03.ただいま!
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act.03-①:昔馴染み-sideヒロイン
豆腐オッケー、ひき肉も味噌も何故かうちに有った。帰って冷蔵庫にも入れたし、今から作り出せば、めっちゃ優雅に余裕で晩御飯の用意が…
迎エニ来タ…
『来んでよろしい!』
ラキストに急かされて渋々玄関を開ければこれだ。ほら、またラキストが変顔してる…って
『今は見えないの?』
ニンゲンデ言ウ幽体離脱
『いや、それめっちゃ見えるやつ』
肉体なんて精霊には関係無いだろうに、ほんっとコイツは変なところで器用すぎる。昔はもっと不器用だったじゃないか。
アレカラ何百経ッタト …
『そーでした、時代も変わったもんねぇ』
「あの…ハル様…」
『なんざんしょ?』
「その、誰かとお話をされて…?」
『嗚呼、うん。普段見える癖に、持ち場を離れると1人遊びを始める旧友とちょっと』
漫画だったら、おずおずという効果音が見えそうな言動で自分の様子を伺うラキストに何か笑える。どうやら彼―シャーマンには見えて居ないようで、これじゃあ何時もと逆じゃないかと内心ツッコミを入れた。
―――――
「ご苦労だったな」
「はい…いえ、それが…」
此処が愚弟の、今のアジトらしい。
確かに山奥の辺鄙な場所に在ったけど。
『これ、大丈夫なの?(火事的な意味で)』
ソンナヘマハシナイ
『ふーん…』
山奥、360度見渡す限り木、木、木。森。
漢字考えた人って凄い。
「子供でも書ける漢字だね」
『それでも、最近の子は難しい漢字書けるんだよ。あとは使いどころによって書く事を止めた漢字とか』
「へぇー」
心底どうでもいいみたいな返事を有り難う。実はあたしも、めっちゃどうでもいい。今更テストも有ったもんじゃないし。
「進学はしないの?」
『する気有るように見えるのかな、爺さんや』
「…ないね。現に染まった奴なんて興味ないよ」
『そうだろう、そうだろう!あたし放浪の旅してる時がめっちゃ至福』
「じゃあ今度、時が来たら僕とアメリカに行こうか」
『嫌だ勘弁、あたしアメリカに用は無い』
「僕には有るんだけどな」
『そうねそうね、でもあたしは1人旅がいいの!君らがアメリカ行くんなら、あたしは別大陸に行くから!』
普段何かと引き合わされるので、陸続きじゃない別の大陸に行けば会わずに済むんじゃないか。あたしって頭いい!
「ところで、僕に何か言う事は?」
『え……っと…?』
「君の言う、鬱陶しいハゲとは?」
『あ!後頭部後退したハゲ!』
「まさか!ハル様にストーカーが?!」
『あたし…うん、今はあたしかも。
本来奴がストーカーしたいのは高嶺過ぎて、
花に近付く前にボティーガードにボコられたっていう話だし』
まぁ、正確に言えば相手どころか見えてないらしいけど。最初からアウトオブ眼中みたいな。
「命知らずだね」
『いや、もうハゲ死んでるし』
「ハル様もついに霊感デビューですか?
御赤飯ですか?!」
『(あたし赤飯キラーイ、食べれるけど)…いや、見えるってかさ…今其処に居るじゃん?妖怪ハゲチラカシ』
「…誰も居ませんが」
『えぇー!居るよ其処に!見えない結界みたいなのに張り付くホラー要素満載なハゲが!』
指差す方角に間違いなくハゲがいた。あたしを取り殺そうと企む、傍迷惑なハゲが。でもシャーマンの癖にラキストは首を傾げて「見えない」って言うんだから、ちょっとイラッとした。あたしにはこんなにもハッキリと見えるというのに!
ウルヴァ…
『大正解!流石、腐っても長年の付き合いだけあって』
嬉シクハナイ。アト、ハオ様ニハ見エテイナイヨウダ…
『違う、見たくない』
アウトオブ眼中…
『それ!』
「ハル、通訳」
スルナ、自分ヲ使エ
『わっほい!』
O・S、声には出さず心の内側で呟く。別に何も思わなくてもいいけど、こう普段見せない真面目(シリアス)スイッチが入るみたいな?
『勝った!』
速イ…
『瞬き1回』
何ヲシタ?
『ど突いた』
端から見ればピンポイントで物凄い熱風が吹いた、だけ。一瞬だけ熱帯地方っぽかったけど、今は静かなもので。
『あっつい!』
「まぁ、S.O.Fを使えばね」
『つか……』
「使ったよね?」
『使ってな……』
「使 っ た よ ね ?」
黒イ…
『(怖い…)』
何が起こったのか僕にも分かるように説明してくれるよねオーラを纏う愚弟と、その横で一瞬の暑さにやられたのか、ぐったりしたまま動かないラキストが居た。 嗚呼、今日中に無事に帰れるんかなぁ…
豆腐オッケー、ひき肉も味噌も何故かうちに有った。帰って冷蔵庫にも入れたし、今から作り出せば、めっちゃ優雅に余裕で晩御飯の用意が…
迎エニ来タ…
『来んでよろしい!』
ラキストに急かされて渋々玄関を開ければこれだ。ほら、またラキストが変顔してる…って
『今は見えないの?』
ニンゲンデ言ウ幽体離脱
『いや、それめっちゃ見えるやつ』
肉体なんて精霊には関係無いだろうに、ほんっとコイツは変なところで器用すぎる。昔はもっと不器用だったじゃないか。
アレカラ何百経ッタト …
『そーでした、時代も変わったもんねぇ』
「あの…ハル様…」
『なんざんしょ?』
「その、誰かとお話をされて…?」
『嗚呼、うん。普段見える癖に、持ち場を離れると1人遊びを始める旧友とちょっと』
漫画だったら、おずおずという効果音が見えそうな言動で自分の様子を伺うラキストに何か笑える。どうやら彼―シャーマンには見えて居ないようで、これじゃあ何時もと逆じゃないかと内心ツッコミを入れた。
―――――
「ご苦労だったな」
「はい…いえ、それが…」
此処が愚弟の、今のアジトらしい。
確かに山奥の辺鄙な場所に在ったけど。
『これ、大丈夫なの?(火事的な意味で)』
ソンナヘマハシナイ
『ふーん…』
山奥、360度見渡す限り木、木、木。森。
漢字考えた人って凄い。
「子供でも書ける漢字だね」
『それでも、最近の子は難しい漢字書けるんだよ。あとは使いどころによって書く事を止めた漢字とか』
「へぇー」
心底どうでもいいみたいな返事を有り難う。実はあたしも、めっちゃどうでもいい。今更テストも有ったもんじゃないし。
「進学はしないの?」
『する気有るように見えるのかな、爺さんや』
「…ないね。現に染まった奴なんて興味ないよ」
『そうだろう、そうだろう!あたし放浪の旅してる時がめっちゃ至福』
「じゃあ今度、時が来たら僕とアメリカに行こうか」
『嫌だ勘弁、あたしアメリカに用は無い』
「僕には有るんだけどな」
『そうねそうね、でもあたしは1人旅がいいの!君らがアメリカ行くんなら、あたしは別大陸に行くから!』
普段何かと引き合わされるので、陸続きじゃない別の大陸に行けば会わずに済むんじゃないか。あたしって頭いい!
「ところで、僕に何か言う事は?」
『え……っと…?』
「君の言う、鬱陶しいハゲとは?」
『あ!後頭部後退したハゲ!』
「まさか!ハル様にストーカーが?!」
『あたし…うん、今はあたしかも。
本来奴がストーカーしたいのは高嶺過ぎて、
花に近付く前にボティーガードにボコられたっていう話だし』
まぁ、正確に言えば相手どころか見えてないらしいけど。最初からアウトオブ眼中みたいな。
「命知らずだね」
『いや、もうハゲ死んでるし』
「ハル様もついに霊感デビューですか?
御赤飯ですか?!」
『(あたし赤飯キラーイ、食べれるけど)…いや、見えるってかさ…今其処に居るじゃん?妖怪ハゲチラカシ』
「…誰も居ませんが」
『えぇー!居るよ其処に!見えない結界みたいなのに張り付くホラー要素満載なハゲが!』
指差す方角に間違いなくハゲがいた。あたしを取り殺そうと企む、傍迷惑なハゲが。でもシャーマンの癖にラキストは首を傾げて「見えない」って言うんだから、ちょっとイラッとした。あたしにはこんなにもハッキリと見えるというのに!
ウルヴァ…
『大正解!流石、腐っても長年の付き合いだけあって』
嬉シクハナイ。アト、ハオ様ニハ見エテイナイヨウダ…
『違う、見たくない』
アウトオブ眼中…
『それ!』
「ハル、通訳」
スルナ、自分ヲ使エ
『わっほい!』
O・S、声には出さず心の内側で呟く。別に何も思わなくてもいいけど、こう普段見せない真面目(シリアス)スイッチが入るみたいな?
『勝った!』
速イ…
『瞬き1回』
何ヲシタ?
『ど突いた』
端から見ればピンポイントで物凄い熱風が吹いた、だけ。一瞬だけ熱帯地方っぽかったけど、今は静かなもので。
『あっつい!』
「まぁ、S.O.Fを使えばね」
『つか……』
「使ったよね?」
『使ってな……』
「使 っ た よ ね ?」
黒イ…
『(怖い…)』
何が起こったのか僕にも分かるように説明してくれるよねオーラを纏う愚弟と、その横で一瞬の暑さにやられたのか、ぐったりしたまま動かないラキストが居た。 嗚呼、今日中に無事に帰れるんかなぁ…
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