短編:過去拍手文
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由良のベルトは常に垂れ、常に地面を引きずっている。
意外なところで活躍したりもする。
華音に金属部分を引き千切られて爆破のために使われたり、死体の靴のフックに引っかかって狙撃を免れたり。
しかし、不便な時もあるんじゃないのか。
「ねえよ」
「……………」
聞いてみたところ、本人にそう答えられたが、1週間様子を窺うことにした。
*****
部屋から出て扉を閉め、ベルトだけ挟まる(黙ってなおす本人)。
森尾に踏まれ、こける(そのあと逆切れ)。
洗濯したとき、ベルト同士が絡まってかなり面倒(なぜかあたしがやらされた)。
庭に出れば、野良猫に遊ばれる(オモチャ扱い)。
発進した華音の車の車輪に巻き込まれ、20mほど引きずられる(暴走族のケジメを思い出した)。
*****
調査結果。
「ダメじゃん!! 思いっきり多大な迷惑じゃん、ソレ。喜んでんのはネコだけ」
「オレのファッションにダメ出しすんじゃねえ」
「傷だらけの顔でまだ言うか」
「痛ててっ」
現在、向かい合わせで椅子に座り、すり傷だらけの由良の顔に消毒液を塗ってやってる。
強く押し当てられて由良は顔をしかめた。
消毒液を机上に置き、床に垂れているツナギを両手でつかんだ。
「いいから取れ!」
「あ、てめっ」
ベルトを引っ張り、無理矢理取り外した。
…………なんだろう…、ちょっと違和感。
由良はこちらを睨み、唸るように言った。
「おまえ、それが重要なパーツだってわかって取ったのか?」
「……はい?」
「それがない状態で、今までのオレの活躍シーンを思い出してみろ」
では皆さん、ベルトなしバージョンの由良の活躍を想像してみてください。
1巻
「このオレ達2人が、正しい道、“死”へと導いてやろう」
初めてシャボン玉を浮かばせるシーン。
刑事2人を散らすシーン。
2巻
爆発シーン
3巻
森尾との剣幕シーン。
4巻
フクロウにキレるシーン。
7巻
屋敷を破壊するシーン。
「あの女の相手、オレが代わってやってもいいぜ?」
8巻
奈美との戦闘シーンなど
「あれ…? 思ったより違和感あり…」
「ツナギ・ベルト・裸足の3拍子ファッションでこそオレなんだから、除外しちゃファンが減る」
「ファンて…」
「あと、オレ自身のバランスも悪くなる」
「綱渡りする時に使う棒みたいな役割だったってこと!?」
ただでさえフラフラしてるくせに!
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