の耳障りな音と、絶え間なく響く水音が、不協和音で、ああ、ドアの向こうは、人混みなのに、
ここは、ふたりだけ、の世界、だ。
恋人同士の逢瀬は、ほんの僅かな時間だけ