02:みたいなもの?
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海王類の巣である“凪の帯(カームベルト)”に逸れてしまわないように気を付けながら、バギー一味を乗せたビッグトップ号は順調に嵐の中を突き進んでいた。
間もなくして、“グランドライン”へと続くため、“赤い土の大陸(レッドライン)”に差し掛かる。
そこにある“グランドライン”の入口である山―――リヴァース・マウンテンの運河も見えてきた。
海流に乗り、うまく舵を取らなければ、“レッドライン”の壁にぶつかって船が大破してしまう。
その証拠に、壁の周りには、変わり果てた船の残骸がある。
震え上がる暇もなく、クルー達の動きは忙しい。
「ハデにしっかり舵を取れ!!!」
「はい!! 船長!!」
吸い込まれるように海流の速度が上がる。
少しでも入口からずれれば死。
緊迫と焦燥の入り混じる空気の中、ビッグトップ号は、運よく入口へと入ることに成功した。
船体も無傷だ。
どんどん登っていくビッグトップ号で、クルー達が歓声を上げた。
「やったぞ!!」
「無事に入った!!!」
「おれ、ちびりかけちまった…!!」
「すげぇ!! 船が山を登ってる!!!」
「うお―――っ!!!」
嵐も越え、山を下っていけば新たな海が目前に広がっていた。
“グランドライン”突入だ。
「ぎゃはははは!!! ついてる!! ハデにつきまくってるぜ!! 今日のおれァ!!!」
船首の近くで高笑いを上げるのはバギーだ。
やがて、リヴァース・マウンテンのふもとにある、運河を挟む2つの灯台―――“双子岬”も見えてきた。
バギーは懐かしげに目を細める。
「懐かしいぜ。“双子岬”」
そこで灯台守をしている男が、かつてバギーが見習いをしていた船の船医だったのだ。
今も灯台守をしているのかと視線で姿を確認しようとするが、影すら見当たらない。
「…もう別れて随分だからな…」
一言挨拶ぐらい交わしておきたかったのだが。
気を取り直し、“グランドライン”の海に突入したことでバギーはクルー達に喝を入れる。
「てめーらァ!! おれ達はもう“グランドライン”に入ってんだ!!! 気合入れて航海すんぞ!!!」
「「「「「おお――――っ!!!」」」」」
掛け声とともに腕を掲げる。
「先に船体のチェックだ。少しでも傷があればすぐに修復し…」
「あのさー」
しばらく放置されていたルビーが声をかける。
バギーを含め、全員の視線がそちらに集まった。
「なーんであたし、ずっと縛られたままなわけ?」
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