02:みたいなもの?
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ロープで胴体と手首手足を縛られ、カラの酒だるの中に入れられていたルビーだったが、リヴァース・マウンテンを登り下りしている間にゴロゴロと転がり、“グランドライン”に突入した頃には船が揺れた拍子に酒だるから投げ出され、船首横の欄干に放り出されてしまった。
いつまでたっても解放してくれる気配もなかったのでとうとう痺れを切らした。
「これ解いてよー、バギー」
馴れ馴れしい口調に、バギーの怒りがぶり返す。
「黙れハデ無礼モンがァ!!! 貴様、初対面から早々言い放った言葉思い出してみろ!!!」
「…え~と?」
悪気なく言い放った言葉だけに、すぐには思い出せなかったが、視線を空に上げて記憶を辿る。
うまく船に乗り込んでバギーに見つかった後だ。
会えたことにはしゃいでしまい、バギーにとっての禁句を思わず口にしてしまったのだ。
『やっぱバギーだ!!! 間違いない!!! その最っっ高に赤い鼻っっ!!!』
瞬間、その場の空気が凍りついたのは言うまでもない。
思い返したバギーも怒りに体をぷるぷると震わせている。
クルー達は巻き添えを食らわないように遠巻きに見ていた。
思い出したルビーは「あ―――」と声を伸ばす。
「まだ気にしてんの? 相変わらずだね…」
「2度殺されてぇかこのアマコラァ!! なれなれしくしやがって、知るかてめーなんざ!! てめーみてェな無礼なアマ覚えてたら吹き飛ばしとるわ!!」
指をさして断言するバギー。
忘れる方がおかしい、と思ったのはクルー達も同じだ。
「本気で覚えてないのね…」
ブツブツと呟きながらも、頭に血がのぼっているバギーを落ち着かせようと、ルビーは優しい声をかける。
「とりあえず、一度落ち着いて。カッカしないで…。あたしの顔をよく見てよ。思い出せるものも思い出せなく…」
「誰の鼻が真っカッカだァ!!!?」
「言ってないよっ!!?」
余計に面倒になった。
鼻息を荒くするバギーに、ルビーはため息をつくのを我慢する。
そこへモージとカバジが近づき、ルビーを見下ろした。
「貴様の目的はなんだ? 船長の財宝か? 首か?」
「乗り込んでくるとはいい度胸しているな。適当なウソじゃ、おれ達の船長は丸め込められはしないぞ」
カバジに続き、モージも言った。
「…で、ここまで連れて来て、そいつをどうするつもりだい?」
アルビダが質問すると、バギーはニヤリと笑った。
「当然、おれ様に向かってあんな発言しやがったんだ。簡単に死ねると思うなよ? だが、その度胸に敬意を表し、偉大なる海で藻屑にしてやる!!!」
「え」
嫌な予感を覚えたルビーの目が点になる。
用意されたのは、大砲だ。
照準はルビーに向けられている。
「“特製バギー玉”準~~~備!!!」
バギー一味のドクロマークが描かれた砲弾が大砲にセットされた。
「バギー玉セット完了しました!!」
さすがにルビーも焦る。
「ちょ!! ちょっと待って!! 本気で撃つ気!!?」
「ったりめェだ!!! このおれをコケにしやがって!!」
「うわ、本気だ」
「ハデに食らいやがれ!!!」
大砲の導火線にマッチの火が点火される。
まずい、とルビーは舌を打った。
「バギー!! 話を…」
ドン!!
声を張り上げるが、遮るように目の前の大砲から砲弾が発射される。
「わっ!!!」
バギー玉がすぐそこまで迫り、ルビーは体を後ろに反らし、紙一重で避けた。
目標を失ったバギー玉は船首を越え、
ドガン!!!
「「「「「!!!??」」」」」
通りすがりの途中で海面から顔を出した、一匹の中型海王類の横っ面に命中した。
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