31:一度だってない
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純と葵と勇太は海軍基地の通信施設前に到着していた。
基地の手前にある茂みから、基地の様子を窺う。
基地内の建物の窓から灯りが漏れているが、基地の周りには、軍人達の姿はない。
(奈美姉ちゃんとレン姉ちゃん、どこ行っちゃったんだよ…。レン姉ちゃんは奈美姉ちゃんを引き止めてくるって行っちゃったけど、もう基地に着いちゃった…。陽動班(オレ達)が動かないと、始まらないのに~~~)
地図を見せられながら説明されたが、別荘から基地まで車で30分くらいの距離だ。
勇太達は内心焦りながらも、奈美とレンの到着を待っていた。
だが、痺れを切らした葵は立ち上がり、自身のコブシを鳴らす。
「もぉ、あたし達だけで行っちゃおう!」
その大きな声に、慌てて勇太は「静かにしろ」と人差し指を自分の唇に当てる。
「あ、葵っ」
「だって、レーダー(丸いの)壊すだけでしょお―――。基地なんて前にも突入したし、ラクショーじゃん!? 行こってば!」
「待てって!」
勇太と葵が言い争うなか、純は深刻な顔を浮かべながら、伶の、苦痛を隠すような言葉を思い出していた。
『葵達には悟られるなよ。今回は、レーダーを潰すのも目的だが、葵達を太輔から引き離しておく必要もあるんだ。ママがやろうとしてることは、太輔の一生を奪うのと同じだ。それでもやるしか…』
次に、奈美がいきなり飛び出し、それを慌てて追いかけるレンを思い返す。
「楠奈美と…北条レンに…知られた?」
回収班と合流される前に一度戻った方がいいのではないかと考えたが、純が小声で呟いたと同時に、葵が辛抱できず走り出した。
「もぉいい! あたしは行く!」
「葵!」
勇太が声を上げた時には、葵はフェンスと有刺鉄線を飛び越え、基地内に突入していた。
程なくして、監視カメラは葵の姿を捕らえ、基地内にサイレンが響き渡る。
「バカか、あいつ!」
吐き捨てる勇太は走り出し、続いて純も勇太のあとを追いかけた。
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