短編:過去拍手文
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・秋
音楽プレイヤーを聴きながら、ふと、隣の窓に振り向く。
部屋の窓から見える山は、すっかり紅葉色が広がっていた。
庭にも、落ち葉が無数に舞い落ちている。
頭の中に、「芸術の秋」、「スポーツの秋」、「読書の秋」、「食欲の秋」という言葉が浮かんだ。
スポーツの秋が好き。
森尾は読書の秋、華音は芸術の秋、由良も芸術の秋、と言いたいところだが、食欲の秋でもあるだろう。
「!」
庭に見覚えのある人影を見た。
なにしてんだ、由良の奴。
手には竹ぼうきを持っている。
それを使い、枯れ葉を一か所に集め始めた。
珍しいな、掃除してる。
しかし、別に竹ぼうきを使わなくても、能力で散らせばいいじゃないか。
その方が手っ取り早い。
枯れ葉を集め終わったあと、由良は一度屋敷に駆け込み、再び庭に戻ってきた。
両手になにか抱えている。
さつまいもだ。
由良の目的がなんとなくわかってきた。
思った通り、それを放りこみ、枯れ葉に火をつける。
黒煙が空にのぼった。
本人は焚火の周りをウロウロしている。
楽しみで仕方ないってカンジだ。
たまに、しゃがんだと思ったら、枝で枯れ葉の中にあるさつまいもをつつく。
ワクワク続行。
黒煙モクモク。
しばらくして、由良は焚火の前でしゃがみ、枝で中の焼き芋を突き刺して取り出した。
「!!」
焼き芋は真っ黒だ。
取り出した本人はショックを受けている。
しょんぼりと肩を落とし、悲しい背中だ。
つーか、あれ、泣いてる!?
堪え切れなくなり、窓を勢いよく開けて声を上げた。
「「「アルミ使え!!」」」
見ていたのはあたしだけじゃなかったようだ。
森尾と華音はあたしとほぼ同時に窓を全開し、由良に声をかけた。
*****
「焼き芋焼くなら、誘ってよね―――」
あたし達は庭に出て、焚き火の周りに集まり、新しいさつまいもを焼いた。
今度はちゃんとアルミを巻いてだ。
「おいし―――」
出来上がった焼き芋は、甘くてとても美味しい。
突然、なにかがパンッと弾けた。
火の粉が飛び散り、森尾にかかる。
「熱っ!! 由良、クリ入れたなっ!?」
「あったけ―――」
由良は夢中で焼き芋を頬張っている。
風に舞った紅葉が目の前を通過した。
焼き芋の味を堪能しながら、秋空を見上げる。
やっぱり一番は食欲の秋だよな…。
.
音楽プレイヤーを聴きながら、ふと、隣の窓に振り向く。
部屋の窓から見える山は、すっかり紅葉色が広がっていた。
庭にも、落ち葉が無数に舞い落ちている。
頭の中に、「芸術の秋」、「スポーツの秋」、「読書の秋」、「食欲の秋」という言葉が浮かんだ。
スポーツの秋が好き。
森尾は読書の秋、華音は芸術の秋、由良も芸術の秋、と言いたいところだが、食欲の秋でもあるだろう。
「!」
庭に見覚えのある人影を見た。
なにしてんだ、由良の奴。
手には竹ぼうきを持っている。
それを使い、枯れ葉を一か所に集め始めた。
珍しいな、掃除してる。
しかし、別に竹ぼうきを使わなくても、能力で散らせばいいじゃないか。
その方が手っ取り早い。
枯れ葉を集め終わったあと、由良は一度屋敷に駆け込み、再び庭に戻ってきた。
両手になにか抱えている。
さつまいもだ。
由良の目的がなんとなくわかってきた。
思った通り、それを放りこみ、枯れ葉に火をつける。
黒煙が空にのぼった。
本人は焚火の周りをウロウロしている。
楽しみで仕方ないってカンジだ。
たまに、しゃがんだと思ったら、枝で枯れ葉の中にあるさつまいもをつつく。
ワクワク続行。
黒煙モクモク。
しばらくして、由良は焚火の前でしゃがみ、枝で中の焼き芋を突き刺して取り出した。
「!!」
焼き芋は真っ黒だ。
取り出した本人はショックを受けている。
しょんぼりと肩を落とし、悲しい背中だ。
つーか、あれ、泣いてる!?
堪え切れなくなり、窓を勢いよく開けて声を上げた。
「「「アルミ使え!!」」」
見ていたのはあたしだけじゃなかったようだ。
森尾と華音はあたしとほぼ同時に窓を全開し、由良に声をかけた。
*****
「焼き芋焼くなら、誘ってよね―――」
あたし達は庭に出て、焚き火の周りに集まり、新しいさつまいもを焼いた。
今度はちゃんとアルミを巻いてだ。
「おいし―――」
出来上がった焼き芋は、甘くてとても美味しい。
突然、なにかがパンッと弾けた。
火の粉が飛び散り、森尾にかかる。
「熱っ!! 由良、クリ入れたなっ!?」
「あったけ―――」
由良は夢中で焼き芋を頬張っている。
風に舞った紅葉が目の前を通過した。
焼き芋の味を堪能しながら、秋空を見上げる。
やっぱり一番は食欲の秋だよな…。
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