短編:番犬は咎人と語る
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・由良
オレの死刑まで、あと2日。
「……ぷっ」
奥歯を吐き捨てる。
もはや、どこが一番痛いのかはっきりしなくなってきた。
口の中は血の味しかしない。
甘いものでも食べて誤魔化したい。
左腕の解けそうな包帯を見つめた。
―――……巻きなおさねえと…。
手枷の状態じゃ、ちょっと難しい。
「死刑になる前に味わっておけ。2度と痛みは感じないかもしれないからな」
地獄とかは信じてねえのかな。
銃口がこちらに向けられる。
「なにか喋ってみろよ」
罰を与えることが楽しいみたいだ。
オレは笑みを浮かべた。
「……っ…」
「ん?」
「…おまえらも…、オレらとおんなじだ」
引き金の指に力が込められる。
その時、扉が開いた。
「!」
看守は扉に振り返り、声をかける。
「何事だ? 交代までまだ時間があるぞ」
扉から入ってきた人物は黙ったまま、こちらにやってくる。
看守も檻から出て、姿を確認しようと近付いた。
「おまえ…」
ドカッ!
「がはっ」
看守がいきなり蹴り飛ばされ、オレの檻に背中を打ちつけた。
「お…まえは…」
看守が名前を口にする前に、そいつは看守のみぞおちにコブシを打ち込み、気絶させる。
それから、看守のポケットを漁り、鍵を取り出し、オレの檻に入ってきた。
「よう、1ヵ月ぶり?」
レンだ。
「その1ヶ月になるまえに、逃げるぞ」
そう言って、オレの手足の枷と首輪をはずした。
久しぶりの解放感だ。
レンは気絶させた看守を檻の中まで引きずり、服を脱がせ、オレに放り投げる。
「それに着替えろ」
「いいのか?」
「聞くな! 考え直すだろ!」
逆切れされた。
考え直されても困るので、オレはボロボロの囚人服を脱ぎ、看守の服に着替える。
その間に、レンは、看守にオレが着ていた囚人服を着させた。
ちゃんと手足の枷と首輪をつける。
「急げ!」
「急かすな。傷に障る…」
走るだけでも全身が痛む。
扉から出る前に鍵をもたされた。
「できるだけ、うつむいてろ」
そう言うと同時に、レンは扉を開ける。
それから廊下を進んでいった。
真っ直ぐ進んだ先にある鉄格子の扉を開け、さらに進み、右へ左へと曲がる。
途中で何人かの看守とすれ違ったが、同じ看守服を着ているため、バレずに済んだ。
監獄の出入口が見えてきた。
「そろそろ交代の時間だ。走るぞ」
小声で言われ、レンのあとを追いかけ、監獄の出入口を出る。
久しぶりの外だ。
夜でも嬉しいものだ。
だが、ぐずぐずしていられない。
サイレンが鳴ったからだ。
「こっちだ!」
レンは門を避け、監獄の建物の裏へとまわった。
それから、高い塀の真下の茂みから長い鎖を取り出す。
事前に用意しておいたものなのだろう。
鎖の先にはフックが結ばれていた。
先を振り回し、高い塀へ投げてひっかける。
ちゃんと引っ掛かったか確認したあと、のぼっていった。
オレに「早く」と言って促す。
オレもレンに続く。
「なあ」
のぼりながら、レンに声をかけた。
「なんだ?」
「なんで出してくれたんだ?」
今更なことを聞いて怒られるかと思ったが、レンは怒ることもなく答える。
「……死刑台に立たなくていいと思ったから…」
看守の言葉じゃない。
本人もそれをわかってると思う。
けど、嬉しかった。
.
オレの死刑まで、あと2日。
「……ぷっ」
奥歯を吐き捨てる。
もはや、どこが一番痛いのかはっきりしなくなってきた。
口の中は血の味しかしない。
甘いものでも食べて誤魔化したい。
左腕の解けそうな包帯を見つめた。
―――……巻きなおさねえと…。
手枷の状態じゃ、ちょっと難しい。
「死刑になる前に味わっておけ。2度と痛みは感じないかもしれないからな」
地獄とかは信じてねえのかな。
銃口がこちらに向けられる。
「なにか喋ってみろよ」
罰を与えることが楽しいみたいだ。
オレは笑みを浮かべた。
「……っ…」
「ん?」
「…おまえらも…、オレらとおんなじだ」
引き金の指に力が込められる。
その時、扉が開いた。
「!」
看守は扉に振り返り、声をかける。
「何事だ? 交代までまだ時間があるぞ」
扉から入ってきた人物は黙ったまま、こちらにやってくる。
看守も檻から出て、姿を確認しようと近付いた。
「おまえ…」
ドカッ!
「がはっ」
看守がいきなり蹴り飛ばされ、オレの檻に背中を打ちつけた。
「お…まえは…」
看守が名前を口にする前に、そいつは看守のみぞおちにコブシを打ち込み、気絶させる。
それから、看守のポケットを漁り、鍵を取り出し、オレの檻に入ってきた。
「よう、1ヵ月ぶり?」
レンだ。
「その1ヶ月になるまえに、逃げるぞ」
そう言って、オレの手足の枷と首輪をはずした。
久しぶりの解放感だ。
レンは気絶させた看守を檻の中まで引きずり、服を脱がせ、オレに放り投げる。
「それに着替えろ」
「いいのか?」
「聞くな! 考え直すだろ!」
逆切れされた。
考え直されても困るので、オレはボロボロの囚人服を脱ぎ、看守の服に着替える。
その間に、レンは、看守にオレが着ていた囚人服を着させた。
ちゃんと手足の枷と首輪をつける。
「急げ!」
「急かすな。傷に障る…」
走るだけでも全身が痛む。
扉から出る前に鍵をもたされた。
「できるだけ、うつむいてろ」
そう言うと同時に、レンは扉を開ける。
それから廊下を進んでいった。
真っ直ぐ進んだ先にある鉄格子の扉を開け、さらに進み、右へ左へと曲がる。
途中で何人かの看守とすれ違ったが、同じ看守服を着ているため、バレずに済んだ。
監獄の出入口が見えてきた。
「そろそろ交代の時間だ。走るぞ」
小声で言われ、レンのあとを追いかけ、監獄の出入口を出る。
久しぶりの外だ。
夜でも嬉しいものだ。
だが、ぐずぐずしていられない。
サイレンが鳴ったからだ。
「こっちだ!」
レンは門を避け、監獄の建物の裏へとまわった。
それから、高い塀の真下の茂みから長い鎖を取り出す。
事前に用意しておいたものなのだろう。
鎖の先にはフックが結ばれていた。
先を振り回し、高い塀へ投げてひっかける。
ちゃんと引っ掛かったか確認したあと、のぼっていった。
オレに「早く」と言って促す。
オレもレンに続く。
「なあ」
のぼりながら、レンに声をかけた。
「なんだ?」
「なんで出してくれたんだ?」
今更なことを聞いて怒られるかと思ったが、レンは怒ることもなく答える。
「……死刑台に立たなくていいと思ったから…」
看守の言葉じゃない。
本人もそれをわかってると思う。
けど、嬉しかった。
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