28:殺さなくてよかった
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数日後、稽古場で、はかま姿のレンは朝から奈美に稽古をつけてもらっていた。
最初の稽古の時より、一方的な攻防もなく試合時間が長引いている。
場外では太輔が観戦していた。
レンは、コブシを突き出した奈美の手首をつかみ、自分の方へ引き寄せた。
「!」
奈美が反応する前に襟首をつかみ、投げ飛ばそうと勢いをつける。
だが、奈美は畳に足をついて倒れるのを防いだ。
(惜しい!)
レンは焦らず、すぐに奈美から数歩離れる。
奈美はレンの上達ぶりに内心驚いていた。
(この数日で、教えた受け流し技を使いこなしてる…。もともと体幹もいいが、それ以上に吸収力も早い…。いや…、努力の天才というべきか…)
そう思いながら、朝昼晩、庭でトレーニングしていたレンの姿を思い出す。
「ナミもレンも頑張れー」
場外から太輔が声援を送る。
レンと奈美は同時にコブシを振った。
「そこまで!」
その掛け声に、どちらも、顔面に当たる寸前でコブシを止める。
レンと奈美は薄く笑みを浮かべ、離れて向かい合い、礼をした。
どちらも凛とした佇まいだ。
「おつかれー」
太輔が二人分の水とタオルを持って駆け寄る。
「サンキュ」
レンは先にタオルで汗を拭った。
「すごい上達ぶりで驚いた」
「そ…、そう?」
奈美に言われ、レンは照れ笑いを浮かべる。
3人で仲良く水を飲んでいると、奈美の母親が稽古場に顔を出した。
「奈美、お友達から電話よ」
伶から、召集の連絡が来たのだ。
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