03.ただいま!
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act.03-②:彼女との関係-sideハオ
『ラキスト死んだ?』
「…ぃ、いき、生きて…おりま…」
「辛うじてね」
シャーマンであり、S・O・Fの暑さに慣れているラキストでさえ、これだ。世間一般で言う所の熱中症。浅い呼吸を繰り返して今もぐったりしている。
「…―で、君はスピリット・オブ・ファイアの言葉が分かるんだね?」
『ノーコメントで〜』
「ハル」
断固として言わないとばかりに、口を閉じた彼女の態度に少しイラッとしたけど、千年生きてる僕にしてみればハルはまだ若いし、頭の方も幼いので此処は我慢しておく。
『なーんかバカにされた気がする………うん、そうなんだよ!皆酷いよね!?』
「ハル」
『独り言でーす!』
あくまでも「黙秘」を貫くらしい。S・O・Fの気配を傍らで感じる手前、その可能性しか考えられないんだけど。問題は一体どんな話をしているのか、要は内容による。僕らには見えないが、ハルには見えたという彼女曰わくの「ハゲ」についても疑問が尽きない。
「せめて、さっきの…ハゲが誰を指しているのかくらいは教えて欲しいね」
『あ~…多数決で語らない事にしてる』
「…スピリット・オブ・ファイアとかい?」
『・・・・・』
「ふふっ、だんまりか」
是非か否か断言は出来ないが、それを仮に説とするのなら曖昧だが辻褄が合う。 取り敢えず、1つ。彼女の持つ奇妙な言動を把握した、という事にしておこうか。余りにしつこいとハルは拗ねるし、終いにS・O・Fを取られても面倒だ。 最悪、王になれば彼女の想いや行動も全て筒抜けとなる。何せ全知全能の神だからね。
『………』
「どうしたんだい?」
『・・・いや、こっちの話』
嗚呼、今のは読めないのか。まあ、取るに足らない話だろうから放っておく事も出来るけど
「僕の目の届く範囲で、余り揉め事は起こさないようにね」
『揉めたつもりは無いけど』
「揚げ足を取らない」
S・O・Fを一瞬でも使役出来たその精神力に釉薬を垂らしてやったら、きっと綺麗な色の魂を持った器が出来上がるだろう。未だ時間はたっぷり有るし、気長に待つ事にした。熟した果実ほど、甘さを増すというだろう? まぁ、熟し過ぎても困るけどね。
―――――
晩御飯、晩御飯と騒ぎ始めたハルを、一応年若い娘だからと麓まで送ってやる。好き好んで町中まで足を踏み入れる事は無いが、ちらほらとシャーマンの気配を感じた。
「ちっちぇえな」
『比べる対象が、違うって』
「うん?」
『スッピーが』
「…スピリット・オブ・ファイアが?」
彼女が見上げる高さには星空が広がる。満天と言うには程遠いが、町中にしてはそれなりの美しさだ。
「何故今、言う気になった?」
『今のは問題無い内容だったか・・・あぁ、ごめん』
口は災いの元とは良く言ったものだね。今の言葉だと「話せない内容もしくは問題が有る内容もある」と自ら公言しているようなものだ。 そして「スッピー」と、変な愛称を付けられた「S・O・Fと会話が出来る」という答えすら解決させてくれたハルの墓穴っぷりには頭が上がらない。
「くくっ…!」
『・・・それは、否めない』
顰めっ面で何かぼやく。やっぱり彼女は面白い。
『ラキスト死んだ?』
「…ぃ、いき、生きて…おりま…」
「辛うじてね」
シャーマンであり、S・O・Fの暑さに慣れているラキストでさえ、これだ。世間一般で言う所の熱中症。浅い呼吸を繰り返して今もぐったりしている。
「…―で、君はスピリット・オブ・ファイアの言葉が分かるんだね?」
『ノーコメントで〜』
「ハル」
断固として言わないとばかりに、口を閉じた彼女の態度に少しイラッとしたけど、千年生きてる僕にしてみればハルはまだ若いし、頭の方も幼いので此処は我慢しておく。
『なーんかバカにされた気がする………うん、そうなんだよ!皆酷いよね!?』
「ハル」
『独り言でーす!』
あくまでも「黙秘」を貫くらしい。S・O・Fの気配を傍らで感じる手前、その可能性しか考えられないんだけど。問題は一体どんな話をしているのか、要は内容による。僕らには見えないが、ハルには見えたという彼女曰わくの「ハゲ」についても疑問が尽きない。
「せめて、さっきの…ハゲが誰を指しているのかくらいは教えて欲しいね」
『あ~…多数決で語らない事にしてる』
「…スピリット・オブ・ファイアとかい?」
『・・・・・』
「ふふっ、だんまりか」
是非か否か断言は出来ないが、それを仮に説とするのなら曖昧だが辻褄が合う。 取り敢えず、1つ。彼女の持つ奇妙な言動を把握した、という事にしておこうか。余りにしつこいとハルは拗ねるし、終いにS・O・Fを取られても面倒だ。 最悪、王になれば彼女の想いや行動も全て筒抜けとなる。何せ全知全能の神だからね。
『………』
「どうしたんだい?」
『・・・いや、こっちの話』
嗚呼、今のは読めないのか。まあ、取るに足らない話だろうから放っておく事も出来るけど
「僕の目の届く範囲で、余り揉め事は起こさないようにね」
『揉めたつもりは無いけど』
「揚げ足を取らない」
S・O・Fを一瞬でも使役出来たその精神力に釉薬を垂らしてやったら、きっと綺麗な色の魂を持った器が出来上がるだろう。未だ時間はたっぷり有るし、気長に待つ事にした。熟した果実ほど、甘さを増すというだろう? まぁ、熟し過ぎても困るけどね。
―――――
晩御飯、晩御飯と騒ぎ始めたハルを、一応年若い娘だからと麓まで送ってやる。好き好んで町中まで足を踏み入れる事は無いが、ちらほらとシャーマンの気配を感じた。
「ちっちぇえな」
『比べる対象が、違うって』
「うん?」
『スッピーが』
「…スピリット・オブ・ファイアが?」
彼女が見上げる高さには星空が広がる。満天と言うには程遠いが、町中にしてはそれなりの美しさだ。
「何故今、言う気になった?」
『今のは問題無い内容だったか・・・あぁ、ごめん』
口は災いの元とは良く言ったものだね。今の言葉だと「話せない内容もしくは問題が有る内容もある」と自ら公言しているようなものだ。 そして「スッピー」と、変な愛称を付けられた「S・O・Fと会話が出来る」という答えすら解決させてくれたハルの墓穴っぷりには頭が上がらない。
「くくっ…!」
『・・・それは、否めない』
顰めっ面で何かぼやく。やっぱり彼女は面白い。