短編:甘さは想いから
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屋敷に帰ってきた勝又は、街で買ってきたものが入っている紙袋を手にリビングへと向かった。
リビングでは、ソファーに座って仲良くテレビを見ている、レン、由良、森尾、華音がいた。
扉が開いた音に気付き、全員がそちらに振り返る。
「あ、勝又さん、おかえりなさい」
「「「おかえりなさ~い」」」
森尾に続き、残りの3人が声を揃えて言った。
「ただいま。由良君、頼まれていたものだよ」
勝又は持っていた紙袋を由良に手渡す。
由良は顔をパッと輝かせ、紙袋の中身を取り出した。
「おー! サンキュー、勝っつん!!」
取り出したものは“ベルギーチョコクッキー”と書かれた缶クッキーだった。
さっそく蓋を開け、鷲掴みで口に放り込んで食べ始める。
他のメンバーは呆れてその様子を眺めていた。
「さっきも食べてなかったっけ?」
「飽きねえのか、おまえは…」
華音に続き、レンも溜め息混じりに言った。
由良は食べるのに夢中で聞こえているのかいないのか怪しい。
「うめえ~。やっぱ勝っつんはどっかの男女と違って、頼めば買ってきてくれるから、いいヤツだな~」
その由良の言葉にレンの耳がピクッと動いた。聞き捨てならない。
「テメーのエサ代だけでどんだけの金消費すると思ってんだ!」
気持ちはわからなくはないが、森尾はレンの肩に手を置いて「レン、由良はペットじゃない…」とつっこむ。
レンは森尾の顔をじっと見たあと、由良に言い返す言葉を作った。
「森尾だって、あんまりおまえにクッキー買ってこねえじゃん!」
「オレ!?」
唐突に巻き込まれ、困惑の表情を浮かべる。
由良はクッキーを食べる手を止め、レンに振り向いた。
「だって、モリヲは頼んだら作ってくれるし」
「!?」
レンが森尾に振り返ると、森尾は黙って縦に数回頷いた。
「いや…、「作れそうだな」って言われて「作れる」って答えてしまったから、「作れ作れ」ってせがむんだ…。だから、しょうがなく……」
まるで妖怪のようにしつこかったそうだ。
女子力が圧倒的に高そうな事実にレンは衝撃を受けていた。
(「買ってきてくれ」とは言われたことはあったが、冗談でも「作ってくれ」なんて頼まれたことねえ……)
「……その、なんで、あたしに…作ってくれとは頼まねえの?」
おそるおそる尋ねたレンに、由良は一言。
「作れるとは思ってねえから」
レンは稲妻という名のショックを受けた。
呆然と立ち尽くしていると由良は再びクッキーを頬張りだす。
森尾と華音は立ち尽くしているレンを気の毒そうに見つめていた。
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