短編:アライブクエスト
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予定通り、小さな村に到着した。
勇者レンの買い物を済ませたあと、5人は宿屋を捜し歩いた。
勇「……食べ物屋がない…」
太「畑も枯れてる…」
レン「川に水もない」
葵「なにかあったのかな?」
その4人が同時に魔王由良の顔を覗き込む。
由「オレはなにもしてねえよ」
水が流れていない川の上の橋を越えると、村一番の大きな家を見つけた。
ちょうど、その家からひとりの男が出てきた。
太「あの!」
純「!!」
勇者太輔が声をかけると、住民の純がビクッと体を震わせた。
明らかにきょどっている。勇者太輔が近寄った。
太「なんでここ、水がないんスか?」
純「……え……と……」
勇「モンスターの仕業?」
純「う……」
住民の純はかなりうろたえている。
ユ「純」
住民の純の背後の扉から、由紀恵夫人が出てきた。
純「ママ…」
レン・太・勇(ママ!? 親子!?)
ユ「ごめんなさいね、このコ、人見知り激しくて…。旅の方?」
太「は…、はい」
ユ「まあ、若い男性の方ばかりね」
太・由・勇「?」
由紀恵夫人の笑顔に男達がビビる。
純「ママ、狙っちゃダメ」
住民の純はすぐに耳打ちした。
葵「ねえ、ここって、なんで水がなくなってるの?」
ユ「……それが…、数日前に突然…。村の南にある“恵みの洞窟”という洞窟からこの村に流れてきていたのに、恐ろしいモンスターが棲みついたみたいで……」
レン「そいつのせいで、村の水が?」
ユ「ええ。村の強者達が3日前に洞窟に行ったっきり戻ってこなくて、村人達は怖がって誰も行こうとしないの。このままじゃ、村は……」
由紀恵夫人が困った顔をしていると、勇者太輔が頼もしい言葉をかけた。
太「じゃあ、オレ達がなんとかしてやるよ」
ユ「え?」
魔王由良を除き、他の者達も同意見だ。
レン「すぐに倒してきてやるから」
勇「待ってて」
葵「レッツゴー♪」
勇者達はすぐに“恵みの洞窟”へと向かった。
聞いた通りの道順で“恵みの洞窟”にたどり着いた勇者達。
中に入ると、迷路のようになっていた。
行き止まりにぶつかりながらも、勇者達は進んだ。
レン「……さっきからだんまりで気になってんだけど」
由紀恵夫人達と話してから、魔王由良は一言も喋らない。
由「……寄り道してる場合か、と思ってさ」
太「どういう意味だよ」
由「勇者達もヒマだな。魔王がずっと城でお座りして待ってるからって」
太「っ! そもそもおまえがメグを連れて行ったからこんな…!」
勇者太輔が魔王由良の胸倉をつかむ。
すぐにその間にシーフ2人が入る。
葵「やめなよ!」
勇「こんなとこでケンカしてる場合か!?」
太「……っ」
乱暴に胸倉をつかんでいた手を放した。
勇者レンは黙ったまま、なにも言い返さなかった。
勇「つーか、魔王の命令でここの凶悪モンスターを追っ払えないのか?」
由「…ここらへんは不良モンスターが多いからな。オレの言うこと聞かねえと思う」
勇「タチ悪いな」
太「ふんっ、魔王なんて名前だけじゃん」
由「元々、オレはおまえらの敵だぜ? 言うこと聞かせられたとしても、テメーらを助けたりはしねえな」
由・太「……………」
魔王由良と勇者太輔が睨み合う。
そこに、
レン「いい加減に、しろ!!」
ゴンッ
由・太「!?」
勇者レンが2人の頭をコブシで殴りつけた。
レン「今は仲間なんだから、もっと仲良くしろ、バカ共!!」
勇者レンが2人に近付こうとしたとき、
レン「!」
なにかを踏んだ。
先にシーフ葵が声を上げた。
葵「きゃあ!?」
レン「じ…、人骨…?」
竜「グルルル…」
その背後で唸り声が聞こえる。
勇者達が振り返ると、凶暴そうなドラゴンがそこにいた。
洞窟いっぱいの大きさである。
レン・太・勇・葵「デカ――――ッ!?」
レン「これで初期ボス!?」
太「ラスボス並じゃねえか!!」
由「ラスボスのオレはもっとデカいぞ。2回復活したあとの姿だけどな」
勇「ラスボス戦ありがちだけど!」
竜「ガアアッ!!」
ドラゴンは炎の息を吐いた!
勇者達は避けた!
葵「勇太、“隔離”して!」
勇「くっ…」
シーフ勇太が“隔離”でドラゴンを閉じ込めた。
だが、
パリインッ
すぐに破られてしまった!
勇「ダメだ! オレのレベルじゃ、“隔離”できない!」
それがわかると、すぐに勇者2人は行動に移る。
ドラゴンに飛びかかり、剣を振り上げた。
レン・太「せーの!」
ザクッ
ドラゴンの胴体に剣を突き立てた!
竜「ガアッ」
ベチンッ!
レン・太「わあああ!」
勇者2人は怒ったドラゴンの尻尾に打たれた!
由「そりゃ怒るだろな」
レン「見てねえで、おまえも手伝えよ!!」
由「えー、めんどー」
レン「ああそうかい!!」
勇者レンは剣に“雷”を纏わせ、勇者太輔も剣に“炎”を纏わせた。
由「!」
勇「あいつら、魔法が使えるのか!」
同時に剣を振るい、
ドオンッ
竜「ギャウウッ」
ドラゴンにぶつけた!
ドラゴンは再び炎の息を吐いた!
勇「下がって!」
シーフ勇太は自分達を“隔離”し、炎を防いだ。
ドラゴンの攻撃はまだまだ続きそうである。
レン「こうなったら、直接あいつに電撃叩きこんでやる!」
勇者レンが“隔離”を飛び出し、ドラゴンに向かって剣を振り上げる。
太「レン!!」
ドラゴンが勇者レンに気付き、大口を開けて食べようと構えた!
レン「…っ!」
由「ったく、つまんねえことに使わせやがって」
レン「!」
勇者レンの前に、魔王由良が飛び出した。
魔王由良の周りにシャボン玉が浮かび、
パアンッ
ドラゴンの頭部と胴体を消し飛ばした!
太「い…、一撃…」
魔王由良は落下しかけた勇者レンを抱え、地面に着地する。
葵「スゴーイ!」
レン「た…、助かった…」
由「……感謝しろよ?」
レン「う…」
その時、地鳴りとともに洞窟全体が揺れ始めた。
全「!?」
太「な…、なんだ…?」
シーフ勇太の顔が突如真っ青になった。
勇「ドラゴンが死んで、水の流れをせき止めていた結界が解除されたんだ」
葵「村に水が戻るんでしょ?」
勇「ああ、戻る。ただ、その水の通り道が……」
ドパァァァンッ!!!
せき止められていた大量の水が勇者達に襲いかかる。
全「わあああああ!!」
勇者達はそのまま押し流された!
村に水が戻った。
由紀恵夫人と住民の純が戻ってきた川の水を眺めていた。
勢いよく流れている。
ユ「まあ、あの方たち、本当に……」
由紀恵夫人が涙を拭いていると、
全「わああああ!!」
純「!?」
勇者達が流されて通過していった。
住民の純は見てはいけないものを見てしまった気がした。
目をこすって川を見たが、勇者達はとっくに流されてしまった。
純(き…、気のせいか…)
ユ「純、帰りましょう。今日は村人達とお祝いよ」
純「う…、うん…」
*****
勇者達は村からだいぶ離れた岸に打ち上げられた。
太「ここはどこだ?」
由「知らないどこか」
勇者太輔はシーフ2人を脇に抱え、魔王由良は勇者レンをおぶって草原を歩いた。
3人とも気絶している。
しばらく進んでいくと、建物のようなものが見えてきた。
近付いていくと、教会であることがわかった。
太「ちょうどいい、あそこで休ませてもらおうぜ」
由「魔王が教会に行っていいのか?」
太「すんませーん」
扉を開けると、麻生神父がお祈りをしていた。
入ってきた勇者達に気がつき、立ち上がる。
麻「どうしました?」
太「ここで一晩泊めてもらえませんか? ケガ人もいるので…」
麻「いいですよ。神のお導きですね」
麻生神父が笑顔を向ける。
太(さすが神父。いい人……)
麻「お1人様、1000Gなります」
由・太「高っ!!」
合わせて5000Gである。
麻「神の御許で休ませていただきたいというのなら、当然の金高ですが?」
笑顔のままきっぱりと言った。
太「1人分が限界だ! ぼったくりじゃねえか!!」
麻「ならば、外でお眠りください。神もお人好しではないので」
太「鬼―――!!」
由(腹黒いな、この神父。脅して乗っ取っちまうか)
その時、教会の階段からなにかが降りてきた。
論「麻生~~~!」
由・太「あ」
旅の途中で出会った、モンスター論だ。
どうやら、麻生と暮らしているようだ。
論「この人達、ボクの友達。泊めてあげて」
麻「……仕方ありません。論君を助けていただいたのなら、お礼をしなくてはなりませんね」
太「よかったー」
太輔は安心してしまい、危うく脇に抱えた2人を落としそうになった。
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