短編:過去拍手文
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・〇〇の場合(由良視点)(クロスオーバー)
・モリヲの場合
夕方、レンは長距離のランニングから家に帰ってきた。
何十キロ走ったのか、息も洗いし、汗だくだ。
「疲れた~」
「メシ作ったら、起こしてやるよ」
「頼んだぁ…」
風呂に入ってから、フラフラと自分の部屋へと向かった。仮眠して疲れをとるつもりだ。
さて、メシを作る、とは言ったが、作るのはもちろんオレではない。
5分が経過。
そろそろ、眠った頃だろうか、と思った時にはリビングに戻ってきた。
外見はレンだが、中身は違う。
「モーリヲ、メシ♪」
「待て、体がキツイ…」
度を越した運動のあとだからな。
どうやら、入れ替わると、体の痛みや疲れが感じ取れるようだ。
レンが眠らないと、中にいるモリヲ、カノン、ミズキは出てこられない。
オレとレンは手の込んだ料理はできないから、こうやってたまにモリヲが入れ替わってる。
栄養管理はバッチリだ。
エプロンに着替えたモリヲがキッチンで野菜炒めを作ってる最中、オレはテーブルの席についておとなしく待っていた。
「……レンの中って、どんなカンジ?」
オレが尋ねると、ちょうど野菜は炒め終わり、モリヲはそれを皿に盛ってこっちに運びながら答える。
「居心地がいい」
再びキッチンに戻ってご飯とみそ汁を運び、向かいの席に着いた。
テーブルの端に置いてあった読みかけの本を手に取り、しおりで挟んであったところから読みながら言葉を繋げる。
「レンの調子によって色んな思い出の場所に行けるから、退屈はしない…と言っても、こちらは眠っていることも多いけど」
頭の中にその光景を思い浮かべる。
「…あいつの世界…」
そう呟きながら、目の前の野菜炒めからニンジンをつまみ食いする。
「コラ」と怒られた。
「心身ともに健康なら、オレ達も楽しい思い出に行けるんだ。だから、しっかり食べてもらわないと…、って言ってる間に間食するな! 夕食が食べられなくなるだろ!」
オカンか、おまえは。
・カノンの場合
最近のレンの悩み。
「買った覚えのない服や化粧品が増えた気がする…。母さんの? …いや、それにしては若々しい気がする…。南さんも心当たりないって言ってるし…」
ブツブツと言ってから「まさか」とこちらを見るが、もちろん犯人はオレではない。
レンが仮眠している間に、入れ替わったカノンがオシャレして外出しているのだ。
「そんなにバレてえか?」
数十分の外出から戻ってきたご満悦のカノンに声をかけた。
「怖い顔しないでよ。帰ってたらちゃんと着替えてるし化粧も落とすからいいでしょー? 華音だってお出かけしたいも―――ん。見てコレ! 街中に出かけただけでこんなに名刺貰っちゃった! ひゃははっ」
見せつけられたのは、どこかの事務所の名刺ばっかりだ。
アイドル、モデル、ちょっと怪しい撮影所、聞きなれない相談所…。
王冠マークのロゴの、なんだこの、デリバリー…なんちゃらってのは。
カノンの奴、レンの顔と身体の良さを活かしてやがる。
「変な事務所行ったら怒るぞ」
「それってレンちゃんが? 由良が?」
「うるせーよ」
・ミズキの場合
「あ!! テメー、オレのドーナツ食っただろ!」
もごもごと咀嚼する、レンの身体を借りたミズキに怒鳴った。
「イチゴ味だけしか食ってねーよ!」
「せめて声かけろよ!」
「かけたのにくれなかったことあっただろ!」
どうしても現実の物を食べたい時はこうして本人が眠っている間に出てきて食べるのだが、ミズキの場合は大体オレの菓子に手をつけやがる。
「ベンショーしろ!」
「それどの口が言ってんだ!」
「最後はイチゴ味にしようと思ったのに」
「ケーキのシメみたいに言いやがって…、ちょっと待て」
ポケットをゴソゴソとするミズキ。
「これしかなかった」
放り投げられたのは5円玉だった。
「お賽銭じゃねーんだぞ!」
「あ―――。もう少しでレンが起きるわ、じゃあな!」
その場に倒れるレンの身体。
「おい!」
身体を借りてる奴らは都合が悪くなれば本人に丸投げだ。
・〇〇の場合。
「最近疲れやすくてさぁ…。能力者なのにぐっすり眠った気になれないし、買った覚えのない服や名刺があったり、口の中がイチゴ味だったり…」
いっそバラしてやろうか。あいつら隠す気ねーだろ。
テーブルに突っ伏すくらい疲れ切ったレンを前に、リビングのソファーに腰掛けるオレはなにも言ってやれない。
「こういうのって病院どこ行ったらいいんだ? それとも、電話相談の方がいいのかな…」
テーブルに並べられた名刺のひとつを手に取る。まるで引き寄せられるような動きだった。
名刺に書いてある電話番号に早速かけようとする。
「おいおい、気持ちに余裕がないからって変なとこにかけるなよ?」
時すでに遅し。
耳に携帯電話を当ててコール音を聴いている状態だ。
大丈夫か、通話料金がえげつないところにかけてないだろうか。
「お電話ありがとうございます!」と電話の向こうの声は明るい。
「デリバリーゴッ…!!」
「!?」
一瞬、レンの背後にジャージを見た気がした。
何かがぶつかったのか、レンの身体が椅子ごと倒れる。
「レン!?」
さすがにソファーから勢いよく立ち上がったオレはレンに駆け寄った。
レンは「うう…」と呻いて起き上がり、自分自身の身体にびっくりしている。
「あれ!? なんかこの体、憑りやすい!?」
「どちらさま!!?」
「神様です☆」
神憑りされかけたので、手持ちの5円玉でお帰りいただいた。
妙に他人とは思えない、自称神様だった。
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・モリヲの場合
夕方、レンは長距離のランニングから家に帰ってきた。
何十キロ走ったのか、息も洗いし、汗だくだ。
「疲れた~」
「メシ作ったら、起こしてやるよ」
「頼んだぁ…」
風呂に入ってから、フラフラと自分の部屋へと向かった。仮眠して疲れをとるつもりだ。
さて、メシを作る、とは言ったが、作るのはもちろんオレではない。
5分が経過。
そろそろ、眠った頃だろうか、と思った時にはリビングに戻ってきた。
外見はレンだが、中身は違う。
「モーリヲ、メシ♪」
「待て、体がキツイ…」
度を越した運動のあとだからな。
どうやら、入れ替わると、体の痛みや疲れが感じ取れるようだ。
レンが眠らないと、中にいるモリヲ、カノン、ミズキは出てこられない。
オレとレンは手の込んだ料理はできないから、こうやってたまにモリヲが入れ替わってる。
栄養管理はバッチリだ。
エプロンに着替えたモリヲがキッチンで野菜炒めを作ってる最中、オレはテーブルの席についておとなしく待っていた。
「……レンの中って、どんなカンジ?」
オレが尋ねると、ちょうど野菜は炒め終わり、モリヲはそれを皿に盛ってこっちに運びながら答える。
「居心地がいい」
再びキッチンに戻ってご飯とみそ汁を運び、向かいの席に着いた。
テーブルの端に置いてあった読みかけの本を手に取り、しおりで挟んであったところから読みながら言葉を繋げる。
「レンの調子によって色んな思い出の場所に行けるから、退屈はしない…と言っても、こちらは眠っていることも多いけど」
頭の中にその光景を思い浮かべる。
「…あいつの世界…」
そう呟きながら、目の前の野菜炒めからニンジンをつまみ食いする。
「コラ」と怒られた。
「心身ともに健康なら、オレ達も楽しい思い出に行けるんだ。だから、しっかり食べてもらわないと…、って言ってる間に間食するな! 夕食が食べられなくなるだろ!」
オカンか、おまえは。
・カノンの場合
最近のレンの悩み。
「買った覚えのない服や化粧品が増えた気がする…。母さんの? …いや、それにしては若々しい気がする…。南さんも心当たりないって言ってるし…」
ブツブツと言ってから「まさか」とこちらを見るが、もちろん犯人はオレではない。
レンが仮眠している間に、入れ替わったカノンがオシャレして外出しているのだ。
「そんなにバレてえか?」
数十分の外出から戻ってきたご満悦のカノンに声をかけた。
「怖い顔しないでよ。帰ってたらちゃんと着替えてるし化粧も落とすからいいでしょー? 華音だってお出かけしたいも―――ん。見てコレ! 街中に出かけただけでこんなに名刺貰っちゃった! ひゃははっ」
見せつけられたのは、どこかの事務所の名刺ばっかりだ。
アイドル、モデル、ちょっと怪しい撮影所、聞きなれない相談所…。
王冠マークのロゴの、なんだこの、デリバリー…なんちゃらってのは。
カノンの奴、レンの顔と身体の良さを活かしてやがる。
「変な事務所行ったら怒るぞ」
「それってレンちゃんが? 由良が?」
「うるせーよ」
・ミズキの場合
「あ!! テメー、オレのドーナツ食っただろ!」
もごもごと咀嚼する、レンの身体を借りたミズキに怒鳴った。
「イチゴ味だけしか食ってねーよ!」
「せめて声かけろよ!」
「かけたのにくれなかったことあっただろ!」
どうしても現実の物を食べたい時はこうして本人が眠っている間に出てきて食べるのだが、ミズキの場合は大体オレの菓子に手をつけやがる。
「ベンショーしろ!」
「それどの口が言ってんだ!」
「最後はイチゴ味にしようと思ったのに」
「ケーキのシメみたいに言いやがって…、ちょっと待て」
ポケットをゴソゴソとするミズキ。
「これしかなかった」
放り投げられたのは5円玉だった。
「お賽銭じゃねーんだぞ!」
「あ―――。もう少しでレンが起きるわ、じゃあな!」
その場に倒れるレンの身体。
「おい!」
身体を借りてる奴らは都合が悪くなれば本人に丸投げだ。
・〇〇の場合。
「最近疲れやすくてさぁ…。能力者なのにぐっすり眠った気になれないし、買った覚えのない服や名刺があったり、口の中がイチゴ味だったり…」
いっそバラしてやろうか。あいつら隠す気ねーだろ。
テーブルに突っ伏すくらい疲れ切ったレンを前に、リビングのソファーに腰掛けるオレはなにも言ってやれない。
「こういうのって病院どこ行ったらいいんだ? それとも、電話相談の方がいいのかな…」
テーブルに並べられた名刺のひとつを手に取る。まるで引き寄せられるような動きだった。
名刺に書いてある電話番号に早速かけようとする。
「おいおい、気持ちに余裕がないからって変なとこにかけるなよ?」
時すでに遅し。
耳に携帯電話を当ててコール音を聴いている状態だ。
大丈夫か、通話料金がえげつないところにかけてないだろうか。
「お電話ありがとうございます!」と電話の向こうの声は明るい。
「デリバリーゴッ…!!」
「!?」
一瞬、レンの背後にジャージを見た気がした。
何かがぶつかったのか、レンの身体が椅子ごと倒れる。
「レン!?」
さすがにソファーから勢いよく立ち上がったオレはレンに駆け寄った。
レンは「うう…」と呻いて起き上がり、自分自身の身体にびっくりしている。
「あれ!? なんかこの体、憑りやすい!?」
「どちらさま!!?」
「神様です☆」
神憑りされかけたので、手持ちの5円玉でお帰りいただいた。
妙に他人とは思えない、自称神様だった。
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