短編:過去拍手文
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
恵といつものように談笑している時だった。
「落合さん、昼食持ってきたよ」
「「!」」
ノックと一緒にドアの向こうから広瀬の声が聞こえた。
いつもより来るのが早い。
「せっかく話弾んでたってのに…」
眉をひそめ、仕方なく窓から出て行こうとした。
今度の部屋の窓には鉄格子がついてるから、くぐって通らなければならない。
「じゃあな、恵」
窓を開け、潜り抜けようとした。
だが、
「!」
腰の部分でつかえてしまった。
「ヤベッ!」
戻ってベッドの下に隠れようと考えたが、戻れない。
恵も焦り始めた。
足をバタバタとさせるが、抜けない。
背後から扉を開ける音が聞こえた。
「落あ……」
恵は咄嗟にカーテンを閉め、あたしの前に立って広瀬から隠してくれた。
「あ、ありがとう、広瀬君。そこに置いといて」
「……わかった」
怪訝な顔をしながらも、広瀬はテーブルの昼食を載せたトレーを置いて、部屋を出て行く。
広瀬が行ったことを確認した恵はほっとしたあと、カーテンを開けてあたしの状態を見た。
「抜けないんですか!? っていうか、こんなとこ、よく上半身だけでも通りましたね」
「マジで泣きそ」
恵はあたしの足をつかんで引っ張るが、
「いてててて!」
肋骨にひっかかって痛みが走る。
「いったい、どうしたら……」
恵が困惑した顔をして、あたしも「まいった」という顔をした。
ふと下を見ると、呑気に写真撮ってやがる奴を発見。
「……なにやってる?」
「ブログ用の写真」
「ブログやってたのか、おまえ!」
由良は写真を撮り終わると、とっとと戻ろうとした。
「待てよ! 放置か!?」
「助けてほしいって言えよ。素直じゃねえなぁ」
*****
由良は恵の部屋にやってきた。
試しに、あたしの足を引っ張る。
「いだだだ!」
「ありゃー、しっかりはまってやがる。この状態で描かせてくれる?」
「ふざけんじゃねえ!」
足をバタバタと動かして蹴ろうとしたが、あっさりと避けられた。
「助けてやんねえぞー」
尻を触られ、撫でられる。
抜け出たら、殺そう。
「と…、とりあえず、シャボン玉で散らしてくれ…」
殺意を抑え、由良に頼んだ。
「んなことしたら、広瀬になんて言うんだよ。バレるだろ」
「あ…、そっか」
「鉄格子を外して、抜け出せたら、またはめればいいんじゃ……」
恵の案を聞いて、「その方がいいな」と賛成する。
「ほら見ろ。姫様の方が、おまえより賢いぞ」と由良が一言多い。
由良は鉄格子を外そうとした。
だが、しっかりとはまっていて、なかなか1本も外れない。
「どうっすっかなぁ…」
由良も頭を悩ませる。
「石鹸使って、もう一回引っ張ってみましょう」
「なーる♪」
恵の提案に、由良ものった。
恵はすぐに洗面所にある石鹸を取ってきて、あたしの腰と腹と、鉄格子に塗る。
最初は由良がやってたが、手つきがいやらしいからやめさせた。
「「せーの!」」
由良と恵が同時にあたしの脚を引っ張る。
石鹸を塗っても、やっぱり痛い。
「いたたたた!」
しかし、さっきより滑りがいい。
「頑張ってください! あと少し!」
「もうちょっと我慢しろ!」
「うううぅ…っ」
歯を食いしばって我慢する。
抜けそうだ。
もう少し強く引っ張るために、由良があたしのズボンに手をかけて力を入れた。
ビリィッ
「「「!?」」」
「なんだ、今の音…!?」
おそるおそる自分のズボンを触ると、破れていることがわかった。
恵は顔を真っ赤にして、由良はズボンの切れ端を握りしめたまま尻餅をついている。
あたしは怒りのあまり、力んで自力で抜け出た。
「殺す…!!」
由良はすぐに恵の部屋から飛び出し、それを追いかける。
「わざとじゃね―――!」
「穴に埋めて2度と出れねえようにしてやる!!」
石鹸だらけの体のまま、しばらく由良を追い続けた。
.