短編:過去拍手文
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・声
由良が乾燥で喉を壊した。
少しでも喋れば、喉に痛みが走るらしい。
由良はリビングで、一人用のソファーに座りながら、棒付きのキャンデーを黙ってなめている。
あたし達3人は、雑誌を読んだりテレビを見たりしていたが、どうも落ち着かなかった。
「なんか…、こう…」
「静かすぎよね…」
森尾と華音が呟く。
華音も雑誌やテレビで騒いでいたが、調子が乗らなかったようだ。
「ああいう由良は、ちょっと新鮮だな」
絵を描いてるとき以外は、とても騒がしい奴だ。
菓子を食べてる音もうるさいし、人のことすぐにからかってくるし、「ヒマだ」「ヒマだ」と騒ぐし。
今の由良は、なんだかいたずら好きな野良猫から、おとなしい飼い猫になったようだ。
などと考えながら見つめていると、由良は顔をしかめて口をパクパクさせ、身ぶり手ぶりでジェスチャーした。
おそらく、「あまりジロジロ見るな」と言ってるのだろう。
それを森尾と華音に伝える。
「ひゃはっ。由良って、そうやって大人しくしてた方がいいかも♪」
華音の言葉に、由良は「なんだと!?」と睨みつけ、華音に指をさして「テメーが言うな、テメーが」と口をパクパクさせた。
*****
それから各々の部屋に戻るとき、自分の部屋に戻るために2階の廊下を渡っていた。
自分の部屋の扉に近付いたとき、いきなり肩にポンと置かれて振り返った。
「わ!?」
すぐ間近に由良の顔があり、驚いてたじろぎ、扉に背中をぶつけてしまう。
「声かけろよ!」という言葉を飲み込み、「ど…、どうした?」という言葉にかえる。
「……………」
由良が自分のおなかに右手を当てると、由良の腹の虫が鳴いた。
呆れてしまい、背後の扉に軽く後頭部をぶつける。
「さっき、お菓子食ったばっかだろ。もうすぐで夕飯だし、ガマンできないのか」
「……っ…」
先に糖分摂取が必要なようだ。
「…はぁ。…待ってろ。確か小棚に、前におまえが残してったクッキーがあったはず…」
由良に背を向け、扉を開けようとノブに手をかけたとき、
「!!」
いきなり後ろから抱き締められた。
「うわっ、ちょ…!!」
「っ………」
肩にアゴをのせる由良に顔を向けると、由良は笑みを浮かべたまま、あたしの名前を口パクで言った。
「………早く…治せよ…」
小さくそう言って、そっと頭に触れる。
名前を呼んでほしいから。
*****
翌日、由良の喉は完全に回復し、由良は声が出せるようになった。
「声が出ねえのってけっこう不便だったぜ。なあ、今日、描くもの決まってねえんだ、裸婦のモデルになれ!!」
「黙れ」
「……………」
「黙ってもモデルはやらねえぞ!!」
.
由良が乾燥で喉を壊した。
少しでも喋れば、喉に痛みが走るらしい。
由良はリビングで、一人用のソファーに座りながら、棒付きのキャンデーを黙ってなめている。
あたし達3人は、雑誌を読んだりテレビを見たりしていたが、どうも落ち着かなかった。
「なんか…、こう…」
「静かすぎよね…」
森尾と華音が呟く。
華音も雑誌やテレビで騒いでいたが、調子が乗らなかったようだ。
「ああいう由良は、ちょっと新鮮だな」
絵を描いてるとき以外は、とても騒がしい奴だ。
菓子を食べてる音もうるさいし、人のことすぐにからかってくるし、「ヒマだ」「ヒマだ」と騒ぐし。
今の由良は、なんだかいたずら好きな野良猫から、おとなしい飼い猫になったようだ。
などと考えながら見つめていると、由良は顔をしかめて口をパクパクさせ、身ぶり手ぶりでジェスチャーした。
おそらく、「あまりジロジロ見るな」と言ってるのだろう。
それを森尾と華音に伝える。
「ひゃはっ。由良って、そうやって大人しくしてた方がいいかも♪」
華音の言葉に、由良は「なんだと!?」と睨みつけ、華音に指をさして「テメーが言うな、テメーが」と口をパクパクさせた。
*****
それから各々の部屋に戻るとき、自分の部屋に戻るために2階の廊下を渡っていた。
自分の部屋の扉に近付いたとき、いきなり肩にポンと置かれて振り返った。
「わ!?」
すぐ間近に由良の顔があり、驚いてたじろぎ、扉に背中をぶつけてしまう。
「声かけろよ!」という言葉を飲み込み、「ど…、どうした?」という言葉にかえる。
「……………」
由良が自分のおなかに右手を当てると、由良の腹の虫が鳴いた。
呆れてしまい、背後の扉に軽く後頭部をぶつける。
「さっき、お菓子食ったばっかだろ。もうすぐで夕飯だし、ガマンできないのか」
「……っ…」
先に糖分摂取が必要なようだ。
「…はぁ。…待ってろ。確か小棚に、前におまえが残してったクッキーがあったはず…」
由良に背を向け、扉を開けようとノブに手をかけたとき、
「!!」
いきなり後ろから抱き締められた。
「うわっ、ちょ…!!」
「っ………」
肩にアゴをのせる由良に顔を向けると、由良は笑みを浮かべたまま、あたしの名前を口パクで言った。
「………早く…治せよ…」
小さくそう言って、そっと頭に触れる。
名前を呼んでほしいから。
*****
翌日、由良の喉は完全に回復し、由良は声が出せるようになった。
「声が出ねえのってけっこう不便だったぜ。なあ、今日、描くもの決まってねえんだ、裸婦のモデルになれ!!」
「黙れ」
「……………」
「黙ってもモデルはやらねえぞ!!」
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