30:ここまで来れたのも
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日本からはるか南の海で、空母大破の事故が起きた。
その海深くに、“アクロの心臓”…、広瀬は眠っている。
東南アジアのとある島に辿り着いたレン達は、その島にある丘から、望遠鏡で海軍基地を窺っていた。
その場にいるのは、レンを含め、太輔、勇太、奈美、葵、伶だ。
真夏の太陽の下で望遠鏡やカメラを手にしている。
観光客を装いながら、海軍基地の近くにやってきたレンと太輔は、デジカメで海軍基地の周りを撮っていた。
(その辺にいるんだなぁ…)
太輔が近くの街にいた軍人2人を撮影する。
「【!】」
「あ」
だが、撮影したとき、デジカメのシャッター音が聞こえたのか、軍人のひとりがこちらに気づいた。
レンは近づいてくる軍人2人に焦りだす。
「【ヘイへイ】」
「【ヘイへイ】」
太輔もレン同様焦りだしたが、軍人2人は“撮影好きな観光客”と思ったのか、一緒に撮影しただけで済んだ。
それからというもの。
「広ぇー!!」
街のスーパーマーケットにやって来た太輔は、その中の広さに胸を躍らせ興奮する。
「安!! でけっ!!」
格安の魚、大きな野菜など、海外でしか見られない代物ばかりだ。
日頃から主婦のように自らすすんで料理を担当する太輔にはたまらないものだろう。
太輔はコーラと大きな牛肉を持って走り出す。
「人間と比較だぁ―――!」
一緒に来ていた伶に、持ってきたコーラと牛肉を持たせた。
その重さに、「OH!」と伶は眉をひそめる。
「ヘイ、レイ兄!!」
はしゃぎながら、太輔はデジカメのシャッターを押した。
そのあと、駐車場で伶に殴られ、頭にコブをつくった太輔は「あ―――」とコブを擦って呻きながら、伶のお叱りを受けていた。
「水着、買っちゃおうかなぁ…」
雰囲気に流されるまま、手の甲で汗を拭い、目を輝かせながら奈美は呟く。
「カッケェー! これホントにレンタル!?」
レンはレンタルバイクショップで借りた黒のハーレーを駐車場で乗り回しながら、「これ欲しい」と目を輝かせた。こちらではヘルメットがなくても乗車できるのだ。
一行はこれでも、遊んでない、つもりだ。
偵察と買い出しも終え、レン達は由紀恵の別荘へと向かった。
その別荘は、すぐ側に海がある場所に建っていた。
「「「「海ぃ―――!!」」」」
海上で、青い海パンの太輔、子どもらしい花柄ピンク水着を着た葵、オレンジ海パンで浮き輪を持った勇太、水着用のデニムショートパンツと黄色ビキニの上に白のTシャツを着たレンは、クルーザーから海に飛び込んだ。
大きな水しぶきが4つ上がる。
クルーザーの上で、青と白のボーダー柄ビキニ姿の奈美は海に飛び込む前の準備運動を行っていた。
(遊んでる。絶対遊んでる…)
上半身裸でタオルを首にかけた伶が、眉をひそめながら呆れている。
レンは潜って海の底を見た。
“アクロの心臓”の鼓動は強く感じるというのに、海の底はゾッとするほど暗く、当然なにも見えない。
太輔も隣にきて、海の底を窺っている。
海上から伶の声が聞こえ、太輔は上に上がっていった。
レンはもう一度、目を凝らして海の底を見つめる。
広瀬、と呼びかけてみるが、何も返ってこなかった。
そろそろ息が続かなくなってきて、海上へ上がろうとした時だ。
「がぼっ!?」
(死体!?)
突然、顔面血まみれの太輔が目の前にゆらりと現れ、ぎょっとして全ての空気を吐き出してしまった。
慌てて口を押さえ、急いで海面から顔を出す。
「な…っ、なにがあった? 敵襲?」
原因は、海上で起こったラッキースケベだった。
勇太は、海藻のように水中を漂う瀕死の太輔を指さし、「がばば!!」と泡を吐きながら海中で笑った。
その上を、恥ずかしそうに眉を顰めた奈美が泳いでいく。
まるで緊張感のないその様子を眺めるレンは、「プフッ」と小さく噴き出した。
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