短編:過去拍手文
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あたしと由良と森尾の3人は海へとやってきた。
目的は魚を釣るためだ。
華音も誘ったが、「生臭いからパース」と断られた。
桟橋にやってきて、荷物を下ろす。
周りを見ると、すでに他の釣り人達も来ていた。
「いっぱい釣るぜ!」と由良。
「「おー」」
「よそに負けんなー!」とあたし。
「「おー」」
「え…と…、め…、目指すは大物!」と森尾。
「「おー!」」
やる気満々で釣り開始。
早くも自分の釣り糸に反応があった。
リールを回して引っ張ると、大きめの魚が釣れた。
威勢良くビチビチと跳ねている。
「スゲーッ。なんだこの魚!」
はしゃぎながら森尾に聞くと、
「…スズキだな。よく網も使わずに釣れたな」
感心の目で見られた。
「お! こっちにもきてるぞ!」
由良が両手を使って釣り竿を引っ張っている。
向こうも、釣られてなるものかと抵抗を見せていた。
こちらより大物かもしれない。
「由良! 頑張れ!」
由良の背後から応援する。
相手に隙ができたのか、由良は思いっきり引っ張った。
すると、海からそれが飛び出してこちらに向かってくる。
サメだ。
「「サメ―――!?」」
反射的にその場にしゃがみ、釣られたサメはあたし達の上を通過し、後ろ側の海へと落ちた。
同時に、糸が切れる。
「こっちがエサになるとこだった…」
森尾はサメが落下した海を覗き込んだ。
「なんてもん釣ってんだ!」
本気でビビッてしまった。
「サメってうまくねえのか?」
「……………」
食べたことがないから由良の問いに答えようがない。
*****
夕方になり、周りの釣り人達がだんだん減っていく。
自分のバケツを確認すると、たくさんの釣れた魚が泳いでいた。
由良のも同じだ。
「あたし達も、そろそろ帰るか」
「そうだな」
由良はそう答え、釣り竿を仕舞おうとする。
「もうちょっと待ってくれ。オレはまだ釣れてない」
森尾は釣り竿を持ちながら言った。
真剣な顔をしている。
あたしと由良はたくさん釣れたというのに、森尾だけがまだ一匹も釣れていない。
さっき、かかった、と思ったら地球に針を持っていかれてたし。
「はははっ、魚に嫌われてんなー、モリヲ」
森尾は「ぐっ」と唸って由良を睨んだあと、振りかぶり、針をもっと遠くに飛ばそうとした。
「オレだって…!」
「きゃっ」
「「「!」」」
背後で女の悲鳴が聞こえ、あたし達は同時に振り返る。
見ると、森尾が振りかぶったせいで、3人のグループで来た女達の内のひとりの袖に針が引っかかってしまった。
「あ、ごめん!」
森尾は釣り竿をその場に下ろし、その女達のところへ駆け寄る。
「大丈夫!?」
引っかけてしまった針を取り、その女の顔を心配そうにのぞき込んだ。
「ヘ…、ヘーキ…です…」
その女の顔がポッと赤くなる。他の2人も同じだ。
「お兄さんも釣りですか?」
「そうだよ。これがなかなか釣れなくて…」
苦笑する森尾を見て、女達の顔がさらに赤くなった。
*****
数分後、森尾は大量の魚が入ったバケツを持って戻ってきた。
「話してたら、こんなにもらった!」
嬉しそうな顔だ。
「あいつ、女釣るのはうまいよな…。眼帯してもイケメンはイケメン」
由良が言って、あたしは肩を竦ませる。
「本人に自覚あるのかわかんねえけど…」
実力で釣ったあたし達の魚より多いのは不服だ。
ともあれ、今夜は魚パーティーだな。
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