リクエスト:夏空に運ばれて
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・世蓮
「……それからどんどんと別人みたいに痩せてく丘田を見て、違うって思ったんだけどね」
「ビックリしたよ、誰かと思ったし」
笑って言う勇太を睨みつけると、勇太ははっとした顔になった。
余計に私の機嫌が悪くなる。
「……カワイくなったよね、丘田」
勇太から目を逸らし、刺々しい言葉で言った。
「拗ねるなよ…」
そう言って、勇太は私の顔を覗き込んだ。
思わずドキッとしてしまう。
「……おまえもちょっと痩せたか? 世蓮はもともと細いんだから、それ以上痩せてどうすんだ」
「ゆ…、勇太のせいじゃない…」
「う…っ」
言い返す言葉もないのか、勇太が申し訳なさそうな顔をする。
「いろんな説が流れてたよ。女子高生と駆け落ち説、男一匹流浪の旅説、自分捜しの旅説とか……」
「まだあるのか」
肩を落とす勇太を流し目で見て、呟くように言った。
「……私は、葵ちゃん捜し説だと思ってる。違う?」
「!」
図星なのか、勇太がピクリと反応したのを見逃さなかった。
当たってほしくなかったことが確信となり、泣きそうになる。
「……葵ちゃん捜してたのは知ってる。隣の席だったし、突然いなくなって動揺してたことも知ってる。……けどさ、後ろも見てよ。私だって、勇太がいなくなって必死に町中捜したんだよ?」
机に顔を伏せると、勇太が立ち上がった音が聞こえた。
顔を上げようとしたとき、勇太は私の後ろに回り込んで後ろから抱きしめ、耳元で囁くように言う。
「世蓮…、本当にごめんな? いなくなった友達の手がかりを葵が持ってたから、捜してたんだ。それでようやく見つけて、その友達と会ってきた。横須賀に行って、その友達の手伝いもしてたんだ」
勇太に振り向いて、大きな瞳を見つめる。
嘘をついている目じゃない。
勇太は戸惑ったあと、言葉を継ぐ。
「……それで…さ…、また…数日後に…、友達の手伝いをしに行くんだ。だから…!」
勇太の腕の力が強くなった。
私の肩に顔を埋める。
「待ってて…ほしい…」
それを聞いて、勇太の手首に触れてその手をはずし、立ち上がって振り向いた。
「!」
勇太は怯んだ顔をしたが、
「……素直に、それを言ってほしかった」
私はそう言って、勇太の背中に腕をまわして優しく抱きしめる。
「無事に帰ってきてよね」
涙を堪えて言った私に、勇太も背中に腕をまわして抱きしめてくれた。
「ちゃんと、帰ってくるから。……ただ……」
「?」
心配そうな顔を向けられる。
「おまえ、モテるから心配…」
「あ、勇太でもそういう心配してくれるんだ?」
「当たり前だろ!」
ムキになって言う勇太がスゴク可愛い。
「そういえば、勇太がいなくなってた間に、何人かの男子にコクられたよ」
「え!?」
「ちゃんと断ったけど」
笑みを向けて言ったが、勇太は顔をしかめてコブシを握りしめた。
「誰そいつら! 閉じ込めてやる!」
「「閉じ込める」?」
首を傾げると、勇太は私の両肩をつかみ、赤くなった顔で真剣な目で私に言った。
「離れてても、オレ、ず~っと世蓮のこと考えてるからな!」
「私も!」
そう言って、2人で笑った。
そして、夏休みが間近となってその日は来てしまった。
だけど私は笑って「いってらっしゃい」と勇太を送り出した。
夏休みに入って、さっさと宿題を終わらせてしまおうと、2階の自分の部屋で机に向かっていた。
窓の向こうから蝉の鳴き声がうるさいほど聞こえる。
「暑い…」
鉛筆を転がし、机に伏せた。
勇太…、今頃なにやってんのかなぁ…。
目の前のベランダの窓から夏空を見上げ、勇太のことを考える。
「会いたい」と思ったと時だ。
「世蓮~、エアメールが届いてるわよー」
階段の下からお母さんの声が聞こえ、ガバッと身を起こした。
「エアメール!?」
もしかして…!
すぐに下におりて、お母さんからエアメールを受け取った。
自分の部屋に戻ってじっくりと見ると、思ったとおり勇太からだ。
さっそく封を開けて中身の手紙を取り出す。
手紙と一緒に小さな薄桃色の貝殻が出てきた。
手紙を開いて読む。
世蓮へ。
元気にしてる?
そっちは夏休みに入ったんだろ?
こっちもかなり暑くて夏バテしそうだ。
宿題でわからないところがあったら、手紙で送ってくれ。
オレがいないと、宿題が終わらないだろ?
じゃあ、夏風邪に気をつけろよ
勇太より。
長くも短くもない文章だったけど、
どんな内容にするのか、悩んでは消して悩んでは消しての筆跡があり、私が返事を返しやすいようにしてあった。
クスッと笑って、手紙を何度も読み返す。
心配しなくても、ちゃんと返すよ、勇太。
「お母さん、エアメールの出し方知ってるー?」
手紙を片手に、1階に降りる。
「おかえり」と言える日が来るまで、待ってるからね。
.
「……それからどんどんと別人みたいに痩せてく丘田を見て、違うって思ったんだけどね」
「ビックリしたよ、誰かと思ったし」
笑って言う勇太を睨みつけると、勇太ははっとした顔になった。
余計に私の機嫌が悪くなる。
「……カワイくなったよね、丘田」
勇太から目を逸らし、刺々しい言葉で言った。
「拗ねるなよ…」
そう言って、勇太は私の顔を覗き込んだ。
思わずドキッとしてしまう。
「……おまえもちょっと痩せたか? 世蓮はもともと細いんだから、それ以上痩せてどうすんだ」
「ゆ…、勇太のせいじゃない…」
「う…っ」
言い返す言葉もないのか、勇太が申し訳なさそうな顔をする。
「いろんな説が流れてたよ。女子高生と駆け落ち説、男一匹流浪の旅説、自分捜しの旅説とか……」
「まだあるのか」
肩を落とす勇太を流し目で見て、呟くように言った。
「……私は、葵ちゃん捜し説だと思ってる。違う?」
「!」
図星なのか、勇太がピクリと反応したのを見逃さなかった。
当たってほしくなかったことが確信となり、泣きそうになる。
「……葵ちゃん捜してたのは知ってる。隣の席だったし、突然いなくなって動揺してたことも知ってる。……けどさ、後ろも見てよ。私だって、勇太がいなくなって必死に町中捜したんだよ?」
机に顔を伏せると、勇太が立ち上がった音が聞こえた。
顔を上げようとしたとき、勇太は私の後ろに回り込んで後ろから抱きしめ、耳元で囁くように言う。
「世蓮…、本当にごめんな? いなくなった友達の手がかりを葵が持ってたから、捜してたんだ。それでようやく見つけて、その友達と会ってきた。横須賀に行って、その友達の手伝いもしてたんだ」
勇太に振り向いて、大きな瞳を見つめる。
嘘をついている目じゃない。
勇太は戸惑ったあと、言葉を継ぐ。
「……それで…さ…、また…数日後に…、友達の手伝いをしに行くんだ。だから…!」
勇太の腕の力が強くなった。
私の肩に顔を埋める。
「待ってて…ほしい…」
それを聞いて、勇太の手首に触れてその手をはずし、立ち上がって振り向いた。
「!」
勇太は怯んだ顔をしたが、
「……素直に、それを言ってほしかった」
私はそう言って、勇太の背中に腕をまわして優しく抱きしめる。
「無事に帰ってきてよね」
涙を堪えて言った私に、勇太も背中に腕をまわして抱きしめてくれた。
「ちゃんと、帰ってくるから。……ただ……」
「?」
心配そうな顔を向けられる。
「おまえ、モテるから心配…」
「あ、勇太でもそういう心配してくれるんだ?」
「当たり前だろ!」
ムキになって言う勇太がスゴク可愛い。
「そういえば、勇太がいなくなってた間に、何人かの男子にコクられたよ」
「え!?」
「ちゃんと断ったけど」
笑みを向けて言ったが、勇太は顔をしかめてコブシを握りしめた。
「誰そいつら! 閉じ込めてやる!」
「「閉じ込める」?」
首を傾げると、勇太は私の両肩をつかみ、赤くなった顔で真剣な目で私に言った。
「離れてても、オレ、ず~っと世蓮のこと考えてるからな!」
「私も!」
そう言って、2人で笑った。
そして、夏休みが間近となってその日は来てしまった。
だけど私は笑って「いってらっしゃい」と勇太を送り出した。
夏休みに入って、さっさと宿題を終わらせてしまおうと、2階の自分の部屋で机に向かっていた。
窓の向こうから蝉の鳴き声がうるさいほど聞こえる。
「暑い…」
鉛筆を転がし、机に伏せた。
勇太…、今頃なにやってんのかなぁ…。
目の前のベランダの窓から夏空を見上げ、勇太のことを考える。
「会いたい」と思ったと時だ。
「世蓮~、エアメールが届いてるわよー」
階段の下からお母さんの声が聞こえ、ガバッと身を起こした。
「エアメール!?」
もしかして…!
すぐに下におりて、お母さんからエアメールを受け取った。
自分の部屋に戻ってじっくりと見ると、思ったとおり勇太からだ。
さっそく封を開けて中身の手紙を取り出す。
手紙と一緒に小さな薄桃色の貝殻が出てきた。
手紙を開いて読む。
世蓮へ。
元気にしてる?
そっちは夏休みに入ったんだろ?
こっちもかなり暑くて夏バテしそうだ。
宿題でわからないところがあったら、手紙で送ってくれ。
オレがいないと、宿題が終わらないだろ?
じゃあ、夏風邪に気をつけろよ
勇太より。
長くも短くもない文章だったけど、
どんな内容にするのか、悩んでは消して悩んでは消しての筆跡があり、私が返事を返しやすいようにしてあった。
クスッと笑って、手紙を何度も読み返す。
心配しなくても、ちゃんと返すよ、勇太。
「お母さん、エアメールの出し方知ってるー?」
手紙を片手に、1階に降りる。
「おかえり」と言える日が来るまで、待ってるからね。
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