短編:アライブクエスト
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勇者2人が魔王由良に肩をかしながら廊下を進んでいると、目の前に大きな扉が見えてきた。
2人がかりで扉を開けると、その先は薄暗い広いホールとなっていた。
由「……魔王の間だ…」
奥にある玉座に誰かが座っているのが見える。
そいつは不気味な笑みを浮かべた。
岡「ぶっふっふっふ。待ってたよ、勇者達」
レン「あいつが…!」
岡「無様な姿だね、魔王由良。敵である勇者達の手を借りないと、まともに歩くことさえできなくなってるじゃないか」
由「ほっとけ。つーか、勝手に人の席に座ってんじゃねえよ。学校の昼休みの席と勘違いしてねーか?」
岡「ぶふふっ。実にいい席だね。魔力が漲ってくるよ」
太「メグを返せ!」
岡「バカだね、キミ。返せと言われて返す魔王がどこにいるっていうの?」
レン(ここにいるんだよなあ…)
勇者レンが流し目で魔王由良を一瞥した。
岡「キミ達は、ここで死ぬんだよ」
魔王岡田が玉座から立ち上がろうとしたとき、
岡「あれっ?」
立ち上がれない。
ガタガタと玉座から立ち上がろうと踏ん張る。
岡「キミた…ちは…、ここで…死……」
はまったようだ!
レン・太(最悪だ―――!!)
由「オレよりブザマなことになってんじゃねえか」
岡「ぜえっ、ぜえっ」
魔王岡田は早くも疲れた。
太「早く終わらせよう」
レン「そうだな。とっとと引導渡してやろうか」
勇者達が剣を抜いて玉座に向かう。
岡「くそおっ、召喚!!」
レン・由・太「!?」
魔王岡田が手を振り上げると眩い光が広間に放たれ、光はやがてひとつとなって死神の姿となった!
レン「なんだアレ!?」
岡「殺っちゃって!」
魔王岡田が命令すると、大きな鎌を持った死神が襲いかかってきた。
勇者達は2人がかりでその鎌を受け止める。
だが、向こうの方が力が上で、勇者2人は押されていた。
太「くっ…、なんて力だ…!」
レン「玉座に座っただけで、あんな奴にこんな能力が…!?」
死神は大きく鎌を振った。
その勢いで勇者2人は後ろに吹っ飛ばされ、壁に背中を打ちつけた。
ガゴッ!
レン「うあ!」
太「うぐ…!」
死神が勇者2人の首を刈ろうと鎌を振りかぶる。
ビシイッ
レン・太・岡「!?」
魔王由良が魔力の結界を作り出し、死神の鎌を防いだ!
レン「由良!!」
由「……っ」
魔王由良の体が、元の魔王の姿に戻ってしまった。
それだけでなく、手にヒビのようなものが刻まれ始めている。
レン「やめろ! それ以上魔力を使ったら…!」
由「心配してくれるんなら、早くブッ飛ばしてこい!!」
魔王由良の右頬が黒い鱗のようなものを見せた。
ドラゴンになろうとしているのだ。
なってしまえば、2度と元の姿に戻らない。
レン「太輔!!」
勇者2人は同時に魔王岡田に向かって突っ込み、“炎”と“雷”を構える。
岡「ひっ!?」
ドオンッ
岡「ぷぎゃあ!?」
見事に魔王岡田に命中し、魔王岡田はその衝撃で玉座から落ち、ゴロゴロと転がった。
レン「大したことあんのは、あの死神だけか」
由「もう…、ムリ……」
魔王由良が膝をついたと同時に、魔力の結界が解除された!
死神は目の前の魔王由良に向かって鎌を振り上げる。
レン「やめろ!!」
勇者レンが魔王由良と死神の間に入り、鎌を受け止めようと剣を構えた。
ガキンッ
全「!?」
死神が“隔離”された!
岡「なななな!?」
振り返ると、シーフ勇太と格闘家奈美が扉の前にいた。
太「ユータ! ナミ!」
奈「平気か!?」
太「あれ、葵は!?」
勇「お仕事♪」
シーフ勇太が隠れて舌をベッと出す。
岡「ぐうう…っ」
勇者達が魔王岡田を見下ろす。
レン「まだやる気か? 頼みの死神は勇太が封じたぞ」
岡「こ…、こうなったら…、ボクの本気を見せるしかないようだね」
魔王岡田は不気味な笑みを浮かべたあと、謎の呪文を唱え始めた!
太「な…、なんだ?」
由「そいつ、ドラゴンになる気だ!」
レン「あいつもなれるのか!?」
勇者達が魔王岡田から離れる。
ボオンッ!!
煙の中からドラゴン化した魔王岡田が姿を現した!
岡「ブッブッフッ。見よ、これがボクの新たな姿…」
大きな胴体、
大きなしっぽ、
鋭い爪、鋭い歯、
小さな羽根、
高さは等身大だ。
全「うわあ、強烈」
岡「なんだと!? あれ!? 飛べない!?」
背中の翼をパタパタとさせるが、飛ぶ気配がない。
奈「体が大きすぎるか重すぎるんだ」
由「モリヲがいなくてよかったな」
勇「こんな奴を遥々追って来たんだからな」
レン「ある意味こっちのメンタルが渾身の一撃だよ」
岡「酷っ!!」
ドオンッ
岡「ぎゃあ!!」
突然、岡田の背後の壁が爆発した。
爆発した壁の向こうから、剣士森尾と魔法使い華音が現れた。
華「あ、ビンゴ!♪」
森「魔王岡田は!?」
太「……足下」
魔王岡田は2人に踏みつけられたままノビている。
恵「太輔!」
太「メグ!?」
剣士森尾達のあとに恵姫が出てきた。
森「右の道の奥の部屋にいたんだ」
華「華音達のお手柄~♪」
喜んでいたのもつかの間、勇者レンははっとしてすぐに由良に駆け寄る。
レン「由良…」
由「……肩、貸してくれるか?」
勇者レンは黙って肩を貸し、玉座へと向かい、魔王由良をそこに座らせた。
同時に、ゆっくりと魔王由良の体中のヒビが消えていく。
魔王由良は心配そうに顔を覗き込む勇者レンに顔を向けて笑みを浮かべると、酷い眠気に襲われた。
魔力を消費しすぎたからだ。
由「……これで、また敵に戻ったな」
レン「……………」
由「オレは…、しばらく眠る…。あとは好きにしろよ…」
そう言って、目を閉じて、魔王由良は眠りについた。
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