26:必死なんだよ
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翌日、目覚めた太輔達を含め、メンバー全員が砂浜に集合した。
由紀恵は太輔と勇太と奈美の目の前で言い放つ。
「“心臓”は日本を離れました」
「!!」
太輔は驚いた顔をした。
防波堤に座るレンは、耳を澄ませながらその様子を眺めている。
落ち着いた態度の由紀恵は言葉を継いだ。
「行き先の見当はついているけど、洋上じゃ手は出せないわ。―――それでね、私達考えたの。いったん解散しましょう」
「じゃあ、“心臓”は? 早くしねえと……」
太輔は促すが、由紀恵はその言葉を遮るように続ける。
「諦めたわけじゃないわ。“心臓”はこれからも追い続けるし、あなた達の力も貸してほしい。でも、こうなると確実に今までの生活とは決別することになる。だから、ちゃんと決めてちょうだい。なんのために行くのか、見定めて…」
由紀恵は下から幼い3人の子どもに視線を移した。
レン達も視線を追って見つめる。
子ども達は砂浜で遊んでいた。
「……あの子達がいては、私も自由に動けない。安全な場所に移すまでの、時間をちょうだい」
納得した太輔達は、それ以上促しの言葉をかけなかった。
「それまで、ゆっくり体を休めてね」
こうして一時、レン達は解散することになった。
*****
「さよぉなら~~~!」
「バイバーイ」
トレーラーハウスに乗った手塚一家は、太輔を置いて行ってしまった。
「あれ!? オレは―――!?」
いきなりその場に置き去りにされた太輔は、ズボンのポケットの中を引っ張り出したが、先立つ物がなにもない。
「ユ、ユータぁ、おまえん家行っ……」
「ダメ!! おまえ、絶対歓迎されねーから!」
勇太は冷たくあしらうと、肩に鞄をかけて太輔に背を向けた。
小田と雨宮は、乗ってきた車で帰ろうとする。
「あ、ボクん家、男子禁制なんで!」
「フフフ。……私の家は、燃やされたわ…。フフ…」
小田の傍で、雨宮が暗い声でぶつぶつと漏らしている。
レンはヘルメットを被り、赤の大型バイクに跨った。
太輔に懇願の眼差しを向けられ、捨て犬のように見えたが、きっぱりと言い放つ。
「あたしはそもそも居候だから!」
いよいよ窮地に追い込まれた太輔は、最後の砦の奈美に必死に訴えた。
「ナ、ナミ、オレ、庭でいいからー! 野良だけは」
「!?」
(気の毒に…)
レンは太輔と奈美に同情する。
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