短編:アライブクエスト
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3日後、大きな窓から射しこむ朝の光で、魔王由良は目を覚ました。
由「……ん…」
眠い目を擦り、周りを見回す。
誰もいない静かな広間だ。
由(帰ったか…)
由「勇者が魔王見逃していいのかよ」
呆れて溜め息が出る。
由「……つーか、壊れたとこ修理するのオレじゃん」
はっと気付いて、肩を落とした。
その時、入口の大きな扉が開いた。
由「!」
ドレス姿の勇者レンが入ってきた。
レン「!!」
起きた魔王由良の姿を見て、勇者レンは踵を返して急いで戻ろうとする。
由「戻るな戻るな」
勇者レンは諦めて広間に入り直し、玉座の前まで近付く。
由「おまえ、そんなカッコでどした? 一瞬、誰かわかんなかった」
レン「いや…、鎧がボロボロで着替えようとしたんだけど、錆びたモンしかなくて…、元・姫の部屋から…。コレしかなかったし…」
恥ずかしそうにうつむく。
レン「1週間は寝てるかと思ってたのに…」
魔王由良に見せたくなかったようだ。
由「……………」
びっくりした表情でまじまじと見つめる魔王由良。
レン「ほっといたら、他の勇者に寝首かかれるぞ」
由「帰ったのかと思った」
レン「あたし以外はな」
*****
3日前
シーフ勇太は城から庭に出て、辺りを見回した。
勇「葵ー!」
葵「勇太! こっちこっち!」
背後で、大きく膨らんだ白い袋を背負ったシーフ葵が手招きしている。
シーフ勇太が駆け寄ると、シーフ葵は大きな袋を下ろした。
中には、城から盗んだ宝が入っていた!
勇・葵「イエ―――イ!♪」
シーフ2人は達成感の声を上げ、手を打ち合った。
城の地下は海につながる洞窟となっていた。
そこには何隻も大きな船があり、勇者達はその中の一隻を頂戴することにした。
森「ほら、歩け!」
魔王岡田が縛られているロープを引っ張る。
華「逃げようとしたら、ボーン! だから」
岡「ぐ…」
魔王岡田を乗せたのを見届けたあと、勇者レンはたくさんの並んだ船を見渡した。
レン「どんだけ船持ってんだよ」
奈「渦も越える船だそうだ」
太「一隻くらい、いいよな。好きにしていいって言ってたし」
シーフ2人が船に乗り込んだのを見て、勇者太輔と格闘家奈美も乗り込んだ。
太「メグ、帰ろう」
恵「うん」
そして、恵姫も乗り込む。
恵「あなたも……」
恵姫が手を伸ばすが、勇者レンは微笑んで首を横に振った。
レン「あたしは、勇者失格です。―――だって……」
理由を話したあと、錨を上げ、船を見送った。
*****
レン「みんな、また来るって…。おまえ、ヒマそうだし」
由「で? なんでレンは残ったんだ?」
勇者レンはしばらく黙ったあと答えた。
レン「……おまえが悪さしないように」
由「はははっ、オレよりレベル低いクセに!?」
レン「うるさいな! いたいからここにいるんだよ!」
その言葉で魔王由良は笑いを止めた。
由「魔王の城にいたいのか?」
レン「で…、出てけって言うなら……」
勇者レンの顔がさらに真っ赤になったのを見て、魔王由良は確信した。
角と爪と尖った耳を引っこませ、人間の姿になる。
レン「!」
魔王由良は玉座から立ち上がり、勇者レンに近付いた。
由「じゃあ条件」
レン「……条件?」
由「ここにいたいなら…、姫になってみる?」
レン「は!?」
混乱した顔で、口をパクパクとさせる勇者レンの顔を見て、魔王由良は笑みを浮かべた。
由「……魔王だから勝手にオレが決めるけどな」
レン「!!」
指先でアゴをつかまれ、唇を重ねられた。
こうして、勇者レン……
いや、レン姫は魔王由良の傍で末永く幸せに暮らしました、とさ。
.END