アマゾントリオSSログ


『悲願のアレ』


「祝杯よぉ〜♪祝杯をあげるわよぉ〜♬.*゚」

いつものバーでしっとりと呑んでいたホークスアイとフィッシュアイ。そこに場違いにテンション高くタイガーズアイが入って来る。

「どうしました、タイガーズアイ」
「機嫌いいわね、タイガーズアイ」

上機嫌なタイガーズアイとは違い、いつものテンションで質問するホークスアイとフィッシュアイ。

「遂に!アレ!したのよ!ホークスアイ!フィッシュアイ!」
「何の話?」
「アレってなんです?」
「アレはアレよ!」
「だから何?」
「阪神タイガース、遂にやったのよ!」

タイガーズアイのその言葉に二人は悟り、素っ気なく「ああ、アレね」とつぶやく。

「ちょっとぉ~、二人ともテンション低すぎない?もっと喜びましょうよ!」
「喜ぶも何も私たちは虎党じゃないですから」
「私も野球、興味なぁい!」

タイガーズアイのテンションとは裏腹に二人のテンションは低いまま。

「18年ぶりのアレでしたっけ?」
「そう!そうなのよ!あんたはフィッシュアイと違って野球好きだから詳しいでしょ?」
「でも私は福岡ソフトバンクホークスファンで虎には詳しくないですよ?」
「それでもよ!応援してる球団がリーグ優勝したら嬉しいでしょ?」
「まぁそうですけど、アレじゃ無くて単語言ってしまってますよ。良いんですか?」
「監督が解禁したし、優勝したからもういいのよ」
「そうですか」

この半年、監督が変わり去年のボロ負けだった阪神だが、今年は打って変わって負け無しだった虎。
大の虎党のタイガーズアイも例に漏れず興奮していて、マジック点灯されてからは更に機嫌が良かった。

「ソフトバンクは3位だっけ?」
「そうですよ。アレは無理ですね」
「残念ね。日本シリーズで一緒になって盛り上がりたかったのに……」
「ま、そう上手くは行かないですよ」
「そうね。……ってフィッシュアイ、あんたさっきから大人しいわね?」

タイガーズアイとホークスアイが野球談義に花を咲かせている中、全く話に入って来ないフィッシュアイがふと気になり話しかける。

「野球、興味ないし、魚の球団いないし、汗臭いしぃ~」
「なぁんだ。あんた不貞腐れてたの」
「べ、別にそんなんじゃ!」
「干支に続いて球団まで魚が無いなんて、不憫ですねぇ……」
「ハムはあるのにねえ」
「……ハムに負けた_| ̄|○ il||li」
「でも、アマゾントリオには必要不可欠なんだから、元気だしなさいよ!」
「タイガーズアイ……」
「じゃああんたも優勝の祝杯に呑みなさいな!」
「もう呑んでるわよ」
「アハハ、そうだったわね」

この日、タイガーズアイの虎祝杯に夜明けまで付き合わされ、泥酔したタイガーズアイの介抱までさせられたホークスアイとフィッシュアイだった。

「次はソレよぉ~!」

浴びるように酒を呑んだタイガーズアイは上機嫌に叫んだ言葉はバーに響き渡っていた。




おわり

20230917 ㊗阪神タイガースリーグ優勝🎊

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