短編:ルビーのフルーツ
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森尾が小さな木箱を持ってきた。
「勝又さんから、さくらんぼ貰ってきたぞ」
「さくらんぼ!?」
華音が目を輝かせながら声を上げた。
由良とレンも目を木箱に注目する。
森尾は木箱をローテーブルに置いてレン達がその周りに集まった。
「オープ~ン♪」
率先して由良が蓋を開ける。
「「わあ~!!」」
レンと華音が歓喜の声を上げる。
箱の中には、ぎっしりと赤いさくらんぼが入っていた。
縦に6つ、横に4つ。
ちょうど4人で6つずつ食べられる。
早速レン達はさくらんぼを食べ始めた。
ひとつ食べ、甘酸っぱい味を楽しむ。
由良がレンの分を余分に食べようと手を伸ばし、レンはノールックで手を叩いて阻止する。
華音はさくらんぼを食べながら、こんなことを言い出した。
「ひゃはっ、知ってる? さくらんぼのへたを口に入れて、舌を使って輪の形に結べれば、キスが上手いんだって!」
「どこでそんな情報を…」
それを聞いたレンと森尾の顔が不意に赤くなる。
「マジ話?」とレンが再度確認した。
「マジマジ!」と華音が頷く。
4人はさくらんぼのへたを口の中に入れた。
「学生の時、弁当に入ってたさくらんぼで似たようなことしてた奴は見たことあったけど、そういう意味だったのか…」
森尾は意外そうに言いながら、へたを結ぼうと口をもごもごとさせる。
同じくレンも頑張ろうとした。
「けっこう難しいな…」
「うまくいかな~い」と華音が嘆く。
由良は珍しく、黙々とやっていた。
「…………」
3分後、先にレンが終わった。
「できた! 舌がつるかと思った…」
ちゃんと輪ができている。
続いて、森尾と華音が同時に終わった。
「「できた!」」
森尾のは、不器用な形をしていたが、うまくできていた。
華音も、バランスは悪いがなんとか輪の中に通せている。
由良はまだ終わらない様子だ。
「いつまでかかってるんだ?」と森尾。
「実は由良って、キス下手なの?」とからかう華音。
「とっとと諦め…」
「できた」
レンが言いかけたところで、由良が口からへたを取り出した。
蝶々結び。
「なに!!?」と驚く森尾。
「キャー! テクニシャン!!」と興奮気味の華音。
「舌2枚あんのか!!?」と信じられないレン。
由良はレンに顔を近づけ、
「試してみるか?」
ニヤリと笑みを浮かべて舌をベェ~と出し、挑発的に舌の先をレンの下唇に近付けた。
「!!!」
レンの顔が一気に紅潮する。
「お、レンの顔がさくらんぼ♪」
由良が笑いながら言って、華音もそれを見て笑い出す。
「ひゃははっ、レンちゃん真っ赤~!」
からかわれたことにより、レンの恥ずかしさが怒りに転身した。
「おまえら2人とも、蝶々結びにしてやろうか!!」
「待てコラ」と追いかけてくるレンに、由良と華音は笑いながら逃げ出す。
ドタドタと部屋の中で追いかけっこが始まり、騒ぎを聞きつけた勝又が部屋のドアから顔を覗かせた。
「おや、さくらんぼの取り合いかい?」
「いえ、その……」
近くにいた森尾が、さくらんぼのヘタでキスの上手さ調べてました、とは言えず、今更恥ずかしくなって目を逸らすのだった。
.END