リクエスト:愚痴もほどほどに
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4人は休憩所に集まった。
奈美とレンはマッサージ機に座りながら、フルーツ牛乳を飲んでいた。
太輔の奢りである。
「いやぁ、ナミ達も来てたなんて、偶然だなー」
レンと奈美は同時に太輔を睨みつけた。
太輔は両手を合わせ、頭を下げる。
「機嫌直してくれよー」
由良はフルーツ牛乳を飲みながら、こちらに近付いてきた。
「オレらだって、サービスしたろが。おあいこだろ?」
「「!!」」
サービスとは、露出のことである。
レンは反射的に、持っていたビンを由良に向かって投げつけた。
由良は首を傾けて避ける。
目標を失ったビンはすぐ背後の壁にぶつかり、粉々に砕けた。
「おまえらも、いい加減仲直りしろよ!」
「「……………」」
ふたりは目を合わせ、すぐにプイと逸らす。
「なんか鬱陶しい奴がいるー」
「あーあ、生理中の女子の気持ちー」
軽くセクハラ発言をする由良。
(子供…)
その様子を見た太輔は呆れ返ってしまう。
由良は太輔の背後に近付き、首に腕をかけた。
「いいもんねー。オレ、タイスケん家で世話になるしー」
そう言って舌をベッと出す。
「なに言っ…、んぶっ」
太輔が反論しようとしたら、口を右手で塞がれてしまった。
「それとも…、ナミにしよっかなー」
奈美の右腕をつかんで引き寄せる。
「え!?」
「それはやめとけ。阿修羅がいるから…」
太輔は体験者。
レンを見ると、わかりやすいほど青筋を立たせていた。
「勝手にしろ!!」
マッサージ機から立ち上がり、太輔達に背を向ける。
太輔は声をかけた。
「どこに行…」
「トイレ!!」
「あ、はい」
般若のような形相に睨まれ、太輔はすっかり縮こまってしまう。
女子トイレに入ったレンを見送ったあと、太輔と奈美は由良に迫った。
「いいのか?」
「だから言ったろが、オレらはこういう面倒なとこがあんだよ」
肩を落とす由良。
「わざわざ捜しに来たんだぞ、レンは」
「元はおまえが悪いんだしさー、もう一度謝ってこいよ。オレじゃ拾ってやれねえぞ」
「ちゃんと話し合った方がいい」
「素直じゃないのはおまえだって知ってんだろ」
「あ゙―――!! なんだよ、2人でオレをいぢめやがって―――!!」
2人に迫られ、逆切れした。
そのまま暴れるかと思ったが、すぐにおとなしくなり、ため息をつく。
「……タイスケ」
「な、なんだ?」
「知ってたら、教えてくんねえか?」
*****
女子トイレで、レンは気持ちを堪えていた。
「迎えに来てやったってのに…」
目の前の鏡をたたき割りたくなる。
「おい」
「!」
はっと扉に振り返ると、由良が堂々と入ってきた。
「おま…っ、ここ女子トイレ…」
「……………」
「え?」
レンが首を傾げると、由良は目を逸らしながら後頭部を掻く。
「………セーター…」
「……………」
「……悪かっ…」
レンは手を伸ばし、由良の口を塞いだ。
苦笑している。
「謝るのヘタクソか」
「……………」
「あ―――、もう。勝手にしろって言ってんだよ。出てくのも…、その…………」
レンも大概ヘタクソだ。
「勝手に帰ってきてもいい」と伝えたいのに。
察した由良はニヤリと笑った。
「じゃあ、勝手にする―――♪」
レンに抱きついて甘えだす。
「あ…、おい…」
甘える由良に困惑し、赤面したまま動きを止めた。
「ったく、すぐに調子に乗る…」
(あたしじゃねえと、誰も世話できそうにないな…)
由良の後頭部を撫でたとき、
「仲直りでき…」
太輔が様子を見にきた。
イチャつく寸前だったので由良とレンは同時に睨みつける。
「「今は邪魔すんな」」
「す…、すみません…っ」
*****
翌日、太輔と由良は電話で話していた。
「昨日、タイスケが教えてくれたの試してみたら、うまくいったぜー。キレーに落ちるモンだな」
由良が太輔に尋ねたのは、セーターに付いた絵の具の落とし方だった。
結果、見事な白に戻ったのだ。
“レン、喜んでたか?”
「ああ。びっくり顔を見せたかった♪」
“ははは、よかったー”
「また追い出されたら、そっちに寄るかもー」
途端に、太輔は笑いを引っこめる。
“カンベンしてくれ…”
冗談なく、食費の危機に陥る気がしてならない。
電話越しの太輔は、由良とレンの平穏を静かに願うのだった。
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