短編:過去拍手文
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
・財布の紐
いつもは温厚で爽やかヘタレ兄さんの森尾だが、
「ちゅ―――も―――く!!」
たまにキレると恐ろしい。
今日はその“たまに”の日のようだ。
あたし達は全員リビングに呼び出された。
招集をかけたのは森尾だ。
用意されたホワイトボードにはグラフのようなものが描かれている。
森尾はこちらを睨みつけながら、ホワイトボードを、バンッ、とてのひらで叩いた。
「今月は、先月と比べて金使いすぎだ! はっきり言って無駄遣いが過ぎる!」
食費、水・電気・ガス代、各々の買い物代をグラフにしたものだった。
あたし達は、自分の金か勝又さんの金で生活をしているのである。
金の管理は、真面目な森尾の係となっていた。
森尾はあたしを睨み、指をさして声を上げる。
「ガソリン代かかりすぎ!」
「!!」
あたしはギクリとした。
続いて森尾は華音を指さす。
「華音の場合、プラス買い物しすぎ!」
「うっ」
華音は思わずたじろいだ。
「岡田もフィギュアだのポスターだの買いすぎだ!!」
「だ…、だって…」
「言い訳するな、見苦しい!!」
今にもカマイタチが飛ばされそうな勢いだ。
あたし達は完全に気圧されてしまう。
「広瀬も、もう少し、姫の服を控えろ! 勝又さんもです!」
「「……………」」
あの2人まで叱られてるよ。
あとで逆に怒られなければいいのだが。
キレた森尾は、とにかく見境がない。
「由良は問題外!!」
「!!」
それは言えてる。
画材、絵の具、菓子類諸々、明らかに買いすぎだ。
しかも、買った物を溜めこむ癖が目立つ。
あたしは思わず「うんうん」と頷いた。
だが、呑気に頷いていられる立場でもない。
森尾が可愛らしいブタの貯金箱を、テーブルの真ん中に置いた。
手に取ると、ズシリと重さが伝わる。
みんなの、財布の金を除いた全財産がここに入ってあるのだ。
「―――というわけで、今日から、ここにある貯金箱の中にある金を、己が欲望のために使ってはいけません。食事は与えないと思ってください。逆にどんどん貯金してください。ひとり1日50円です」
敬語で言う森尾も迫力がある。
しかし、このメンバーの中に、財布を持ってない奴がひとりいた。
言わずとも、由良だ。
「え―――っ、オレ無一文…」
「菓子は1日1個! 今溜めてるものから片付けろ!」
森尾はちゃんと考えている。
あたし達にも追加の指示を出す。
「それから、当分外出禁止!!」
お母さんか!!
「え―――っ!!」
あたしと華音と岡田が声を上げた。
買い物に行けないどこか、ドライブすらできない。
あたしのヒマな時の楽しみが減ってしまう。
さすがに譲れないぞ。
「健ちゃんの鬼―――!」
「酷いよ、森尾―――!」
「あたしのドライブを返せ―――!」
「バカモリヲ―――!」
あたし達4人の罵声に、
「…」
森尾の堪忍袋の緒が切れた。
ゴッ!!!
北海道に竜巻発生。
勝又さんと広瀬は廊下に避難し、あたしと華音と由良は岡田を盾にした。
「………今月は?」
壁(岡田)が倒れ、風を鎮めた森尾がこちらを見下ろし、唸るように尋ねる。
あたし達は降伏するように手を挙げた。
「「「無駄遣いしません…」」」
ヘタレは、マジギレすると手がつけられません。
.
いつもは温厚で爽やかヘタレ兄さんの森尾だが、
「ちゅ―――も―――く!!」
たまにキレると恐ろしい。
今日はその“たまに”の日のようだ。
あたし達は全員リビングに呼び出された。
招集をかけたのは森尾だ。
用意されたホワイトボードにはグラフのようなものが描かれている。
森尾はこちらを睨みつけながら、ホワイトボードを、バンッ、とてのひらで叩いた。
「今月は、先月と比べて金使いすぎだ! はっきり言って無駄遣いが過ぎる!」
食費、水・電気・ガス代、各々の買い物代をグラフにしたものだった。
あたし達は、自分の金か勝又さんの金で生活をしているのである。
金の管理は、真面目な森尾の係となっていた。
森尾はあたしを睨み、指をさして声を上げる。
「ガソリン代かかりすぎ!」
「!!」
あたしはギクリとした。
続いて森尾は華音を指さす。
「華音の場合、プラス買い物しすぎ!」
「うっ」
華音は思わずたじろいだ。
「岡田もフィギュアだのポスターだの買いすぎだ!!」
「だ…、だって…」
「言い訳するな、見苦しい!!」
今にもカマイタチが飛ばされそうな勢いだ。
あたし達は完全に気圧されてしまう。
「広瀬も、もう少し、姫の服を控えろ! 勝又さんもです!」
「「……………」」
あの2人まで叱られてるよ。
あとで逆に怒られなければいいのだが。
キレた森尾は、とにかく見境がない。
「由良は問題外!!」
「!!」
それは言えてる。
画材、絵の具、菓子類諸々、明らかに買いすぎだ。
しかも、買った物を溜めこむ癖が目立つ。
あたしは思わず「うんうん」と頷いた。
だが、呑気に頷いていられる立場でもない。
森尾が可愛らしいブタの貯金箱を、テーブルの真ん中に置いた。
手に取ると、ズシリと重さが伝わる。
みんなの、財布の金を除いた全財産がここに入ってあるのだ。
「―――というわけで、今日から、ここにある貯金箱の中にある金を、己が欲望のために使ってはいけません。食事は与えないと思ってください。逆にどんどん貯金してください。ひとり1日50円です」
敬語で言う森尾も迫力がある。
しかし、このメンバーの中に、財布を持ってない奴がひとりいた。
言わずとも、由良だ。
「え―――っ、オレ無一文…」
「菓子は1日1個! 今溜めてるものから片付けろ!」
森尾はちゃんと考えている。
あたし達にも追加の指示を出す。
「それから、当分外出禁止!!」
お母さんか!!
「え―――っ!!」
あたしと華音と岡田が声を上げた。
買い物に行けないどこか、ドライブすらできない。
あたしのヒマな時の楽しみが減ってしまう。
さすがに譲れないぞ。
「健ちゃんの鬼―――!」
「酷いよ、森尾―――!」
「あたしのドライブを返せ―――!」
「バカモリヲ―――!」
あたし達4人の罵声に、
「…」
森尾の堪忍袋の緒が切れた。
ゴッ!!!
北海道に竜巻発生。
勝又さんと広瀬は廊下に避難し、あたしと華音と由良は岡田を盾にした。
「………今月は?」
壁(岡田)が倒れ、風を鎮めた森尾がこちらを見下ろし、唸るように尋ねる。
あたし達は降伏するように手を挙げた。
「「「無駄遣いしません…」」」
ヘタレは、マジギレすると手がつけられません。
.