08:みんなが行くなら
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恵の部屋をあとにしたレンは屋敷の中に戻った。
廊下を渡っていると、ちょうど、由良と森尾の後ろ姿を見つける。
「おーい。そこのお2人さん」
声をかけると、2人はレンに振り返った。
「レン、そろそろ出発だぞ」
「わかってる」
由良と森尾に駆け寄り、その後ろを歩きながら、行き先である北海道の話題を投げた。
話しながら、レンは由良の背中を見つめる。
(いつか…、ちゃんと言うから……)
由良はレンの視線に気付き、「どうした? ちょっと機嫌良さそうじゃねえか」と肩越しに見つめ返した。
レンは「べっつに―――」とわざとぶっきらぼうに言い返して由良と森尾の間を通って前に出る。
「楽しみにしてんだよ」
「それはよかった」
「!」
廊下の先から聞こえた声にレンが驚いて振り返ると、勝又が向こうから歩いてきた。
「もうすぐ時間だよ」
「ああ。こっちはいつでもいいぜ」
「勝又さん、何か手伝うことはありますか?」
「ああ、こちらは大丈夫だよ、ありがとう森尾君」
薄笑みを浮かべる勝又と、由良と森尾が会話をしているのを傍観するレン。
そして勝又は「あとで」とレン達の横を通過した。
その際、勝又は観察するような目でレンを一瞥する。
視線に気づいたレンは、背筋が凍りつく感覚に、急いで勝又から視線を逸らした。
「え、レン?」
「おいおいどうしたー?」
レンは由良と森尾の腕を引いて、早くその場から離れようとする。
廊下の先は薄暗く、ひとりで行くには不安で圧し潰されそうだった。
(…あたし達の先頭に立つあの人は、何を見ているんだ? 何を望んでる? どこか…、どこかおかしいはずなのに…)
.To be continued