10:“リコ”
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ビックトップ号の周りは騒々しくなってきた。
ザッギ海賊団のクルー達が襲撃してきたからだ。
ビックトップ号に乗り込もうとするので甲板にいるルビー達は阻止にかかる。
「お前ら!! 降りて足止めしてこい!」
「行けェリッチー!!」
参謀長のカバジと副船長のモージの声に、甲板から陸地へ飛び降りて迎撃にかかるリッチーとクルー達。
あちらも必死の形相で立ち向かってきた。
「海に沈めろ―――っ!!!」
「おれ達の海賊船もまもなく復活だァァ!!!」
「突撃ィィ―――っ!!!」
ザッギ海賊団のひとりが自転車に乗ってビックトップ号へと猛進する。
途中、そこへ次々とクルー達が飛び乗り、15人乗りとなった。全員武器を握りしめ、四方八方から攻防する。
「曲芸か!? ふざけた海賊団だぜ!!」と鞭を振り回すモージ。
「自転車なんて飛び道具使いやがって!!」と一輪車に乗ったカバジ。
「おじさん達がそれ言うの…?」と小声でつっこむトラン。
「どいて―――っ!!」
ルビーは軽々と大きな樽を抱え、自転車に乗ったザッギ海賊団目掛けて投げつける。
パカ―――ンッ!!
「「「「「うわああああああ」」」」」
ボーリングのような音と共に自転車に乗ったクルー達が崩れ落ちる。
ルビーは「よっしゃー」とコブシを振り上げた。
「ストライク最高~~~!!」
樽の中には海水を入れていたので重量もあり、威力も桁違いだ。
見事なストライクにバギー海賊団クルー全員が拍手を送る。
ビックトップ号はテューバ山に向けて進行中だ。
梯子はかけられないが、ザッギ海賊団のクルー達は直立させた梯子にのぼり、そのままビックトップ号の甲板に飛び移って来る。
「あっちも器用な奴らが多いね!」
「うわ!?」
ザッギ海賊団のクルーがトランに向けてナイフを振り下ろそうとしたが、背後からルビーがクルーの横っ面を蹴り飛ばして海へ叩き込んだ。
「トラン、あたしの傍から離れないで! あとこれ持って」
「うう…」
海賊同士の戦いに巻き込まれてしまったトラン。帰ろうにも身動きもできなかった。
ルビーはトランに、ボーリング玉サイズの何かを入れたナップサックを持たせて肩車したあと、カバジとモージに声をかける。
「モー兄! カバ兄! あたし、トランと先にあの山まで走ってく! せんちょもリコに連れてかれちゃったし!」
「敵もそっちから来てるぞ! 丸腰で行けるのか!?」
敵を剣で切りつけながら返すカバジの言葉に、「大丈夫!」と笑みを向けた。
「大砲借りるね!」
そう言って、力任せに砲身部分だけを取り外して脇に抱え、ビックトップ号から飛び降りると、トランを肩車したまま、大砲を振り回しながら向かってくる敵を薙ぎ払っていく。
トランは泣き叫びながらルビーにしがみつくのに必死だった。
「いってらっしゃーい!!」とモージ。
「気をつけてなー!!」とカバジ。
モージとカバジは欄干から、海沿いを走りながらどんどん距離を離していくルビーを見送る。
ルビーが大砲を振り回せば、まるで竜巻にぶつかったかのようにぶっ飛ばされたザッギ海賊団のクルー達の悲鳴が上がった。
「相変わらずあの細身のどこにあんなパワーが…」
「金棒振り回してるアルビダ姉さんもそうだが…。あいつはそれ以上だな…」
しかし、襲撃してくる敵の数も減るので大変ありがたい。
雑魚は任せろ、とカバジとモージは、味方のクルー達と共に残党狩りをする。
*****
その頃、船内も慌ただしく、騒ぎを聞きつけたバギー海賊団の数人のクルー達はアルビダの部屋の前に集まった。
「アルビダ姉さん起きてください!」
「敵襲です!!」
ドアを何度もノックする。
普段なら眠っている時間だが、緊急事態ならば金棒を食らってでも起こさなければならない。
そこへ、クルーの背後に近付く影があった。
「ぐあっ!!」
骨が折れる音と共に、一番後ろにいたクルーのひとりが倒れる。
一斉に振り返った際、船に忍び込んでいたルルアンが、近くにいたもうひとりの背中に飛びつき、首には両腕を、腰には両脚をかけてしがみついた。
「な、なんだこいつ…!!?」
「た、助け…」
「“天上頭地”!!」
バキッ、と相手の背骨が折れるまで限界まで体を反らし、クルーの体が倒れる前にルルアンは華麗に踊るように離れる。
柔軟すぎるルルアンの体にしがみつかれれば、ありえない角度で体を曲げられ、骨を折られてしまうのだ。
「く…っ!」
クルー達はナイフを構えて迎え撃とうとするが、ルルアンは笑みを絶やさず、するりするりと流れる動きで避け、自慢の体術で落とす。
「アチャー、これで終わり? 大したことない海賊団ね。ガーリィーも何を怯えていたんだか…。根こそぎ奪うにはちょうどよすぎ」
余裕の笑みを浮かべながら呟くルルアンの目は、クルー達がノックしていたドアを捉えていた。
*****
一方、甲板にいるモージは、そういえば、と気になった。
「これだけの騒ぎなのに、アルビダ姉さんどころか他の奴らも船の中から出てきてねェぞ」
「おいおい、バギー船長もいねェってのに、まさかサボってんじゃねェだろうな…!?」
頃合いを見て叩き出してくるか、と思った時だ。
ザッパ―――ン!!
「チャ―――ンスッッ!!! あの女がいないなら雑魚ばっかだペン―――ッ!!!」
ペンギンの着ぐるみを着た―――ガーリィーが海面から飛び出し、甲板に着地した。
瞬間、つい先日のセイウチの恐怖を思い出すモージとカバジ。
「ルビーちゃ~~~んッッ!!!!」
「今すぐ戻ってきてくれェェ~~~~ッッ!!!!」
目に涙を浮かべながら大声でカムバックを呼びかけたが、ルビーはもう声の届かない所まで走り抜けていた。
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