05:名前で呼んで!
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「ドブハァ!!!」
頃合いを見て、バギーとルビーは海面から顔を出した。
息継ぎも許されなかったバギーは海上の空気をめいいっぱい吸い込む。
「ハァッ、この…、ハァッ、ハデに、殺す気か…!!」
「殺されるとこだったから出られなかったの。なんか…泳ぎにくいし…、船持ってかれてるし…」
船はもう米粒に見える程、遠く離れてしまった。
しかし、パッローネの声は聞こえていた。
人質ならば仲間達が殺されることはないだろう。
「……あたしが悪いよね…。海図なんか盗まなけりゃ…」
芽生えた後悔に自然と声も暗くなるが、バギーは一蹴する。
「ハデアホが!! 宝の可能性があるもんは奪ってなんぼだ!! それが海賊ってもんだろーが!!」
「バギー…」
「それにおれ様は今、はらわた煮えくり返っててめーの後悔なんざ知ったこっちゃねェ…!! これだけハデにナメられて黙ってるほどおれァお人好しでもねェんだ!! あのクソガムヤロウに一泡ふかせてやらにゃ気が済まん!!!」
バギーは復讐の炎に燃えていた。
ここが海でなければ怒りのあまり体をバラバラにさせているだろう。
「早速乗り込む?」
「当然だ!!!」
「りょーかい、せんちょ」
すっかりやる気のバギーに笑みを浮かべ、ルビーはバギーとともにウーヴァ島へと向かい始める。
その際、胸元のペンダントが光に反射してきらりと光った。
そして、日も暮れて来た頃、ウーヴァ島が見えてきた。
無人島らしく、ほとんどが森で覆われ、ドランクリゾートのあるヴィネ島より一回り小さく見えた。
船も人影も見当たらないが、記憶した海図通りなら、ここで間違いはないはずだ。
様子を窺いながら、バギーとルビーは海岸から島に上陸する。
浅瀬になったところでルビーは人間の脚に戻した。
「せんちょ、なんか近くない?」
「ああ? 引っ付いてるのはおめェの方だろ」
「……引っ付いて…?」
「んあ?」
陸に上がった2人は、ようやく異変に気付いた。
「「はっっ!!!??」」
2人の体は、海面に飛び降りる際に付着したパッローネのガムで、体の側面、肩と腰がくっついていた。
しかも泳ぐために肩同士組み合っていたので、背中に引っ付いたガムで片腕の自由も奪われる。
傍から見れば、互いに身を寄せて肩を組み合っているようだ。
「「……………」」
バギーとルビーは首だけ動かせるため、互いに振り向く。
鼻同士がぶつかった。
「ハデに…」
「最悪…」
.To be continued