22:泣かせてみろよ
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ひと騒動のあとに小田と合流したレン達は、ノーマークとなっている小田の家に論を預け、太輔、勇太、奈美の消息をつかもうとしていた。
最初に勇太の家から当たることにしたが、勇太の現住所に電話をかけたところ、勇太は突然夜中に家を飛び出してどこかへ行ってしまったらしい。電話の相手は祖母だった。あちらも勇太と連絡が取れず、参っている様子だ。雨宮からの電話も不審そうにしていた。
奈美の家は盛岡にあるため遠すぎるが、念のために家の方に連絡を取ろうとしたが、勇太と同じく行く先も詳しく告げずどこかへ行ってしまったらしい。
残るは太輔の家だが、雨宮はそちらの家族に嫌われているため電話で連絡を取ることはせず、小田の車とレンのバイクで直接赴くことにした。
もしかしたら、勇太と奈美もそちらにいるかもしれない、と期待を抱いて。
太輔が住んでいるマンションの405号室のインターフォンを鳴らす。
「は―――い」
扉の向こうから声が聞こえてるが、雨宮は追い詰められた表情で何度もインターフォンを鳴らす。
「はい?」
扉が開けられ、露骨に不機嫌そうな顔をした女が顔を出したと同時に、雨宮はなだれ込むようにに家の中に土足で入った。
太輔の姉―――叶陽子。陽子は突然のことに驚きを隠せない。
雨宮に続き、荷物を持った小田が中に入り、レンは辺りを警戒しながら、そのまま全員を中に入らせて急いで扉を閉めた。
「ゆ…、勇太君は!? 奈美さんいる!?」
「!?」
雨宮が陽子にすがるように尋ねる。
「あんた達…、前に家に取材に来た記者ね? 今度はなに!? 残念ね、ユータもナミちゃんも弟も、いないから!」
唐突に押しかけてきた雨宮と小田に対し、陽子は容赦なく怒鳴り声を上げた。
(この人が太輔の姉貴か…)
レンは、雨宮と陽子の間に何があったかは簡単に聞いていた。太輔が広瀬が起こした事件に関わっていたのではないか、と家を訪れて取材しようとしたのだ。
レンが陽子の立場なら、変に騒ぎ立てようとする記者にいい顔はしないだろう。
自分より年上で気の強い姉という印象だ。
雨宮はその場にへたり込み、小田は鞄を下ろし、レンは壁にもたれかかりながら息を弾ませた。
「ここにもいないのか…」
小田が残念そうに言う。
レンは悔しげに宙を睨みつけた。
(……もう…、あたしだけでなんとかなる問題じゃない…)
ほとんど四面楚歌の状態だ。
雨宮は陽子を見上げ、押しかけてきた理由を説明する。
「……ぐ、軍に追われてるの、私…」
「はあ?」
「本当なの!」
雨宮は、これまでの経緯を陽子に話した。
「軍人に襲われて…、家まで焼かれて…、会社も……」
話している雨宮は酷く怯えた様子だ。
「私、怖くて…、レンちゃん…、そして奈美さんや勇太君に頼るしかなくて…。でも、もう、どうしたら……」
「……………」
陽子は半信半疑の目で、雨宮を見つめていた。
「“アクロの心臓”なんて追ったばっかりに…」
雨宮が後悔しながらうつむき、レンは雨宮の背後に近付いてその背中を擦った時だ。
インターフォンが鳴った。
「「「「!!」」」」
全員が扉に振り向き、緊張が走る。
「下がれ!」
レンは庇うように前に出て雨宮達に怒鳴り、おそるおそる扉に近付き、ドアノブに手を伸ばした。
いつでも反撃できるよう、微かに体から電気を漏電させる。
再び、インターフォンが鳴った。
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