07:もう一度、宴を
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ルビーからもらったブドウを食べながら、リッチーはここに来るまでの経緯を2人に話した、と言っても、喋れることができないので「ガウガウ」と鳴きながらジェスチャーで伝えた。
「うんうん」
ルビーは相槌を打ちながらリッチーの伝えたいことを翻訳していく。
「つまり―――…」
パッローネ海賊団の人質となっているビックトップ号とバギー海賊団。
その中で、クルー達と同じくガムにくっついて身動きがとれなくなっていたリッチーは、モージとカバジの手によって逃げることに成功したという。
パッローネの特製ガムは刃物で断ち切ることは不可能だ。
そこでモージとカバジが考えたのは、リッチーにとっては悲惨な作戦だった。
「ガウ…ッ」
リッチーはブドウを咀嚼して泣きながら自身の胴体を指さした。いくつか大きなハゲができている。
よく見れば、たてがみも不自然に切られていた。
「ガムじゃなくて、それが引っ付いてる毛を切って脱出してきたわけね…」
「確かにリッチーにしかできねーな。あいつらも考えたもんだぜ」
バギーは感心するが、リッチーとしては了承してもないのに行動を起こされてたまったものではない。
「ガウゥ~」
「だ、大丈夫だって。毛ならまた伸びてくるから。よーしよしよし。たてがみはライオンの命なのにねぇ…」
泣きながら落ち込むリッチーを撫でまわして慰めるルビー。
リッチーが落ち着いたのを見計らってから「それで」と本題に入った。
「リッチー、みんなの場所、わかる?」
戻りたくなさそうなリッチーだったが、知ってる、と渋々答える。
対して、バギーも行きたくないのか「えー」と漏らした。
「ここで一休みしてからでよくねーか?」
外は真っ暗だ。
足下が確認できないので日中より危険が増している。
「夜が明けない方が最高に都合がいいよ。向こうだって、夜のうちは罠だらけの島に上陸したくないだろうし」
あっさり答えるルビーに、バギーとリッチーはきょとんとした顔をした。
「ハデに言っとくが、水回りは2度と歩かねえからな!」
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