01:やっと会えた
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不幸中の幸いだ。
落雷をまともに受けたが、バギーは生きていた。
天候が荒れる中、執拗に麦わらの男を追おうとするが、海軍に一時的に捕縛されてしまう。
だが、思わぬ突風でバギーや海兵たちが吹き飛ばされ、バギー海賊団は辛くも自分達の海賊船―――ビッグトップ号に戻ってきた。
少し遅れて副船長のモージと、ペットのライオンのリッチーが船で合流し、嵐の中、他の船を押しのけるようにビッグトップ号を出港させる。
何度目の幸いか、海軍の追手はない。
「まったくハデに幸運な突風が吹いたもんだ。こうして逃げ出せたのも、日頃の行いのせいだな」
甲板で雨に打たれながら、バギーは目の前の海を見据える。
「これからどこへ?」
麦わらの男を追うというバギーと共通の目的で数日前からビックトップ号に同乗している女海賊のアルビダが尋ねた。
「“偉大なる航路(グランドライン)”だ」
「グ…、グランドラインへ!!?」
クルー達はその名を聞いてぎょっとする。
世界を一周する航路で、海賊王が遺した秘宝“ワンピース”がその最果てにあると噂されている、最も危険な航路だ。
「海賊の墓場」とまで言われているため、恐れる者も少なくない。
それでもバギーは本気で向かうつもりなのか、躊躇を一切見せず、ニヤリと笑みを浮かべたままだ。
「ああ。いい機会だ。クソゴムとの決着もある。このまま入っちまおう。なつかしき、“グランドライン”!!!」
航路は決まった。
このまま真っ直ぐ進めばいい。
いずれ再び海のどこかで、麦わらの男と会うことになるだろう。
「さすが船長だ! あのグランドラインに物怖じしねェ…」
「ついに行くのか、グランドライン…」
「わくわくしてきたなぁ。海賊船で旅なんてしたことなかったし。最高にいいタイミングで入れたよ、ほんと」
「そうかそうか、よかったな」
「おれも長く海賊やってるけど今すげードキドキして…」
「ちょっと待て!!」
クルー同士の会話を聞いてバギーが待ったをかけた。
明らかに部外者がひとり紛れ込んでいる。
すぐに見つけることができた。
クルー達の前列に当たり前のように加わっている旅の女が。
「てめェ誰だァ!!?」
「「「「「!!!!??」」」」」
そして、その場にいた全員が女を凝視する。
「ん?」
旅の女は首を傾げた。
実は、バギー達が海兵から逃げている際に騒ぎのどさくさに紛れて一緒に船に乗り込んだのだ。
だからと言ってこそこそついていく気はなかったのか、バギー達に見つかっても平然とした態度でいる。
「勝手に人の船に乗り込みやがって!!」
「わっ」
バギーは切り離した両手を飛ばし、旅の女の胸倉をつかんで引き寄せ、距離を詰めた。
旅の女は驚きながらも真っ直ぐにバギーを見据えている。
それからぱっと明るく笑った。
「やっと会えた!! バギー!!」
旅を始めた時から、旅の女の捜していた人物は、バギーだったのだ。
「あたし、セイル・G・ルビー! 覚えてる?」
.To be continued