鬼灯の冷徹
はじめにお名前変換してください
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は誕生日。
訳あって現世に滞在している身であるが、ありがたいことに周りの人間たちにたくさん祝ってもらった。
私の正体を知らないはずだけれど、出会って数か月の相手にも祝福してもらえるのはうれしいことだ。
けれど…心にちいさな穴がぽっかり。
一人暮らしの狭い部屋の窓をがらりと開ける。
現世の夜はどうしても明るくて、満天の星空とはいかないがそれなりに星が見える。
晴天の夜空を眺めているとすい、と流れ星が一つ。
思わず手を組んで願い事をしてしまった。
白澤様、晩上好、好久不見 。
聞こえるかわからないけれど、毎年今日を祝ってくれていたなあって思い出して…
またお時間あるときに会えたら嬉しいです。
なんて。
心の中で早口でまくし立てた叶わぬ願いに自嘲して、もう寝ようと窓に背を向けた。
かつん、
何かがベランダの床に落ちた音がして、まさかと振り返る。
「晩上好♡」
そこには今しがた会いたいと願ったばかりの白衣の男が月光を背負って静かに立っていた。
慌てて閉めたばかりの窓を開ける。
「僕の中での今夜の恒例はこうして二人一緒に過ごす事だから報せてくれたのが嬉しくて顔見に来ちゃったよ。ホント久し振りだね。
…今年は何番目に伝えられてるかな。愿你梦想成真、生日快乐 、愛しい子」
そう言って目を細めて笑う彼が幻なんじゃないかと思って手を伸ばす。
さらりとした綿の手触りを指先に感じ、一気に現実だと認識して思わず掴みかかるように彼の襟元を握りしめた。
「わあああ白澤さま!!!!!!お久しぶりです!!わざわざコッソリ会いに来て下さって嬉しいです…嬉し過ぎて涙出ました…お忙しいのにありがとうございます…お会いしたかったです…お誕生日のお祝いの言葉も嬉しいです!!」
「アハハ!名前ちゃんはやっぱりいつでも可愛いなぁ…喜んで貰えて良かったよ。けど泣くのはちょっとマズい。こんな所で二人っきりだと、特にね」
大きな手がぽすっと頭に置かれ、優しく撫でられる。
うれしいうれしいうれしい。
「泣いたりしてごめんなさい…困りますよね…でもビックリして…すごく嬉しいです最高の誕生日ですっ」
「あらら、お祝いしに来たのに僕の方が喜ばされちゃった。謝々、ありがとね」
撫でられた手が気持ちよくて無意識に擦り寄ってしまう。
くすりと笑んだ彼は頭から頬へ手を滑らせ、そのままするりと頬を撫でられる。
くすぐったさに身をよじると頬の手はさらに下へ滑って、顎に指先を掛けられてくい、と掬われる。
「女のコの涙はそれはそれで大歓迎、その辺の宝石だの貝だのじゃ太刀打ち出来ないくらい綺麗だからね。どっちかって言や、困るのは名前ちゃんじゃないかなあ…」
「白澤さまが喜んでくれてるのに何を困ることが?」
顎に添えられた手に自らの手を重ね、近くなった顔を更に近付けてくすくす笑うと相手もおでこを寄せて悪い顔で笑った。
「…だってほら、食べたくなっちゃうでしょ?」
片腕でぐっと腰を抱き寄せられたと思ったら目の前にあった顔が零距離になった。
唇に柔らかさを感じた、と思うが早く、あっという間に深く口付けられる。
「…こんな風にね」
ああ、すき。
細く弓状に歪んだ瞳にうっとりした私の顔が映る。
「はっぁ…はく、たくさ、ま…良いですよ、『遊んで』ください…」
もう止まれない。
首に腕を回し引き寄せながら深く口付け、そのまま部屋の中に引き込んで窓辺のベッドに座らせる。
「いいの?そっか、じゃあ美味しく貰っちゃおうかなあ。名前ちゃんの、新しい歳の“初めて”」
舌を絡めながら囁かれ、口内に直接響いた甘い低音にぞくぞくと背筋を震わせる。
服の上から片手で体の線をなぞられたせいもあるかもしれない。
「んっ…新しい私の“初めて”貰ってください…代わりに白澤さまをいっぱいください…」
夢中で口づけたあと、首筋に抱き着いて熱い吐息そのままに耳元で囁く。
「…こんな素敵なプレゼント貰えるなんて…本当にお声掛けして良かった」
溢れる愛しさを伝えるように頬に口付けを落とす。
ぴく、と反応した男は喉の奥で笑った。
「こらこら、煽んないの。これがプレゼントでいいの?…じゃあいっぱい気持ち良くなろうか、…名前ちゃんは何処が好きかな」
くすりと笑って私の体を膝の上に抱きあげ、耳元から唇で首筋へと辿りつつ片手を服の中に入れて指先で素肌を優しく撫で始める男の手際の良さに翻弄される。上手い。気持ちいい。
「あっ…ダメ、そこ触っちゃ…」
「どうして?僕にここ、可愛がられるのは嫌?それともこっちの方がいいのかな」
首筋を甘噛みされ、反対の手の平で脚の内側を付け根に向かってするするとなぞられる。
あまりに善いのを少し怖く思いながらさわさわと這いまわる手を両手で押さえつつ、膝に座ったことで同じ目線になった双眼をのぞき込む。
「ぁ…ッ 白澤さま、今夜は、独り占めしても…良いですか…?」
「…可愛い質問だね。名前ちゃんしか見えてないよ」
耳元に落とされる甘い言葉に脳が溶かされているのではとすら思う。
びくびくと震える体もいうことを聞かないし、もう複雑なことは考えられなくなってとにかく好意を伝えようとぎゅ、と抱きついて首に唇を落とす。
「っはぁ…はくたくさま、すき」
「…僕も。名前ちゃんは敏感なんだね…いいなぁ…可愛い声、もっと聞かせてくれる?」
気持ち良さげに息を漏らした白澤様に優しくベッドの上へ寝かされる。
背中が布団に沈んだのとちゅ、と音立てて唇を啄まれたのは同時。
触れるだけのキスをされている間に、服越しに男の骨ばった腰を撫でる。あるはずの”眼”に当てないように。
ごくりと喉仏が上下する白い首筋に視線を奪われている間に、腰を撫でていた手首を掴まれシーツに押さえつけられた。
片手が不自由になったのを目線で追っていると残る手の指先で下着越しのそこをついとなぞられ短く悲鳴を上げる。
甲高い甘い叫びごと飲み込むように深く口付けられる。
柔らかい舌が絡み合ってきもちいい。
私ばっか気持ちいいんじゃないだろうか。
息が続く限界になってようやく解放された唇からつう、と銀の糸が引き、舌なめずりをした男の熱い瞳と目が合った。
「はくたくさま、はくたくさまも、快くなって、」
「…っ、ちょっと調子に乗っちゃうな…そんな風に言われると、抑えが効かなくなりそうだ」
「効かなくていい、いいよ」
「はぁ…名前ちゃんは本当に僕を煽るのが得意だね…ッ」
噛み付くようなキスを浴びて、舌でお互いの唾液を掻き混ぜる。
会えなかった時間を埋めるようにぴったり身体をくっつけて、夢中でお互いを貪った。
カーテンの隙間から差す朝日が眩しい。
ぼんやりと目を開ければ、隣に寝そべる白澤と目が合った。
お互い一糸纏わぬ姿で寄り添っているのが今更ながらに恥ずかしくて、はにかみながらシーツを手繰り寄せて顔を半分隠す。
「ん…、早 …。よく眠れた?」
「白澤様おはようございます…昨晩は遅くまでありがとうございました……あの、すごく嬉しかった、です…忙しいのにわざわざ会いに来て下さったことも…その、ココまでしてくれたことも…ありが」
とう、と続けようとした唇を柔らかいもので塞がれる。
私を腕の中に抱き込んで、シーツから見える側の目元へ唇寄せられ頬擦りされる。
「…昨夜の名前ちゃんったらいつにも増して、すっごく可愛いんだもん。我慢出来なくて手出しちゃったのは僕の方だ。女のコがありがとう、なんてさ。言わなくたっていいんだよ。呼んでくれてありがとね」
「えへへ、白澤様のそういう優しいところ大好きです」
「ホント?じゃあ両想いだ。僕も名前ちゃんみたいな子は大好きだもん♡」
「本当に、来てくれてありがとうございました…最高の誕生日の朝です」
ぎゅうと抱き締め返してちゅ、と音を立てて口づける。
さらさらの素肌があったかくて気持ちいい。
「…また会いたくなったら呼んじゃうかもしれませんけど…いつもお会いすると遅くまで付き合わせてしまって申し訳なくて…」
「ついつい離したくなくなっちゃって、なかなか寝かせてあげられないんだけどね。そんな訳で気にしてないし、僕でいいならいつでも大歓迎。待ってるよ」
へら、と笑った彼に腰を抱き寄せられ、唇を食まれる。
あたたかくてやわらかい舌を受け入れれば自分のそれに絡ませながら柔く吸われ、優しく後頭部を撫でられた。
名残惜しげに唇に吸い付きながら「ごめんね、もう行かないと」と囁かれ、熱は離れた。
「宝贝…祝你可爱依旧 、
祝你微笑常在、健康永驻…亲爱的、生日快乐 」
「え、なになに、もう一回言ってくださ」
「アハハ、下次见 」
彼の言っていることを全部知りたくて中国語も勉強したけれど、そんな本場の発音ですらすら喋られたらわからない。
お誕生日おめでとう、だけは聞き取れたけど他はなんて言ったの。
必死の形相で言い寄る私を遮って笑った彼は、心底愛おしいものを見る眼差しで綺麗に笑むと、私のおでこに口づけを落とし、そして消えた。
「しぁつーじぃぇん…」
言われた言葉をそのまま返し、彼のぬくもりと香りの残る布団に顔を埋める。
来年もどうか、また会えますように。
訳あって現世に滞在している身であるが、ありがたいことに周りの人間たちにたくさん祝ってもらった。
私の正体を知らないはずだけれど、出会って数か月の相手にも祝福してもらえるのはうれしいことだ。
けれど…心にちいさな穴がぽっかり。
一人暮らしの狭い部屋の窓をがらりと開ける。
現世の夜はどうしても明るくて、満天の星空とはいかないがそれなりに星が見える。
晴天の夜空を眺めているとすい、と流れ星が一つ。
思わず手を組んで願い事をしてしまった。
白澤様、
聞こえるかわからないけれど、毎年今日を祝ってくれていたなあって思い出して…
またお時間あるときに会えたら嬉しいです。
なんて。
心の中で早口でまくし立てた叶わぬ願いに自嘲して、もう寝ようと窓に背を向けた。
かつん、
何かがベランダの床に落ちた音がして、まさかと振り返る。
「晩上好♡」
そこには今しがた会いたいと願ったばかりの白衣の男が月光を背負って静かに立っていた。
慌てて閉めたばかりの窓を開ける。
「僕の中での今夜の恒例はこうして二人一緒に過ごす事だから報せてくれたのが嬉しくて顔見に来ちゃったよ。ホント久し振りだね。
…今年は何番目に伝えられてるかな。
そう言って目を細めて笑う彼が幻なんじゃないかと思って手を伸ばす。
さらりとした綿の手触りを指先に感じ、一気に現実だと認識して思わず掴みかかるように彼の襟元を握りしめた。
「わあああ白澤さま!!!!!!お久しぶりです!!わざわざコッソリ会いに来て下さって嬉しいです…嬉し過ぎて涙出ました…お忙しいのにありがとうございます…お会いしたかったです…お誕生日のお祝いの言葉も嬉しいです!!」
「アハハ!名前ちゃんはやっぱりいつでも可愛いなぁ…喜んで貰えて良かったよ。けど泣くのはちょっとマズい。こんな所で二人っきりだと、特にね」
大きな手がぽすっと頭に置かれ、優しく撫でられる。
うれしいうれしいうれしい。
「泣いたりしてごめんなさい…困りますよね…でもビックリして…すごく嬉しいです最高の誕生日ですっ」
「あらら、お祝いしに来たのに僕の方が喜ばされちゃった。謝々、ありがとね」
撫でられた手が気持ちよくて無意識に擦り寄ってしまう。
くすりと笑んだ彼は頭から頬へ手を滑らせ、そのままするりと頬を撫でられる。
くすぐったさに身をよじると頬の手はさらに下へ滑って、顎に指先を掛けられてくい、と掬われる。
「女のコの涙はそれはそれで大歓迎、その辺の宝石だの貝だのじゃ太刀打ち出来ないくらい綺麗だからね。どっちかって言や、困るのは名前ちゃんじゃないかなあ…」
「白澤さまが喜んでくれてるのに何を困ることが?」
顎に添えられた手に自らの手を重ね、近くなった顔を更に近付けてくすくす笑うと相手もおでこを寄せて悪い顔で笑った。
「…だってほら、食べたくなっちゃうでしょ?」
片腕でぐっと腰を抱き寄せられたと思ったら目の前にあった顔が零距離になった。
唇に柔らかさを感じた、と思うが早く、あっという間に深く口付けられる。
「…こんな風にね」
ああ、すき。
細く弓状に歪んだ瞳にうっとりした私の顔が映る。
「はっぁ…はく、たくさ、ま…良いですよ、『遊んで』ください…」
もう止まれない。
首に腕を回し引き寄せながら深く口付け、そのまま部屋の中に引き込んで窓辺のベッドに座らせる。
「いいの?そっか、じゃあ美味しく貰っちゃおうかなあ。名前ちゃんの、新しい歳の“初めて”」
舌を絡めながら囁かれ、口内に直接響いた甘い低音にぞくぞくと背筋を震わせる。
服の上から片手で体の線をなぞられたせいもあるかもしれない。
「んっ…新しい私の“初めて”貰ってください…代わりに白澤さまをいっぱいください…」
夢中で口づけたあと、首筋に抱き着いて熱い吐息そのままに耳元で囁く。
「…こんな素敵なプレゼント貰えるなんて…本当にお声掛けして良かった」
溢れる愛しさを伝えるように頬に口付けを落とす。
ぴく、と反応した男は喉の奥で笑った。
「こらこら、煽んないの。これがプレゼントでいいの?…じゃあいっぱい気持ち良くなろうか、…名前ちゃんは何処が好きかな」
くすりと笑って私の体を膝の上に抱きあげ、耳元から唇で首筋へと辿りつつ片手を服の中に入れて指先で素肌を優しく撫で始める男の手際の良さに翻弄される。上手い。気持ちいい。
「あっ…ダメ、そこ触っちゃ…」
「どうして?僕にここ、可愛がられるのは嫌?それともこっちの方がいいのかな」
首筋を甘噛みされ、反対の手の平で脚の内側を付け根に向かってするするとなぞられる。
あまりに善いのを少し怖く思いながらさわさわと這いまわる手を両手で押さえつつ、膝に座ったことで同じ目線になった双眼をのぞき込む。
「ぁ…ッ 白澤さま、今夜は、独り占めしても…良いですか…?」
「…可愛い質問だね。名前ちゃんしか見えてないよ」
耳元に落とされる甘い言葉に脳が溶かされているのではとすら思う。
びくびくと震える体もいうことを聞かないし、もう複雑なことは考えられなくなってとにかく好意を伝えようとぎゅ、と抱きついて首に唇を落とす。
「っはぁ…はくたくさま、すき」
「…僕も。名前ちゃんは敏感なんだね…いいなぁ…可愛い声、もっと聞かせてくれる?」
気持ち良さげに息を漏らした白澤様に優しくベッドの上へ寝かされる。
背中が布団に沈んだのとちゅ、と音立てて唇を啄まれたのは同時。
触れるだけのキスをされている間に、服越しに男の骨ばった腰を撫でる。あるはずの”眼”に当てないように。
ごくりと喉仏が上下する白い首筋に視線を奪われている間に、腰を撫でていた手首を掴まれシーツに押さえつけられた。
片手が不自由になったのを目線で追っていると残る手の指先で下着越しのそこをついとなぞられ短く悲鳴を上げる。
甲高い甘い叫びごと飲み込むように深く口付けられる。
柔らかい舌が絡み合ってきもちいい。
私ばっか気持ちいいんじゃないだろうか。
息が続く限界になってようやく解放された唇からつう、と銀の糸が引き、舌なめずりをした男の熱い瞳と目が合った。
「はくたくさま、はくたくさまも、快くなって、」
「…っ、ちょっと調子に乗っちゃうな…そんな風に言われると、抑えが効かなくなりそうだ」
「効かなくていい、いいよ」
「はぁ…名前ちゃんは本当に僕を煽るのが得意だね…ッ」
噛み付くようなキスを浴びて、舌でお互いの唾液を掻き混ぜる。
会えなかった時間を埋めるようにぴったり身体をくっつけて、夢中でお互いを貪った。
カーテンの隙間から差す朝日が眩しい。
ぼんやりと目を開ければ、隣に寝そべる白澤と目が合った。
お互い一糸纏わぬ姿で寄り添っているのが今更ながらに恥ずかしくて、はにかみながらシーツを手繰り寄せて顔を半分隠す。
「ん…、
「白澤様おはようございます…昨晩は遅くまでありがとうございました……あの、すごく嬉しかった、です…忙しいのにわざわざ会いに来て下さったことも…その、ココまでしてくれたことも…ありが」
とう、と続けようとした唇を柔らかいもので塞がれる。
私を腕の中に抱き込んで、シーツから見える側の目元へ唇寄せられ頬擦りされる。
「…昨夜の名前ちゃんったらいつにも増して、すっごく可愛いんだもん。我慢出来なくて手出しちゃったのは僕の方だ。女のコがありがとう、なんてさ。言わなくたっていいんだよ。呼んでくれてありがとね」
「えへへ、白澤様のそういう優しいところ大好きです」
「ホント?じゃあ両想いだ。僕も名前ちゃんみたいな子は大好きだもん♡」
「本当に、来てくれてありがとうございました…最高の誕生日の朝です」
ぎゅうと抱き締め返してちゅ、と音を立てて口づける。
さらさらの素肌があったかくて気持ちいい。
「…また会いたくなったら呼んじゃうかもしれませんけど…いつもお会いすると遅くまで付き合わせてしまって申し訳なくて…」
「ついつい離したくなくなっちゃって、なかなか寝かせてあげられないんだけどね。そんな訳で気にしてないし、僕でいいならいつでも大歓迎。待ってるよ」
へら、と笑った彼に腰を抱き寄せられ、唇を食まれる。
あたたかくてやわらかい舌を受け入れれば自分のそれに絡ませながら柔く吸われ、優しく後頭部を撫でられた。
名残惜しげに唇に吸い付きながら「ごめんね、もう行かないと」と囁かれ、熱は離れた。
「
「え、なになに、もう一回言ってくださ」
「アハハ、
彼の言っていることを全部知りたくて中国語も勉強したけれど、そんな本場の発音ですらすら喋られたらわからない。
お誕生日おめでとう、だけは聞き取れたけど他はなんて言ったの。
必死の形相で言い寄る私を遮って笑った彼は、心底愛おしいものを見る眼差しで綺麗に笑むと、私のおでこに口づけを落とし、そして消えた。
「しぁつーじぃぇん…」
言われた言葉をそのまま返し、彼のぬくもりと香りの残る布団に顔を埋める。
来年もどうか、また会えますように。
1/1ページ