38:勝手に
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目が覚めたレンが最初に目にしたのは、くるくると静かに回るシーリングファンだ。
見覚えのある天井だった。
ぼんやりとした表情で頭だけを動かし、部屋の中を見回す。
ダブルベッド、冷蔵庫、小さなテーブルとイスがひとつずつ、カーテンとカーペットは濃い青色…。太輔達と島を訪れてから宿泊しているホテルの一室だ。
部屋に備え付けられた時計を確認すると、時刻は昼前だ。カーテンは開けっ放しだった。バルコニーに続く窓からは、昼時の明かりが入り込んでいた。
(……夢…?)
ベッドから半身を起こそうとしてバランスを崩しそうになる。身体を支える部分が欠けているからだ。
いつ誰が着せたのか、買った覚えのない、半袖とショートパンツのネイビーカラーのルームウェアを着ていた。
右腕を見ると、肘から先が空っぽだ。切断面はすでに新しい皮膚で覆われている。
冷静に、レンは「ああ…」と漏らした。
(夢じゃないな…)
未だにぼんやりする頭で、なぜ自分が今ベッドに寝かされているのか、思い出そうとする。
『あたし…、由良が好き』
(あ゛―――――――――――――――――!!!!)
突然爆発したように覚醒した。
羞恥のあまり、険しい顔に一気に血が集まって真っ赤になる。
タオルケットを左手で強く握りしめ、悶えるのを我慢していたが、
『あたし、由良が好き』
頭の中で「好き」というワードがエコーする。
(コロセェ――――――――――――――――!!!!)
耐え切れずタオルケットの中に潜りこみ、ベッドの上でゴロゴロと悶えまくった。
(なにが「好き」じゃああああああああ!! どこのオトメだああああああああ!!)
ゴロゴロと転がっているとタオルケットが体に巻き付いて芋虫のようになる。
(っていうか、なんでそこで記憶が途切れてんの!? 由良は⁉ アンジェラは⁉ あのふたりは無事……)
がばっと芋虫状態で起き上がってバルコニーの方に目を向けた瞬間、フリーズする。
過去に類を見ないほどニヤけ面の由良が、レンの様子をバルコニーの窓越しから観察していた。
レンが起きてから始終見ていたのだろう。
い゛や゛ああああああああああ、と宿泊客が地震と錯覚するほどの甲高い叫び声がホテル中に響き渡った。
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