22:泣かせてみろよ
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横須賀基地のラボラトリーで、マクファーソンは、セキュリティの厳重な自動ドアから入り、ガラス張りの向こうで“生きている岩”を研究している博士に、雨宮のことについて相談していた。
“生きている岩”に集中している博士は、マクファーソンに振り返らず疑問を口にする。
「【キョーコ・アマミヤ、ねぇ…。それって本当なの?】」
マクファーソンは冷静な口調で答えた。
「【ああ。胸をひと突き。…手応えはあった。だが翌日には消えていた…。今も行方は不明だ。同居人の女を使い、居場所を吐かせようとしたが、頼りない5人の部下がそいつに返り討ちにあった】」
「【うふっ…】」
突然、博士は腹を抱えて笑い出す。
「【うくく…】」
それから勢いよく振り返り、ガラス張りの壁に手をついて向こうにいるマクファーソンと顔を合わせた。
「【ヘマをしたね、軍曹(サージ)!】」
博士は子供のような小柄な体で、水玉模様がついた黒いシャツの上に白衣を着ている。
「【大佐、すっごく怒ってたよ―――? キミより笑える顔で】」
不気味な笑みを浮かべ、皮肉を込めて言った。
マクファーソンは、ほっとけ、というように『【フン】』と鼻で笑う。
「【命令されてもないのに、家まで勝手に焼いちゃったんだって? そのうえ、逃げられちゃったか―――!】」
博士はゴロゴロと床に寝転がるが、突然はっとした顔で勢いよく起き上がった。
「【! もしかして、アマミヤって能力者(P.S.N.P.)!?】」
「【同居人の女の方が、その可能性はある。…拉致させようとした部下達が、「能力者(P.S.N.P.)にやられた」と言って逃げ帰ってきた】」
マクファーソンが話すと、博士は興奮したサルのように飛び跳ねる。
「【軍曹! 欲しいな、ボク! 生きてる能力者の実験体(サンプル)が! きっと、軍の役に立つよ! だからさぁ―――】」
そんな博士に、マクファーソンは呆れながら冷たく返した。
「【ホーナー博士…、あなたが取り扱っているのは、ほんの一例にすぎん。軍は軍事開発において、そこまで能力者(ヤツら)に依存はない…】」
だが、博士―――ホーナーはその言葉をはっきりと「違うね」と否定する。
「【上の人はそう思ってないもん。だからボクは、こうして準備してるんだよ】」
“生きている岩”にうっとりとした眼差しを向けながら、愛おしそうにそれに手を触れた。
「【うふっ。大仕事になるぞ】」
期待に胸を躍らせ、“生きている岩”に頬を擦り付ける。
心電図の音は、今も正常に、そして静かなリズムで鼓動を打っていた。
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