短編:過去拍手文
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・トリック・オア・トリート
「トリック・オア・トリート~♪ モリヲ~、オカシくれ~。カノンもよこせ~♪」
「「……………」」
森尾と華音がこちらを茫然と見つめる。
「……と、本人が突入してくるので、心得ておくように」
由良になりきったあと、2人に警告しておいた。
森尾はホッとする。
「びっくりした…。セリフ的に由良かと…」
明日はハロウィンである。
今年もみんなで衣装を着る予定だ。
*****
今年のあたしの衣装は吸血鬼である。
本来は男がやるものだが、華音が見たいと言い出したので、着ることになった。
そろそろだ。
予想通り、由良は真っ先にあたしの部屋に突入してきた。
ノックもせずにだ。
「トリック・オア・トリート♪」
「さっそく来たな」
今年の由良の衣装は悪魔である。
頭には角、背中にはコウモリの翼、後ろは尖った尻尾、片手には背丈ほどの大きなフォーク(どこで手に入れたんだか)。
どこから見ても、虫歯菌に見える。
歯を守ろうと、反射的に口を押さえてしまった。
「お―――か―――し―――♪」
「まったく…、今年だけだからな」
昨日買っておいた缶クッキーを手渡す。
こういう上等なものを渡さないと、本人は納得しないのだ。
「出た! ツンデレ渡し!」
「没収」
由良の手から、手渡したばかりの缶クッキーを奪い取る。
それをどこかに持っていこうとしたとき、由良は「あ―――」と叫びながら慌てて追いかけてきた。
「ウソだー!」
*****
そのあとは、由良についていって他のメンバーの対応を見ることにした。
次にやってきたのは、華音の部屋だ。
あたしと同じく、突入する。
「トリック・オア・トリート~♪」
華音は衣装が着替え終わり、化粧をしていた。
ネコマタの衣装だ。
耳にはネコ耳、後ろには黒猫の尻尾、目の周りはアイライナーで黒くしている。
「も~、ノックくらいしてよね~」
華音は化粧台の前から立ち上がり、ポケットから取り出したアメ玉を由良に渡した。
しかし、由良は、たった数個のアメ玉では納得しない。
「もっと!!」
「きゃっ!? ちょっと、危ないじゃない!」
フォークの先を華音に向けた。
「強盗か」
「お菓子をくれなきゃ、虫歯にするぞ」と脅されている気がする。
ありったけのアメ玉をくれた華音も加わり、3人で、今度は岡田の部屋へとやってきた。
由良が、可愛らしく「トリック・オア・トリート♪」と言って突入するかと思いきや、
「あり菓子全部よこせー!!☆」
れっきとした強盗の如く、フォークをかまえて突入した。
部屋の奥から岡田の悲鳴。
確か、今年もフランケンシュタインだっけ。
「岡田には、とことん容赦ねえのな…」
「嫌いなんじゃない?」
*****
そのあとは、恵のところでケーキをもらったり、広瀬のところでチョコレートをもらったり、勝又さんのところでホットチョコレートをもらったり。
由良の恰好が虫歯菌に見えるのせいか、甘いものを口にしたあと、すぐに歯磨きがしたくなる。
吸血鬼が虫歯になってしまったら、血が吸えないだろ! なんてな。
最後は森尾だ。
しかし、森尾は部屋にはいなかった。
どこに行ったのかと、捜していると食堂から甘い匂いがした。
その匂いにつられ、扉を開けると、食堂のテーブルには手作り菓子がたくさん並べられていた。
チョコレートケーキ、パンプキンアイス、チョコとストロベリーのドーナツ、各種のクッキーやビスケットなど。
思わず唾を飲み込んでしまう。
「! ああ、来たか」
犬耳と後ろには犬の尻尾をつけた森尾が、キッチンから出てきた。
狼男のつもりなのだろう。
両手には、溶かされたチョコレートが入った鍋を持っている。
「モリヲ―――!!!☆」
これでもかってくらいの勢いで、由良が森尾に飛びかかって懐く。
「わあ!? なつくな! わかったから、離れろ! こぼす!」
悪魔が狼に懐く。
妙な光景だ。
あの人にはかなわんな…。
来年は手作りにしよう、と決める。
由良を独り占めされたみたいで、ちょっと悔しかった。
「早く食べよーぜー!」
由良はあたしにそう声をかけて、勝手に食べ始める。
「こら! まだ全部できてない!」と叱ったあと、森尾はキッチンへと向かった。
華音も「手伝う」と言って森尾についていく。
由良は席に座って、「早く食いてえ…」と呟いた。
あたしはその背後に近付き、
「トリック・オア・トリート」
「!」
耳元でささやいたあと、背後からその首筋に軽く噛みついてやった。
甘いものをくれないと、いたずらするぞ
.
「トリック・オア・トリート~♪ モリヲ~、オカシくれ~。カノンもよこせ~♪」
「「……………」」
森尾と華音がこちらを茫然と見つめる。
「……と、本人が突入してくるので、心得ておくように」
由良になりきったあと、2人に警告しておいた。
森尾はホッとする。
「びっくりした…。セリフ的に由良かと…」
明日はハロウィンである。
今年もみんなで衣装を着る予定だ。
*****
今年のあたしの衣装は吸血鬼である。
本来は男がやるものだが、華音が見たいと言い出したので、着ることになった。
そろそろだ。
予想通り、由良は真っ先にあたしの部屋に突入してきた。
ノックもせずにだ。
「トリック・オア・トリート♪」
「さっそく来たな」
今年の由良の衣装は悪魔である。
頭には角、背中にはコウモリの翼、後ろは尖った尻尾、片手には背丈ほどの大きなフォーク(どこで手に入れたんだか)。
どこから見ても、虫歯菌に見える。
歯を守ろうと、反射的に口を押さえてしまった。
「お―――か―――し―――♪」
「まったく…、今年だけだからな」
昨日買っておいた缶クッキーを手渡す。
こういう上等なものを渡さないと、本人は納得しないのだ。
「出た! ツンデレ渡し!」
「没収」
由良の手から、手渡したばかりの缶クッキーを奪い取る。
それをどこかに持っていこうとしたとき、由良は「あ―――」と叫びながら慌てて追いかけてきた。
「ウソだー!」
*****
そのあとは、由良についていって他のメンバーの対応を見ることにした。
次にやってきたのは、華音の部屋だ。
あたしと同じく、突入する。
「トリック・オア・トリート~♪」
華音は衣装が着替え終わり、化粧をしていた。
ネコマタの衣装だ。
耳にはネコ耳、後ろには黒猫の尻尾、目の周りはアイライナーで黒くしている。
「も~、ノックくらいしてよね~」
華音は化粧台の前から立ち上がり、ポケットから取り出したアメ玉を由良に渡した。
しかし、由良は、たった数個のアメ玉では納得しない。
「もっと!!」
「きゃっ!? ちょっと、危ないじゃない!」
フォークの先を華音に向けた。
「強盗か」
「お菓子をくれなきゃ、虫歯にするぞ」と脅されている気がする。
ありったけのアメ玉をくれた華音も加わり、3人で、今度は岡田の部屋へとやってきた。
由良が、可愛らしく「トリック・オア・トリート♪」と言って突入するかと思いきや、
「あり菓子全部よこせー!!☆」
れっきとした強盗の如く、フォークをかまえて突入した。
部屋の奥から岡田の悲鳴。
確か、今年もフランケンシュタインだっけ。
「岡田には、とことん容赦ねえのな…」
「嫌いなんじゃない?」
*****
そのあとは、恵のところでケーキをもらったり、広瀬のところでチョコレートをもらったり、勝又さんのところでホットチョコレートをもらったり。
由良の恰好が虫歯菌に見えるのせいか、甘いものを口にしたあと、すぐに歯磨きがしたくなる。
吸血鬼が虫歯になってしまったら、血が吸えないだろ! なんてな。
最後は森尾だ。
しかし、森尾は部屋にはいなかった。
どこに行ったのかと、捜していると食堂から甘い匂いがした。
その匂いにつられ、扉を開けると、食堂のテーブルには手作り菓子がたくさん並べられていた。
チョコレートケーキ、パンプキンアイス、チョコとストロベリーのドーナツ、各種のクッキーやビスケットなど。
思わず唾を飲み込んでしまう。
「! ああ、来たか」
犬耳と後ろには犬の尻尾をつけた森尾が、キッチンから出てきた。
狼男のつもりなのだろう。
両手には、溶かされたチョコレートが入った鍋を持っている。
「モリヲ―――!!!☆」
これでもかってくらいの勢いで、由良が森尾に飛びかかって懐く。
「わあ!? なつくな! わかったから、離れろ! こぼす!」
悪魔が狼に懐く。
妙な光景だ。
あの人にはかなわんな…。
来年は手作りにしよう、と決める。
由良を独り占めされたみたいで、ちょっと悔しかった。
「早く食べよーぜー!」
由良はあたしにそう声をかけて、勝手に食べ始める。
「こら! まだ全部できてない!」と叱ったあと、森尾はキッチンへと向かった。
華音も「手伝う」と言って森尾についていく。
由良は席に座って、「早く食いてえ…」と呟いた。
あたしはその背後に近付き、
「トリック・オア・トリート」
「!」
耳元でささやいたあと、背後からその首筋に軽く噛みついてやった。
甘いものをくれないと、いたずらするぞ
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