09:大根役者
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最初に気付いたのはルビーだった。
朝日が水平線から顔を出す前、今ではすっかりビックトップ号の見張り台が寝床となっていたルビーは、「ピュロロ」とリコの鳴き声を聞いて目を覚まし、身を起こして海の向こうを見る。
「…! 島…!」
ルビーは「島だよー!!」と真下にいるクルー達に声をかけた。
声を聞いて船内からも次々とクルー達が甲板へと出てくる。
ほとんどが眠そうな顔でその恰好は寝間着だ。
バギーもあくびをしながら「やっとか」と言って船長室の窓から島を眺めていた。
ビックトップ号は次の島、モニカ島へと真っすぐに向かう。
先導して泳ぐのは、リコだ。
急かすように海面を何度もジャンプする。
「ピュロロッ」
*****
バギー海賊団は島に上陸するため、リコに案内されて島の西側にあるトロンボ岬に移動し、そこへビックトップ号を隠すように停泊した。
日は昇り、辺りの景色がよく見える。
「モニカ島か……」
地に足をつけたバギーが辺りを見回しながら呟き、ルビーは「せんちょが知ってるとこ?」と声をかけた。
「楽器作りで盛んな島だ。腕の良い職人も多くてな。名の知れた音楽家や、商人、音楽が好きな観光客が集まる町がある」
「バギー船長! そんなところなら宴用の楽器も新調しましょー!」
「宴のしすぎですっかりボロボロです!!」
クルー達は自前の楽器を掲げて見せつける。
アコーディオン、太鼓、ラッパ、マラカスなどが傷だらけだ。
ルビーは「納得…」とこぼす。
「よォし!! お前らーっ!! ハデに物資の買い出しだァー!!!」
船番をビックトップ号に残し、バギー達は買い出しに出かける。
それを見届け、リコは海面を一度飛んで深く潜り、ビックトップ号から離れた。
ブゥゥ―――ン…
あの音が聞こえる。
「! この音…」
気付いたルビーは顔を上げ、北の方へ顔を向けた。
ビックトップ号のマストから見えたモニカ島の北側には、大きな岩山があったことを思い出す。
音はモニカ島に近付くにつれて大きくなっていた。
時折聞こえていた溜め息のように響き渡る音は、単なる海鳴りではなかったのだ。
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