短編:雪化粧
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北海道はどこよりも早く雪が降り積もる。
お馴染み4人組は、屋敷の近くで見つけた坂道状の更地を見つけ、スノボーやスキーを楽しんでいた。
「よっと♪」
レンはスノボーで上から滑り下り、見事なジャンプをする。
「レンちゃん、カッコイー!」
森尾にスキーを教えてもらっている最中、華音は目を輝かせ、レンに向けて手を振った。
その場に立ち止まったレンが手を振り返そうとしたとき、
「!」
頭上をなにかが飛び越える。
「ほっ」
スノボーに乗った由良が回転しながら地面に着地して滑っていった。
滑り降りたあと、スノボーに乗ったままレンに振り返り、ニヤリと笑みを浮かべる。
ムッとしたレンは、急いでスノボーを持って上まであがり、一気に滑り降りた。
ジャンプし、自分も回転技を見せつける。
「見ろ! 由良より回転数多い!」
「オレなんか、宙返りもできるし~」
そう言って、由良はそれを見せつけた。
負けず嫌いふたりに火が付き、技の張り合いを始める。
「どこでも張り合うな、あの2人は…。あ、ちゃんと歩幅合わせろ」
「スキーって意外と難しい~…」
そう森尾と華音が練習しながら話していると、
「「わ―――!!」」
ドンッ
「「!」」
レンと由良は張り合いの途中でぶつかったのか、仲良く転がって木にぶつかってしまった。
木の枝や葉に積もっていた雪が、ふたりの真上に落ちる。
駆けつけた森尾と華音は、ふたりの姿をじっと見つめた。
雪まみれのふたりはすっかり真っ白だ。
森尾は笑いを堪え、華音は遠慮せずに笑いだした。
「雪だるま……っ、っっ」
「ひゃはははは!!」
「「……………」」
同時に、レンと由良は自分の体に付着した雪の一部をぎゅっと丸め、
ボスッ
「「!」」
レンは華音に、由良は森尾に雪玉を投げつけた。
見事に顔面に命中。
レンと由良が一緒になって指さして笑っていると、怒った森尾と華音も雪玉を作って投げ始める。
「この!」
「ナメんな!」
2対2の雪合戦となった。
避けたりぶつけたりの熾烈な戦いとなる。
由良は顔面に当たりそうになった雪玉をシャボン玉で粉砕していき、レンは全力で雪玉を投げつけ、華音は木の後ろに隠れながら雪玉を逃れ、森尾はというと…、
バスッ
「くっ!」
逃げる場所がない。
容赦のない雪玉が額に直撃し、尻餅をついた。
「ダッセー、モリヲー!」
ゲラゲラと笑う由良を見て、森尾は少しプッツンときた。
森尾の瞳が妖しく光り、周りに風が巻き起こる。
「「「!」」」
3人は「あ、ヤバ」という顔をした。
地面の雪が舞い上がり、吹雪を起こす。
「わ―――! 落ち着け―――!」
「それはキタネーぞ、モリヲ―――!」
「健ちゃん、華音は味方だってば―――!!」
しばらくして、4人は雪まみれで屋敷に帰ってきた。
「っくしゅん!」と、くしゃみをする華音。
「しもやけになる―――」と手を擦る由良。
「サブい―――」と服の雪を払うレン。
「ごめん。つい本気になって…」と申し訳なさそうな顔をする森尾。
ヘトヘトになった4人は、森尾が作ったスープで体を温めたあと、夕食は熱い鍋を食べ、風呂に入った。
*****
風呂から上がったレンは、寝間着に着替えてリビングに立ち寄る。
そこにはコタツに入った森尾がいた。
温もりながらコーヒーを飲んでいる。
「あれ、2人は?」
レンが尋ねると、森尾はこちらに振り向き、
「ああ、それなら……」
言葉を切り、コタツを指さした。
同時に、由良と華音がコタツからひょこっと顔を出す。
いきなり出てきたふたりに、ビクッとレンが驚いた。
「!?」
「呼んだか~…」
「なに~?」
ふたりとも眠そうだ。
(よく大人ふたりが入るよな~…。そんなに広かったっけ?)
その夜、レンは自分の部屋に戻り、ベッドで寝ようとしていた。
ゴソゴソと中に入り、ふと窓に視線を移す。
外は、いつの間にか吹雪となっていた。雪風が叩きつけられ窓がガタガタと音を立てている。
「また積もるかな…」
そう呟いた時、
フッ
「!?」
いきなり、部屋が真っ暗になった。
停電である。
暖房まで止まってしまった。
しばらくして、華音が部屋に駆けつけてきた。
「レンちゃん! 停電停電!♪」
心なしか、妙にはしゃいでいるように見える。
「楽しそうだな…」
レンと華音は一緒に部屋を出て、廊下を歩いた。
先程の元気はどこへいったのか、華音は「寒いー」とレンの腕にしがみついている。
「と…、とにかく、懐中電灯と、あったかいもの捜さねえと…。他のみんなは……」
リビングに足を向けると、背後からカチッという音が聞こえ、レンと華音ははっと振り返った。
懐中電灯で自身の顔を照らした由良がそこに立っている。
「レン~~~。懐中電灯持ってき……。なにしてんだ?」
レンと華音は互いにしがみつき合い、怯えた目で由良を凝視した。
正体を知ったふたりは、由良に向かってがなりだす。
「お…、おどかすんじゃねえよ!!」
「あんた、ただでさえ顔怖いのに!!」
そう言われた由良は、顔をムッとさせ、
「ムカつく。おいてっちゃうもんねー」
懐中電灯を持ったままリビングに向かって走っていった。
「「待って―――!!」」
ふたりは急いで追いかける。
由良は走ってる間、「ウケケケ」とわざと不気味な笑い声を立てた。
リビングには、すでに森尾が来ていた。
部屋のスイッチを何度もカチカチとオンオフを繰り返すが、電気が点く様子はない。
他の3人はその背後で待っていたが、やがて諦めた森尾は振り返り、首を横に振った。
「ダメだ。たぶん、吹雪の影響だろう」
華音はとにかくレンにひっついて体を温めようとしている。
レンは両手に息を吐いて手だけでも温めようとしていた。
一番寒いのは由良のはずだ。
防寒着は雪で濡れてしまったため、いつものツナギを着ている。
そこで由良が森尾に尋ねた。
「ストーブは?」
「広瀬が姫のために持っていった」
「暖炉は?」
「薪がない」
「カイロ……」
「この前、寒いからって無駄遣いしたのは誰だ」
「モリヲ―――!!」
「オレに当たるな!!」
ケンカしそうな2人の間に、華音をひっつけたままのレンが仲裁に入った。
「熱くなるな! ……いや、こんな時はいいか」
ため息をついてから、言葉を継ぐ。
「とにかく、4人で毛布使えばあったまるだろ」
そう言って、毛布を数枚引っ張り出してきた。
数が多いほどあったまると思ったからだ。
*****
4人は円になるように座り、毛布を被った。
レンが眠りにつこうとしたとき、由良はその横でガツガツと缶クッキーを食べ始める。
「クッキー食べるな」
レンが唸るように言った。
「食べねーと体温上がらねーもん」
「おまえ、本気で太るぞ」
苛立ちを通り越し、呆れて天井を仰ぐと、
「っていうか、ちょっと太った方がいいじゃない?」
華音が間に入ってきた。
そこで由良はあっさりと言う。
「太り方わかんねーもん」
((こいつ…!!))
女を敵に回す言葉だ。
「……………」
森尾はなにも言わなかった。下手にいらないことを言わない方がいいと思ったからだ。
時計を見ると、深夜0時。
一日が経過した。
「ねえ、あんまし効果ない気がする…」
華音が森尾にすり寄りながら言う。
どこからか隙間風が入り込んでいるのかもしれない。
レンは、もう少し固まろうかと由良に近付いた。
「!」
すると、なにも言わず、由良はレンの肩に手をまわし、自分に引き寄せた。
レンはそれを拒まず、このまま眠りにつこうとする。
そこで、由良がなにか閃いたのか、声を上げた。
「よし! やっぱあの手しかねえだろ」
3人は由良に注目する。
「あの手?」
レンが首を傾げると、由良は自信満々に言い放った。
「全員、脱げ!!☆」
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