ダーク・キングダムSSログ


『シンデレラフィット(クンゾイ)』


ゾイサイトのセーラームーンをおびき寄せる作戦に手を貸すことになったクンツァイトは前々から考えていた作戦を満を持して提案することにした。
ゾイサイトの部屋に入って来たクンツァイトは手にある服を持ってやって来た。
それを見たゾイサイトは不思議な顔をする。

「次の作戦だがゾイサイト、お前にはこの服を来て任務に遂行してもらいたい」
「これってセーラームーンの戦闘服…ですか?コレを私が着る…んですの?」
「うむ、そうだ。これを着てセーラームーンとして活躍し、セーラー戦士とタキシード仮面を誘き寄せ、全員を一網打尽に始末し、虹水晶も手に入れる。一石二鳥だと思わんか?」
「流石はクンツァイト様ですわ!でもセーラームーンになるのは…ちょっと」
「嫌か?ゾイサイトに似合うと思ったんだが?」

セーラームーンの戦闘服を来て欲しいと言われたゾイサイトは意外な作戦に動揺する。

「一緒に戦えるのは嬉しいんですが、セーラームーンの戦闘服を着て戦うと言うのはいきなりハードルが高いというか…」
「そうか。いい作戦だと思ったのだがゾイサイトが気乗りしないなら違う作戦を考え直さなければならないな」
「クンツァイト様、私、やりますわ!」
「いいのか?」
「ええ、クンツァイト様に喜んでいただきたいですもの」
「ではセーラームーンのコスチュームを試着してみてくれないか?サイズはピッタリにしてあるはずだが…」
「分かりましたわ。着てくるので少しお待ちください」

セーラームーンのコスチュームを持って別の所に着替えに行くゾイサイトはどうして直ぐにこの服が出てきたのか、そして一体このコスチュームを誰が作ったのか?とても疑問に思いながら試着を始める。
着替え終わったゾイサイトは鏡に映った自分のセーラームーン姿に恥ずかしくなった上に更にそのピッタリ感に驚いてしまう。
恥じらいもじもじながらセーラームーン姿で出てきたゾイサイトを見て先程までの余裕の顔が嘘のように驚いて固まってしまった。

「クンツァイト様、どうでしょうか?」
「ゾイサイト…うむ、似合っているな。サイズもピッタリだな」
「シンデレラフィットで驚きましたわ。このコスチューム、一体どうしたんです?」
「ゾイサイトの事で俺が分からない事など無いからな!」
「クンツァイト様自ら作ってくださったのですか?部下の妖魔に作らせたのかと思いましたわ」
「作戦を考えた時からお前の事を思いながら暇な時間にちょこちょことな。妖魔より俺の方がお前のサイズ感は知り尽くしているから自分で作った方が早いし、妖魔なんぞには任せられない」
「私の為になんて感激ですわ!ありがとうございます」
「礼には及ばん。サイズもピッタリで安心した」

クンツァイトはゾイサイトにフィットしたセーラームーンのコスチューム姿に大変満足した。

「作るの大変だったのでは無いですか?」
「いや、布があまりいらないから大した事はなかったぞ」
「でも結構複雑な作りになってるとお見受けしますわ?」
「大した事は無い。細かい作業は嫌いでは無い」
「流石はクンツァイト様ですわ♪で、作戦は一体どんなですの?この格好で私は何をすれば良いのです?」
「うむ、まずお前にはその姿で適当に人助けをしてもらう。そしてタキシード仮面とセーラー戦士を誘き寄せる。セーラームーンであるお前を縄で縛り、ピンチである事を印象付けタキシード仮面に助け出させる。タキシード仮面の始末は任せる。俺の方はセーラー戦士を引き留めておく」
「完璧ですわね!これで全員まとめて始末できますわ。でも私、縛られるんですね?」
「嫌か?」
「いいえ!クンツァイト様の為なら何でも喜んでいたしますわ」

こうして虹水晶を奪う為のセーラー戦士とタキシード仮面一網打尽計画の幕は開けた。




おわり

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