短編:アライブクエスト
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ある一国の恵姫が魔王由良に連れ去られた。
勝又王は、国中の者達に伝えた。
勝「魔王由良を倒し、姫を連れ戻してくれた者には、なんでも望みのものを与えよう」
*****
勇者レンは城下町にいた。
城下町の中心の掲示板に王の命令が書かれている貼り紙を見て、そのすぐ横の魔王由良の手配書を見た。
舌をベッと出して馬鹿にしているような顔だ。
レン「魔王め…」
手配書を剥がし、鞄の中に入れる。
レン(姫、必ず助けに参ります!)
レン「……とは言っても、武器なしアイテムなしじゃ、町出てもすぐやられるからな」
勇者レンはとりあえず、武器屋へと足を向けた。
レン「武器屋…、武器屋…」
城下町内を探し歩いていると、“武器屋 Rey”という看板が出た店を発見した。
店というより、トレーラーハウスである。
中に入ると、煙草の臭いが鼻をついた。
レン(ケムい…)
レン「ゴホッゴホッ」
伶「いらっしゃい」
トレーラーハウスの中の棚にはたくさんの武器が並べられていた。
運転席には店主の伶が座っている。
レン「武器が欲しい。できれば、剣と盾を…」
伶「あんたも魔王倒しにいくのか?」
レン「……ああ」
伶「じゃあ盾はもうねえぞ。勇者だのなんだのがたくさん来て、売り切れた」
レン「それなら、剣だけでもいい」
伶「魔王にも勝てそうなダイヤの剣なら、1本9999Gだけど」
レン「ゲーム序盤でそんな金持ってるわけねえだろ! 手ごろな剣売ってくれよ!」
伶「……いくら持ってんだ?」
レン「……………」
チャリーンッ
勇者レンはサイフを逆さにして、全額を出した。
10Gしか出なかった。
伶「帰れ」
武器屋の伶は勇者レンを見放し、新聞を開いて読み始める。
レン「慌てて出てきたんだ! まけてくれたっていいだろ!?」
伶「どこのゲームの世界にまけてくれる店主がいるんだよ」
レン「そんなこと言わずに!!」
伶「安い剣でも100Gだぞ。薬草買って、とっとと冒険してこい」
レン「この通り!! 机の脚でもいいから!!」
レン(あ、でもヤだな)
伶「……………」
武器屋の伶は席を立ち、黙ってトレーラーハウス内の隅に置いてある箱を開け、ガチャガチャと漁り始める。
3分後、武器屋の伶は剣を持って、勇者レンの前に歩み、それを渡した。
伶「ほらよ」
レン「古っ!!」
剣全体が錆びている。
伶「処分するはずだった剣だ。10Gで売ってやる」
勇者レンは古びた剣を手に入れた!
勇者レンは城下町を出た。
レン「(ていよく廃棄物処理に使われただけかもしれないけど)武器も手に入ったことだし、モンスター倒してレベル上げていくか。
手始めに5体ほど倒して金手に入れて、城下町に戻って休んで、またモンスター倒してと繰り返す。ま、レベル10は目指せるだろ」
勇者レンの旅路は地道だった。
レン「うるせえよ、解説」
*****
町の近くの森へと入ると、さっそくモンスターが2体も現れた。
2体とも金棒を持っている。
レン「いきなり2体もお出ましかよ」
片手で剣を振り、モンスターを睨みつける。
モ「ガアア!」
最初に襲ってきた1体の振った金棒をかわし、剣を横に振るった。
ガキインッ
レン「折れた―――!!?」
だけではなく、さらにボロボロに崩れた。
最初に襲ってきたモンスターは一撃で倒した。
だが、まだもう1体残っている。
レン「あの武器屋、使えねーモン売りつけやがって!!」
崩れた剣を憎しみを込めて踏みつけた。
モ「ガー!!」
モンスターが襲いかかってくる。
レン「うわああああ!!」
ゴッ!
振るったコブシがモンスターの顔面にストレートヒットした。
モンスターは一撃で倒れた。
レン「………へ?」
勇者レンはステゴロの方が強かった!
レン「いいのかそれで!?」
しかし、勇者レンには自信がついた。
レン「はははっ、鍛えてたからな!」
次々と森中のモンスターを倒していく。
レン「このまま一気にレベル上げて、魔王をボコボコにしてやる!」
鞄から手配書を取り出し、魔王由良の顔を再確認する。
頭には2本の角、尖った耳、鋭い爪、キバ。
レン(……よく見ると、そんなに怖くねえな、こいつ)
由「いつ撮られたのか記憶にねーな」
レン「ウソつけ、人をムカつかせるポーズしっかりとってんじゃ………なんでいるんだよ!?」
魔王由良が現れた!
レン「見りゃわかるんだよクソ解説!!」
由「だって、ただ座って「ハッハッハッ」言いながら勇者待ってるのつまんねーし、たまには外出て運動しねえと、体なまっちまうし。第一ヒマ。な?」
レン「「な?」じゃねえ! まあいいや、ここで会ったが100年目! 覚悟しろ!!」
魔王由良に躍りかかる。
3秒後。
勇者レンはうつ伏せに倒れていた。
レン「うう」
由「おー、勇者よ。しんでしまうとはなさけない…。ここら辺は冒険初心者ばっかだな」
レン(しんでねえけど、一発KO負け…)
由「城に帰んの、メンドクセーなぁ…」
勇者レンは起き上がった。
レン「姫様さらって、なに考えてやがる!?」
由「ヒマだったから、遊び相手」
レン「……ええ?」
由「だって魔王の城って全然人寄りつかねーし、姫様さらえば、さすがに勇者だの兵隊だのなんだの来るだろ」
レン「だったら、手下と遊べば……」
由「ムリムリ。単細胞だもん、あいつら。ババ抜きのルールも覚えられねえし、使えねー」
レン「あたしの前に現れたのは?」
由「おまえが一番主人公臭かったからだ。なのに、一発で負けやがって…」
レン「不満そうな顔すんなよ! 主人公が生まれたての状態で魔王に勝てるわけねえだろ!!」
勇者レンが攻撃しようとした時だ。
太「主人公はオレだ―――!!」
レン・由「!」
茂みから、勇者太輔が剣を振り上げたまま飛び出してきた!
5秒後。
勇者太輔は仰向けに倒れていた。
レン「太輔…」
由「知り合い?」
レン「姫の幼馴染」
勇者太輔は起き上がった。
太「……なんでレンが魔王と?」
レン「さっき、一発で倒されて…」
由「それより、なんでおまえらゲームオーバーしねえの?」
2人の勇者は、魔王由良を同時に睨みつける。
太「メグを返せよ!」
レン「2人そろえば、10秒くらい…」
由「返してやるけど?」
レン・太「え!?」
由「姫様帰りたそうだったし、いつまでも監禁しとくと変態扱いだろ?」
レン「け…、けど…、魔王ってそういうモンじゃ……」
由「もともと、一週間後に返す予定だったし、また頃合い見て、他の国の姫様さらってくから。船でいったん帰って、一週間後につれてくる」
レン「それでいいのか、魔王…」
太「ま…、まあ、メグが戻ってくるっつーなら…」
魔王由良が海岸に向かって行こうとしたとき、空からなにかが舞い降りてきた。
フクロウだ。
梟「手紙を届けにきたぞ」
由「ん?」
フクロウの首にかけてある手紙を取ると、用が済んだフクロウはとっとと飛んでいってしまった。
気になって勇者レンと勇者太輔が魔王由良が開いた手紙を覗き込む。
ぶふふふふっ
魔王由良、キミが城を空けてる間に、城と姫はボクがもらったよ
悔しかったら、自力で取り戻しにきなよ
魔王岡田より
その手紙を読み終えたとたん、魔王由良は少し困った顔をした。
由「やっべ、のっとられた」
レン「やっべ、じゃねえーんだよ!」
太「変態魔王キタ―――(汗)」
由「すぐ戻って殺してくるか」
チュド―――ンッ!
魔王由良が踵を返した時、遠くから爆発音が聞こえた。
太「な、なんだ!? あっちから煙が…」
由「オレの船の方角だ…」
レン「爆弾仕掛けられてたみたいだな」
3人は茫然と海岸の方角から上がる黒煙を見つめていた。
*****
切り株を囲んで座りながら、3人は会議を開いた。
太「結局、城に行ってメグを取り戻せってことかよ」
レン「魔王岡田って聞いたことねーな」
由「無名だからな。自分のショボイ城から出たことなかったから」
レン・太「ヒッキー魔王!?」
レン「おまえ、魔力使って城取り戻してこいよ。ドラゴンになるとかしてさ。魔王だろ」
由「ドラゴンになるのは死にかけの時だけ。なったら2度と元の姿に戻らねえからごめんだ」
太「そうなのか」
由「城に行くならオレも行く。オレが一緒なら、最短距離で行けるぜ♪」
レン・太(魔王と旅…)
太「どうする? 一度城に戻って王に報告する?」
勇者レンは魔王由良を指さした。
レン「戻れるわけねえだろ!? こいつ魔王だぞ! 国中にこんな手配書がベタベタ貼られてる町に戻れるか!!」
そう声を上げながら、鞄から手配書を取り出して見せつける。
写真の下には巨額の賞金が載せられていた。
由「明らかにオレ、絞首刑だな。見ろよ、この大げさな金額! はははっ」
レン「笑ってる場合か!!」
太(大丈夫なのか、この旅…)
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