リクエスト:君だけに咲き誇る
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
・たまき
夕方、どれくらい片付いたか再び由良の部屋の扉を開けて覗いてみると、確かに部屋は綺麗に片づけられていたが、
「殺人現場!!?」
うつ伏せになって倒れている由良を発見。
床に赤い字で私の名前を書こうとして力尽きたらしい。
赤い字って言っても、絵の具だ。
「生きてるー?」
しゃがみ、箒の先でツンツンと由良の頭をつつく。
由良の額には大量の汗が浮かんでいた。
真夏だし、由良の部屋には冷房が存在しない。
もしかして、熱中症?
「だらしない」
「……………」
キツイ一言。
部屋の中を見回してみる。
粗大ゴミ類はほとんどなくなっていた。
たぶん、由良がほとんど自分の能力で散らしたんだと思う。
だったらそのままゴミ類も散らせばいいのに、って話だけど、使えるものと使えないものがごっちゃになってたから、わざわざ分けないといけなかったのだ。
部屋の隅にはまだ分けられていないゴミ類があった。
最低、半日以上はかかるかと思ってたけど、ここまでできていれば上出来だ。
やればできるコ
由良に視線を移し、思わず手を伸ばして頭に触れようとしたが、途中ではっとして止め、代わりに由良の額に当てた。
「ひんやり―――…」
顔を上げた由良が気持ちよさげな笑みを浮かべる。
パンッ
「って!」
同時に、由良の額を平手でしばいた。
立ち上がり、由良に背を向ける。
「回復したなら、さっさと続きやったら?」
「………ひでぇ…」
由良は再び顔を床に伏せた。
私はため息をつき、ソファーの肘掛けにかけられてあったタオルで由良の顔の汗を拭ってあげながら言う。
「私も手伝うわよ。しょうがないなぁ」
*****
私がゴミを分別する係、由良が消し飛ばしていく係。
さすが2人でやると早い。
夕陽が完全に沈む前に片付け終了。
「次、同じこと繰り返したら、干からびかけても手伝わないからね」
床に座り、持ってきていたペットボトルに入った烏龍茶を飲んだ。
夕方でだいぶ涼しくなってきたけど、蒸し蒸しする。
「オレにもくれ」
返事もしてないのに、由良は私の手からペットボトルを取り上げて水分補給した。
私の烏龍茶…。
「返せ」と言えるわけがない。
肩を落としていると、
「!?」
いきなり、ペットボトルの飲み口を口に突っ込まれた。
残りの烏龍茶が私の口に流し込まれ、驚いてゴクリと音を立てて飲んでしまう。
「ゲホッ、ケホッ。なにす…っ」
「返してほしそうだったから返したんだよ」
「バカじゃないの!? これじゃ、間接キ……ッ、ゴホッ、ゴホッ」
口にするのも恥ずかしい発言をしてしまいそうになり、慌てて咳払いして誤魔化した。
危ない危ない。
「……あれは、捨てないの?」
目の端に映った、あの植木鉢を指さす。
「あの捨て鉢はいいんだよ」
「…今、なんて?」
「捨て鉢」
“やけくそ”っていう意味だって知ってんのかな。
「でも、花咲かないじゃない」
「咲くさ」
「ムリだよ」
もうすでに枯れているのに。
由良は立ち上がり、植木鉢の端に触れた。
私もそれに近付き、枯れた花に触ってみる。
触り心地が悪くてすぐに手を引っ込めたけど。
「由良、死んだ花は咲かない」
「んなことねえよ。ちゃんと咲いてるじゃねえか、キレーに…」
由良の視線が植木鉢じゃなく、私に移っていることに気付いた。
「え」と由良を見上げると、由良の大きな右手が私の左頬に触れる。
私はそれを払いのけようと考えたけど、そっと由良の右手の甲に自分の左手を重ねただけで終わった。
もっと触れてほしい
口には出せないけど、これが本当の気持ち。
翌日、早朝から由良が私の部屋に突入してきた。
「タマ、起きろ!」
「なによ~…」
こんなに朝早く叩き起こされる覚えはない。
不機嫌な私に構わず、由良は私の手首をつかんでベッドから引きずり下ろした。
「わっ、なにっ!?」
そのまま廊下まで引きずられそうな勢いだったので、立ち上がり、頭を横に何度か振って脳を起こしたあと、由良についていった。
*****
つれていかれた場所は、由良の部屋だ。
まさか、また掃除を手伝うはめになるんじゃないだろうか。
由良がニヤニヤしながら扉を開ける。
私の手首をつかんだまま中に入り、「あれ」と指さした。
「!!」
植木鉢を見て、私は驚いて目を見開く。
花が咲いていたからだ。
枯れた花の傍らに、一輪のたんぽぽが咲いている。
「え…」
「驚いただろー? 種植えた覚えもねえのに」
きっと、風に運ばれてきた綿毛が窓から入り込んだのか、由良に付着していた綿毛が植木鉢の土に落ちたのか、自然に育ち、花を咲かせたのだ。
もうなにも咲かせることがないであろう、と思っていた植木鉢にだ。
「そこらへんに咲いてる花だけど…、すごい…」
自然と笑みがこぼれた。
由良も笑みを浮かべる。
「そうやって、ずっと笑ってろ」
そう言われ、頬が熱くなるのを感じた。
自分は花にたとえるとなんだろう
願わくば、綺麗な花でありたい
由良の好きな花でありたい
.END
夕方、どれくらい片付いたか再び由良の部屋の扉を開けて覗いてみると、確かに部屋は綺麗に片づけられていたが、
「殺人現場!!?」
うつ伏せになって倒れている由良を発見。
床に赤い字で私の名前を書こうとして力尽きたらしい。
赤い字って言っても、絵の具だ。
「生きてるー?」
しゃがみ、箒の先でツンツンと由良の頭をつつく。
由良の額には大量の汗が浮かんでいた。
真夏だし、由良の部屋には冷房が存在しない。
もしかして、熱中症?
「だらしない」
「……………」
キツイ一言。
部屋の中を見回してみる。
粗大ゴミ類はほとんどなくなっていた。
たぶん、由良がほとんど自分の能力で散らしたんだと思う。
だったらそのままゴミ類も散らせばいいのに、って話だけど、使えるものと使えないものがごっちゃになってたから、わざわざ分けないといけなかったのだ。
部屋の隅にはまだ分けられていないゴミ類があった。
最低、半日以上はかかるかと思ってたけど、ここまでできていれば上出来だ。
やればできるコ
由良に視線を移し、思わず手を伸ばして頭に触れようとしたが、途中ではっとして止め、代わりに由良の額に当てた。
「ひんやり―――…」
顔を上げた由良が気持ちよさげな笑みを浮かべる。
パンッ
「って!」
同時に、由良の額を平手でしばいた。
立ち上がり、由良に背を向ける。
「回復したなら、さっさと続きやったら?」
「………ひでぇ…」
由良は再び顔を床に伏せた。
私はため息をつき、ソファーの肘掛けにかけられてあったタオルで由良の顔の汗を拭ってあげながら言う。
「私も手伝うわよ。しょうがないなぁ」
*****
私がゴミを分別する係、由良が消し飛ばしていく係。
さすが2人でやると早い。
夕陽が完全に沈む前に片付け終了。
「次、同じこと繰り返したら、干からびかけても手伝わないからね」
床に座り、持ってきていたペットボトルに入った烏龍茶を飲んだ。
夕方でだいぶ涼しくなってきたけど、蒸し蒸しする。
「オレにもくれ」
返事もしてないのに、由良は私の手からペットボトルを取り上げて水分補給した。
私の烏龍茶…。
「返せ」と言えるわけがない。
肩を落としていると、
「!?」
いきなり、ペットボトルの飲み口を口に突っ込まれた。
残りの烏龍茶が私の口に流し込まれ、驚いてゴクリと音を立てて飲んでしまう。
「ゲホッ、ケホッ。なにす…っ」
「返してほしそうだったから返したんだよ」
「バカじゃないの!? これじゃ、間接キ……ッ、ゴホッ、ゴホッ」
口にするのも恥ずかしい発言をしてしまいそうになり、慌てて咳払いして誤魔化した。
危ない危ない。
「……あれは、捨てないの?」
目の端に映った、あの植木鉢を指さす。
「あの捨て鉢はいいんだよ」
「…今、なんて?」
「捨て鉢」
“やけくそ”っていう意味だって知ってんのかな。
「でも、花咲かないじゃない」
「咲くさ」
「ムリだよ」
もうすでに枯れているのに。
由良は立ち上がり、植木鉢の端に触れた。
私もそれに近付き、枯れた花に触ってみる。
触り心地が悪くてすぐに手を引っ込めたけど。
「由良、死んだ花は咲かない」
「んなことねえよ。ちゃんと咲いてるじゃねえか、キレーに…」
由良の視線が植木鉢じゃなく、私に移っていることに気付いた。
「え」と由良を見上げると、由良の大きな右手が私の左頬に触れる。
私はそれを払いのけようと考えたけど、そっと由良の右手の甲に自分の左手を重ねただけで終わった。
もっと触れてほしい
口には出せないけど、これが本当の気持ち。
翌日、早朝から由良が私の部屋に突入してきた。
「タマ、起きろ!」
「なによ~…」
こんなに朝早く叩き起こされる覚えはない。
不機嫌な私に構わず、由良は私の手首をつかんでベッドから引きずり下ろした。
「わっ、なにっ!?」
そのまま廊下まで引きずられそうな勢いだったので、立ち上がり、頭を横に何度か振って脳を起こしたあと、由良についていった。
*****
つれていかれた場所は、由良の部屋だ。
まさか、また掃除を手伝うはめになるんじゃないだろうか。
由良がニヤニヤしながら扉を開ける。
私の手首をつかんだまま中に入り、「あれ」と指さした。
「!!」
植木鉢を見て、私は驚いて目を見開く。
花が咲いていたからだ。
枯れた花の傍らに、一輪のたんぽぽが咲いている。
「え…」
「驚いただろー? 種植えた覚えもねえのに」
きっと、風に運ばれてきた綿毛が窓から入り込んだのか、由良に付着していた綿毛が植木鉢の土に落ちたのか、自然に育ち、花を咲かせたのだ。
もうなにも咲かせることがないであろう、と思っていた植木鉢にだ。
「そこらへんに咲いてる花だけど…、すごい…」
自然と笑みがこぼれた。
由良も笑みを浮かべる。
「そうやって、ずっと笑ってろ」
そう言われ、頬が熱くなるのを感じた。
自分は花にたとえるとなんだろう
願わくば、綺麗な花でありたい
由良の好きな花でありたい
.END