短編:過去拍手文
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夕方になり、あたしは本を片手に、森尾の部屋へと向かうために廊下を渡っていた。
この間借りた本を返すためだ。
借りていた本は分厚かったが、とても面白かった。
続きがあったら読みたいとまで思ったものだ。
森尾のオススメに外れはない。
いつものこの時間なら、リビングにいるはずなのに、フクロウの絵を笑ったこと、まだ気にしてるんだろうか。
だとしたら、部屋に入りづらい。
由良くらいの神経の図太さがほしくなる。
森尾の部屋の前に着き、ノックする。
だが、返事は返ってこなかった。
やはり怒っているのだろうか。
「森尾ー」
返事はない。
この部屋にはいないのかと確認するためにドアを少し開けて中を窺った。
森尾は確かにいた。テーブルに伏せて寝ているが。
「寝てんのか…」
ほっとして部屋に足を踏み入れ、森尾に近付く。
揺すって起こそうかと思ったが、気持ち良く眠っているため、このままにしておこうと決めた。
窓から射し込む夕陽が森尾の金髪を照らし、キラキラと光って綺麗だったから、思わず見入ってしまう。
「!」
森尾が伏せているテーブルに視線を移すと、森尾の下敷きとなっている広げられた大きな紙と、その紙の上に転がっている何本もの色鉛筆があった。
「?」
なにか描いてあったから、慎重にそっとその紙を抜き取る。
それを見て、小さく「あ」と声を出した。
横に並んだ4人の3等身の人間が描かれている。
笑顔で可愛らしかった。
黒鉛筆で描かれたモジャモジャの髪、目の下にはクマのラインがあるからこれが由良。
赤鉛筆で描かれた長髪の女は華音。
青い帽子を被った、茶色の色鉛筆で描かれた髪の女はあたし。
そして、眼帯に、黄色の色鉛筆で描かれた髪の男は森尾だ。
よく見てるなぁ、と笑みがこぼれる。
「ホント…、よく見てる…。マジで…」
そう言うと、森尾の体がピクリと動き、耳が真っ赤になったのを見た。
「ふふっ。寝たフリすんなよ」
「……………」
また描いてほしい、と言ったら、拗ねるだろうか。
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