07.開幕を告げる前夜
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act.07-①:花組と天使-sideヒロイン
葉が目を覚ます前に「炎」に戻り、家中の戸締まりと予め用意していた荷物を手に玄関の鍵をかけた。此処に来た時より僅かに減った、季節を考えてわざと減らした道具たちも一緒に。
今回雪山登山する予定が無いので、必要最低限あれば良し。もうすぐ蝉が鳴き始める。そんな中、毛布とかごっつい寝袋とかは不要。代わりに増えた虫対策グッズ。実はこう見えて蚊には良く懐かれる。嫌なモテ期到来である。
『あら?』
わざと人気の少ない道を進んで、郊外へ。
途中立ち寄った川原で珍しい人たちに出会した。
愚弟曰く臣下の、女子だけで構成された花組である。
「…悪いけど、アンタには金輪際
ハオ様の元へ行かせない!」
「ハオ様の命令で殺しは出来ないんだけどー、
逆に言えば殺さなきゃ何でもアリって事でしょ?」
「…マリ、あんたの事キライ」
何だっけ、こういうの、目があったら即勝負!
Pがつくゲームで体験した事ある展開だなぁ。
…というか、わざわざ待っててくれたのか。
それは申し訳ない事をしたなぁ。
でもどうするかなぁ~…
まだお披露目するには些か早いような気がするんですが、如何せんそうも言ってられないか。
相手の殺る気も気合いも充分。此処で逃げ回っても、お互いの為にはならないだろう。
『まぁ、どうせSFには出ないし…いっか』
そう結論付けてからの行動は速かった。
『(OS and FG)』
バチッと、何処からともなく火の粉が舞った。
静電気のような青い閃光が、多分オーバーソウルで構えているのだろう花組の懐に飛び込む。
「…………………ぇ?」
そう呟いたのは果たして誰の声か。
その声があたしの耳に届く頃、彼女たちの身体は地面に伏して動かなくなっていた。
『いやぁ、ごめんねぇ』
申し訳ない、なんて思ってもない癖に口だけ謝る振りをして彼女たちに近付くが反応がない。どうやらオーバーソウルを破られた事で、ショックで気絶したらしい。
『…シャーマンって、脆いんだなぁ』
さっきのは見えなかったのだろうか?
避ける事も出来たんじゃないか?
寧ろFGは巨大過ぎて狙い放題だ。
それに特段速くしたつもりはなかった。
いつものペースで、いつものスピードで、
いつもやってる事を、いつものように。
そう言えば誰かが言ってたっけ?
あたしたち"こっち"とシャーマンでは、
生き方も目的も何もかもが異なるという事を。
今此処で彼女たちを拘束してもいい。でもあたしの中には、そんな物騒な考えは更々ない。何にしても、このまま此処に放置は流石に可哀相だ。
「その者たちを此方へ渡して貰おう」
X‐LAWSが現れた。しかも無駄に高い場所から。逆光で顔が見えない。あと全員じゃないけど、3人?
残念ながら名前は全員把握してない。
『嫌だし、無理』
「…なんだと?」
『捕まえるつもりなら、あたしごとどうぞ』
出来るものならねぇ。
まるで他人事みたいに、けらけら笑う。
単に強がっている訳じゃない。
相手が手を出せない、と確信しているから。
「…貴様は確か、奴の身内だったな」
『そう、今はいとこの姉ちゃんだよ』
「フン、ならば何も迷う必要などないか…」
常に手入れされてるのだろう銀色が眩しい。
向けられた銃口を見て、あたしが毎度思うのは、
飽きないなぁ、という事。
これはこの前愚弟に言われた事なのだが、
あたしは霊障が一切効かないので、
最初から巫力無効化なるものが出来ているらしい。
つまり、天使も効かないのだ。
「アークエンジェル、ファイヤー!」
『だから、無理なんだってば…』
呆れ半分、感心半分。向かってくるその姿が、あたしの目には毎回天使ではなく、ドライバー不在の暴走車に見えるんだけども。それでも轢かれては堪らないので、未だ展開中のFGで反撃しようじゃないか。まぁ、今回のSF参加者相手にコレを使うのは、初めてだけどな。
『(P-DRします)』
暴走車が捉えた、フロントガラス越しに見えた自分の顔。そして、ナンバープレートが目と鼻の先に迫った…瞬間、その直後。
「………………っ!」
先に倒れたのは(当たり前だけど)天使の持ち主である彼らの方だった。多分何が起きたか分からないままの気絶、だったんじゃないかな?
『目には目を、歯には歯を。
天使には天使を、でしょ?』
要約すると、彼らは自分たちの放った天使たちにやられただけだ。あたしはただ、空間を反転させてやったに過ぎない。しかもちょっとだけFGの能力を付加したものだから、今の彼らより強いやつを。
『いやぁ、今日もモテモテで困るわぁ』
…なーんて、今わざと声に出したのは、物陰から一部始終を見ていたであろう人物に見せつける為。
『ねぇ、花組運ぶの手伝ってよ』
現れたのは青い顔をしたまま立ち尽くすトンガリ帽子と、主人(愚弟)の元から離れて彼にくっついて来た巫力節約型のスッピー。
『はいスッピー、花組持って!
ラキストは…………って、おーい生きてるー?』
余りにも声を発しないものだから、立ったまま死んだのかと。何が見えたのか敢えて聞かないけど、取り敢えず現状だと歩く事も出来なさそうなので。
『スッピー、ラキストもお願い』
シャーマン相手二FG(ソレ)ハ……
『いいじゃん別に、減るもんじゃなし…
それにほら、ちゃーんと約束守ってるべ?』
…………
あらスッピーが、とーっても不満顔だけど
なーんにも間違った事はしてないわ、ア・タ・シ。
ま、半分以上が屁理屈なんだけどね。
それでも今は、勝てばいいのよ、勝てば。
葉が目を覚ます前に「炎」に戻り、家中の戸締まりと予め用意していた荷物を手に玄関の鍵をかけた。此処に来た時より僅かに減った、季節を考えてわざと減らした道具たちも一緒に。
今回雪山登山する予定が無いので、必要最低限あれば良し。もうすぐ蝉が鳴き始める。そんな中、毛布とかごっつい寝袋とかは不要。代わりに増えた虫対策グッズ。実はこう見えて蚊には良く懐かれる。嫌なモテ期到来である。
『あら?』
わざと人気の少ない道を進んで、郊外へ。
途中立ち寄った川原で珍しい人たちに出会した。
愚弟曰く臣下の、女子だけで構成された花組である。
「…悪いけど、アンタには金輪際
ハオ様の元へ行かせない!」
「ハオ様の命令で殺しは出来ないんだけどー、
逆に言えば殺さなきゃ何でもアリって事でしょ?」
「…マリ、あんたの事キライ」
何だっけ、こういうの、目があったら即勝負!
Pがつくゲームで体験した事ある展開だなぁ。
…というか、わざわざ待っててくれたのか。
それは申し訳ない事をしたなぁ。
でもどうするかなぁ~…
まだお披露目するには些か早いような気がするんですが、如何せんそうも言ってられないか。
相手の殺る気も気合いも充分。此処で逃げ回っても、お互いの為にはならないだろう。
『まぁ、どうせSFには出ないし…いっか』
そう結論付けてからの行動は速かった。
『(OS and FG)』
バチッと、何処からともなく火の粉が舞った。
静電気のような青い閃光が、多分オーバーソウルで構えているのだろう花組の懐に飛び込む。
「…………………ぇ?」
そう呟いたのは果たして誰の声か。
その声があたしの耳に届く頃、彼女たちの身体は地面に伏して動かなくなっていた。
『いやぁ、ごめんねぇ』
申し訳ない、なんて思ってもない癖に口だけ謝る振りをして彼女たちに近付くが反応がない。どうやらオーバーソウルを破られた事で、ショックで気絶したらしい。
『…シャーマンって、脆いんだなぁ』
さっきのは見えなかったのだろうか?
避ける事も出来たんじゃないか?
寧ろFGは巨大過ぎて狙い放題だ。
それに特段速くしたつもりはなかった。
いつものペースで、いつものスピードで、
いつもやってる事を、いつものように。
そう言えば誰かが言ってたっけ?
あたしたち"こっち"とシャーマンでは、
生き方も目的も何もかもが異なるという事を。
今此処で彼女たちを拘束してもいい。でもあたしの中には、そんな物騒な考えは更々ない。何にしても、このまま此処に放置は流石に可哀相だ。
「その者たちを此方へ渡して貰おう」
X‐LAWSが現れた。しかも無駄に高い場所から。逆光で顔が見えない。あと全員じゃないけど、3人?
残念ながら名前は全員把握してない。
『嫌だし、無理』
「…なんだと?」
『捕まえるつもりなら、あたしごとどうぞ』
出来るものならねぇ。
まるで他人事みたいに、けらけら笑う。
単に強がっている訳じゃない。
相手が手を出せない、と確信しているから。
「…貴様は確か、奴の身内だったな」
『そう、今はいとこの姉ちゃんだよ』
「フン、ならば何も迷う必要などないか…」
常に手入れされてるのだろう銀色が眩しい。
向けられた銃口を見て、あたしが毎度思うのは、
飽きないなぁ、という事。
これはこの前愚弟に言われた事なのだが、
あたしは霊障が一切効かないので、
最初から巫力無効化なるものが出来ているらしい。
つまり、天使も効かないのだ。
「アークエンジェル、ファイヤー!」
『だから、無理なんだってば…』
呆れ半分、感心半分。向かってくるその姿が、あたしの目には毎回天使ではなく、ドライバー不在の暴走車に見えるんだけども。それでも轢かれては堪らないので、未だ展開中のFGで反撃しようじゃないか。まぁ、今回のSF参加者相手にコレを使うのは、初めてだけどな。
『(P-DRします)』
暴走車が捉えた、フロントガラス越しに見えた自分の顔。そして、ナンバープレートが目と鼻の先に迫った…瞬間、その直後。
「………………っ!」
先に倒れたのは(当たり前だけど)天使の持ち主である彼らの方だった。多分何が起きたか分からないままの気絶、だったんじゃないかな?
『目には目を、歯には歯を。
天使には天使を、でしょ?』
要約すると、彼らは自分たちの放った天使たちにやられただけだ。あたしはただ、空間を反転させてやったに過ぎない。しかもちょっとだけFGの能力を付加したものだから、今の彼らより強いやつを。
『いやぁ、今日もモテモテで困るわぁ』
…なーんて、今わざと声に出したのは、物陰から一部始終を見ていたであろう人物に見せつける為。
『ねぇ、花組運ぶの手伝ってよ』
現れたのは青い顔をしたまま立ち尽くすトンガリ帽子と、主人(愚弟)の元から離れて彼にくっついて来た巫力節約型のスッピー。
『はいスッピー、花組持って!
ラキストは…………って、おーい生きてるー?』
余りにも声を発しないものだから、立ったまま死んだのかと。何が見えたのか敢えて聞かないけど、取り敢えず現状だと歩く事も出来なさそうなので。
『スッピー、ラキストもお願い』
シャーマン相手二FG(ソレ)ハ……
『いいじゃん別に、減るもんじゃなし…
それにほら、ちゃーんと約束守ってるべ?』
…………
あらスッピーが、とーっても不満顔だけど
なーんにも間違った事はしてないわ、ア・タ・シ。
ま、半分以上が屁理屈なんだけどね。
それでも今は、勝てばいいのよ、勝てば。
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