短編:飛び入り転校生
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体育の授業が終わり、男子達は男子更衣室で体操服から制服に着替えていた。
体育の次は、ミケーレが担当の国語である。
太「!」
その時、太輔はロッカーの奥に、四角いなにかを見つけて取り出した。
他の男子達が太輔に振り向く。
勇「なんだそれ?」
太「ロッカーの奥にあった」
ゲームソフトである。
広「ゲーム? 落合さん達がいる…」
背景は教室で、知っている女子達が並んだ、パッケージになっていた。
由「ギャルゲーってやつだな」
太「!!」
横から由良が覗き込んだ。
太輔達は驚いてたじろぐ。
太「どこから湧いて出た!?」
ただ、窓から入ってきただけである。
由良はニヤニヤしながら、太輔の首に腕をかけた。
由「いやー、若いねー、少年♪」
太「ち、違う! オレのじゃねえ!!」
太輔のロッカーに入ってあったのだから、勘違いされても仕方がない。
由良は太輔の手からゲームソフトを取り上げ、裏面を見た。
勇太も一緒に見る。
勇「パソコン用だな」
由「さっそく、中身見てみようぜー」
由良がゲームソフトを手に、更衣室から出て行こうとした。
勇太もついていく。
広「次、授業なのに…」
由「サボれば?」
太「教師のセリフじゃねえな…」
*****
だが、好奇心もあり、太輔達は情報処理室へと向かった。
使用しているのがバレないように、明かりをつけずに入る。
薄暗い空間の中、教室の奥にあるパソコンを起動させた。
広「目が悪くなりそう…」
太輔はケースからゲームソフトを取り出し、挿入する。
画面に、嫌でも見覚えのある女性陣が登場する。
太「どう見ても、ナミ達だよな…」
パソコンの前に座った太輔は怪訝そうに眉を寄せる。
勇太は右、由良は左の椅子に座りながら画面を窺った。
広瀬は背後から眺める。
勇「もうちょっとボリューム下げろ。気付かれるだろ」
オープニングが教室中に響き渡る。
すると、プレイ開始前に、突然扉が大きく開かれた。
森「いた!」
岡「ボクのゲーム返して―――!!」
森尾と岡田が突入してきた。
勇「これ…、おまえの…」
どうして太輔のロッカーに入ってあったのだ、と尋ねたところ、寝床にしていたらうっかり落としてしまった、と答える。
太「人のロッカーを寝床にするな!!」
よく入ったものだ。
なぜ森尾が一緒なのかというと、
森「なくしものをしたと泣きつかれた」
広「いい人ですね…」
それが森尾である。
岡「せっかく手に入ったのに、ボクがプレイする前からされちゃ困るよ」
脇には攻略本が抱えられていた。
勇「そう、そのボタン」
太「ゲームスタート」
ゲームが開始される。
岡「シカト!!?」
森尾と岡田も、広瀬と並んで太輔の背後からそれを眺めた。
森「誰だ、このゲーム作ったの…」
岡「とある人に作ってもらったんだ。世界でたったひとつしかないゲーム」
岡田はそう言いながら、攻略本とパソコンの画面を交互に見る。
全員の頭に、杏の顔が浮かんだ。
岡田が登場する女性陣について説明していく。
画面内の主人公の家の前には、恵が待っていた。
恵“おはよう。今日も早いね”
岡「メグちゃんは幼馴染設定」
太「オレの場合は変わらねえな」←リアル幼馴染。
他にも続々とキャラクターが登場する。
岡「他にも、隠しキャラで発展していくこともあるよ。眼鏡っこ貧乳教師とか」
雨“貧乳でなにが悪いのよ―――!!”
岡「忠実なミリタリー少女」
D4“ご命令を!”
岡「年齢不詳の美人校長」
ユ“フフフ”
手を伸ばされる。
全員「!!?」
バッドエンドの画面。
全員の額には、嫌な汗が浮かんでいた。
太「さっきのホラーイベントは忘れて…、もう一度…」
プレイ再開。
華“授業遅れちゃダメよ―――”
音楽室で華音登場。
森「華音ルート…」
岡「よくデートに誘ってくるキャラクターだよ」
華“遊びに行こ―――♪”
デートに誘われた。
選択肢を決めよ。
太「そりゃ…、せっかくのお誘いだし…」
→デートする
断る
華“あれ買って―――。あ、これもぉ―――♪”
デパートにやってきたものの、さっきから服やアクセサリーを買ってばかりだ。
勇「え…、遠慮ねえ…」
岡「ちなみに、あまりデートに行きすぎると…」
華“遊べない男は嫌い~。じゃあねぇ♪”
岡「破産する」
バッドエンドの画面。
太「ひでえ!!」
森「これは屈辱だ…」
難易度が高すぎて、アメとムチを使い分けなければならない。
プレイ再開。
奈“……おはよう”
登校途中でばったりと会った。
由「ナミルートだな」
太「む、難しそうだな…」
→並んで登校する
先に行く
奈“宿題? やってないのか? しょうがないな…”
宿題を写させてもらう。
奈“ありがとう”
理科室の資料を一緒に運ぶ。
時には、ケンカすることもあったが、太輔が正しい選択をし、すぐに仲直りをした。
他にも、掃除を手伝ったりなど、先程とは違い、ストーリーもスムーズに進んでいく。
関係も雰囲気もよくなってきた。
勇「いいカンジだな」
デートの約束をし、背景が遊園地に変わる。
オシャレな私服姿の奈美が映った。
奈“手を繋いでも……いい…?”
太「う…!?」
岡「うまくいけば、全種類のコスチュームに着替えてくれるよ。メイド服とか、水着とか、チアガールとか、ナースさんとか、浴衣とか、ネコ耳とか…」
まだまだあるらしい。
やはり奈美はどんな服を着てもとても似合う。
そろそろラストイベントも近付いてきた。
奈“…今日、私の家に来ないか…?”
由「おっ、誘ってきたぜ。ここで行かなきゃ男じゃねえだろ」
横から由良が背中を押す。
太輔は恥ずかしそうに唸ったあと、選択をした。
行かない
→行く
奈美の家に遊びに行った。
奈美は自分の部屋に案内し、部屋の中心で向かい合い、見つめ合う。
奈“私…、その…、ずっと前から……”
奈美の顔が近付いてくる。
太「うわっ、た、タイム!」
由・勇「タイムなし!」
いよいよフィナーレかと思われた瞬間、奈美の部屋の扉がいきなり勢いよく開かれた。
父「殺!!!」
般若のような形相の奈美の父親が刀を振りかぶり、一気に振り下ろした。
ズバンッ!!
画面に血が飛び散る。
太「えええ!!?」
バッドエンド。
岡「すごい! 細かく決められたルートでしか存在しない隠しエンドだよ!!」
太「誰得だよ!!?」
勇「すごく今更だけど、なんでラブストーリーで流血沙汰になってんだ」
性懲りもなく、プレイ開始。
葵「兄ちゃん、遊ぼ―――♪」
今度は葵が登場する。
勇「葵!?」
岡「このコは妹役だね」
勇「なんでこいつまでいるんだよ!!」
勇太は画面に指をさして岡田に怒鳴った。
岡「ボ、ボクに言われても…」
いつの間にか、背景は海に切り替わっていた。
水着姿の葵がはしゃぐ。
葵「海―――♪」
勇太はそれを見て、「うわっ」と顔を真っ赤にして声を上げた。
勇「ルート変更だ!!」
太「わかったからシメるな~~~」
両手で太輔の首をつかんで揺すっている。
太輔は葵に対しては消極的な返答を返し続け、別のルートを進むことにした。
学校に遅刻しそうなので、走るか歩くか選択せよ。
太「そりゃ、遅刻しそうならやっぱり…」
歩く
→走る
走って学校へ向かう。
森「このパターンって、大体、曲がり角でぶつかったりするんだな」
曲がり角が見えてきた。
ドン!!
全員「!!」
バイクに轢かれてしまった。
太「まさかの事故発生!!?」
レン登場。
レン“飛び出してんじゃねえよ、バカヤロウ!! 死にてえのか!”
森「人轢いといて罵声浴びせてる…」
勇「そして普通なら死んでる…」
さて、謝るか、言い返すか。
太「やっぱり、急に飛び出しちゃったし、謝った方が…」
由「バカ。フツー言い返すだろ。そろそろ代われ」
太輔と由良がチェンジする。
それからも険悪なムードは続く。
レン“なに見てんだよ”
選択、からかう。
レン“ケンカ売ってんのか?”
選択、ケンカする。
レン“おまえなんて嫌いだ!”
選択、さらに挑発。
太輔達はそれを見ながらハラハラとしていた。
太「ヤバいだろ」
勇「もう明らかに敵とみなされてるし…」
森「これ以上は見てられない」
広「バッドエンドに…」
帰宅途中、道端でバイクにもたれて座っているレンを発見。
どうやら、パンクした様子だ。
こちらに近付く主人公に気が付き、睨みつける。
レン“…なに?”
→通過する
慰める
太「だからそこは…」
普通なら“慰める”というところだ。
バッドエンドになるかと思いきや、主人公の向かった先には、バイク売場があった。
由良はそこに立ち寄り、バイクのタイヤを購入したあと、レンのもとへと戻る。
レン“!”
パンクしたタイヤと新しいタイヤを交換した。
レン“……のってけよ。…メシくらい…、おごるから…”
太「あれだけ険悪だったのに!?」
岡「いや、だからこそ、突然の優しさにぐっとくるものがあるんだ!! ツンデレって案外チョロい!!」
背後で騒ぐ外野を無視し、由良は続けて思うように選択していく。
そのたび、険悪だった2人の距離が縮まっていくのを感じた。
レン“…一緒に帰ろうぜ”
いつの間にか、レンはバイクではなく、徒歩で登校・帰宅するようになった。
岡「これは、間違いなくハッピーエンドに近付いてる!」
背景は屋上に切り替わる。
レン“おまえといるとすごく楽しい”
画面に映るレンは笑顔だ。
レン“あたし、おまえが好き”
由「こっちのレンも、こう素直ならなぁ…」
レンは瞳を閉じ、「いい」と呟いた。
全員が成り行きを見守る。
ボシュ!!
あと一息のところで、パソコンの画面が真っ黒になった。
全員が、パソコンから顔を上げる。
すると、パソコンのすぐ背後に笑顔のレンが立っていた。
左手はパソコンに触れている。
レン「戻ってこねえと思ったら、随分と面白そうなゲームで遊んでんじゃねえか…」
笑顔のまま、青筋を立たせていた。
レン「ぜひとも、このゲームの持ち主を聞きたいもんだ」
その場にいた全員が一斉に岡田を指さす。
岡「!!?」
そのあと、岡田を除いた全員が窓から逃走。
岡田は完全に逃げ遅れる。
岡「ま、待ってよ!! ボクも…!!」
窓に向かおうとしたとき、殺気を感じ取って動きを止めた。
今、動けば、ミンチにされてしまう。
レンの体から、電気が漏電する。
殺気もわかりやすいほど、だだ漏れだ。
レン「面白そうなもん見せてくれたお礼に、くれてやるよ…」
レンの顔が怒りの形相に変換される。
口元が、次のように動いた。
“バッドエンドを”
情報処理室が稲光に包まれ、岡田の悲鳴が響き渡る。
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