14.何時もの事
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act.14-②:仲間と別れる時(しゅんかん)-side???
『そろそろ出番だと思うんだよね』
誰に言うでもなく、返事を待つでなく。唯、何もない空間に呟いて、一人で笑う。知り合いが此処に居たなら、きっと頭の心配をされてしまいそうだけど。残念ながら、まだ正常の範囲内だ。
『いいなぁ、ボクも欲しいなぁ』
何が、とも言わなかった。
誰の、とも言わなかった。
分かる人には分かる話だから。
ーーーーー
行くクノ?
『うん、行く』
見送りに来てくれたのは大きな大きな、それはそれは見上げるほど大きな蛇だった。その美しさから、神さま、そう例える人もいる。
許可ガ下リタラ、私モ直グニ後ヲ追ウワ
『ありがとう、その台詞だけで嬉しい』
彼女はとある神さまの神使(しんし)だった。
のんびりとした上司とは違い、彼女は自ら率先して動くタイプで、こうして仲間が立つ時なんかはいの一番に顔を出してくれる。心身共に頼れる姉御である。
彼女はボクがほんの少ししか持たない事を知って、わざわざ抗議してくれた事も、無い物ねだりをしない性格を考慮してくれた事もある。けれど自分はそれで満足しているからと、その優しさに蓋をした事もある。恵まれ過ぎるのは良くない。自分を見失わない程度でいい。
後デアノ子モ行クカラ
『うん、大人しく待ってるよ』
自分一人は淋しいから、どっかの誰かみたいに我が道を突き進めればいいけど。ボクはそういう訳にはいかない。何せ方向音痴なもので。
行くッテモイイ…
デモ、セメテ無事ニ帰ッテ来テ頂戴
『はーい』
迷っても…それは道に?
もしくは今後の方向性に?
自分ガ後悔シナイ道ヨ
嗚呼、ぜーんぶ見透かされている。
流石、亀の甲より年の功…
、私ガ年寄リダト言イタイノ?
『えー、褒めてるのにー』
何処ガ
彼女は比べない。ボクとあいつを。
同じだけど違う存在だからか、それとも
性格モ名前モ全部違ウ別人ジャナイノ
『あー、あいつは…』
ソレニ、アノ子ハ"ソッチ"側ジャナイワ
『そーでした』
ボクはシャーマンだけど。
あ、違う。ボクがシャーマンだから、あいつはシャーマンじゃないんだ。もしボクがシャーマンじゃなかったら、あいつがシャーマンだったかも知れないけど。
でも聞いた話、あいつシャーマンの家系に生まれたとか。どんだけだよ。罰ゲームなの?ボクだったら嫌だな。だってシャーマンじゃないんだったら、気持ちとか汲んでやれないし。シャーマンだから、同じ仲間だから分かる痛みもあるだろうに。
でも、その境遇を不幸だと思わないところが逆に凄い。あいつに後悔なんて言葉は無いんだろうか?
時間ネ…
『うん、"父さん"が急かしてる』
早く行けと。
これから凡そ20年もこの地を離れるんだから、もう少しくらいゆっくりさせてくれてもいいのになぁ。
口を尖らせて愚痴れば、彼女は苦笑して長い身体で潰されないように優しくボクを引き寄せた。ハグ。彼女は蛇だから手や身体の区別が出来ないので仕方ない。
行ッテラッシャイ、"エン"にヨロシクネ
『うん、行ってきます』
名残惜しそうに解放したボクの身体中は、次第に溢れた光で埋め尽くされていった。
『そろそろ出番だと思うんだよね』
誰に言うでもなく、返事を待つでなく。唯、何もない空間に呟いて、一人で笑う。知り合いが此処に居たなら、きっと頭の心配をされてしまいそうだけど。残念ながら、まだ正常の範囲内だ。
『いいなぁ、ボクも欲しいなぁ』
何が、とも言わなかった。
誰の、とも言わなかった。
分かる人には分かる話だから。
ーーーーー
行くクノ?
『うん、行く』
見送りに来てくれたのは大きな大きな、それはそれは見上げるほど大きな蛇だった。その美しさから、神さま、そう例える人もいる。
許可ガ下リタラ、私モ直グニ後ヲ追ウワ
『ありがとう、その台詞だけで嬉しい』
彼女はとある神さまの神使(しんし)だった。
のんびりとした上司とは違い、彼女は自ら率先して動くタイプで、こうして仲間が立つ時なんかはいの一番に顔を出してくれる。心身共に頼れる姉御である。
彼女はボクがほんの少ししか持たない事を知って、わざわざ抗議してくれた事も、無い物ねだりをしない性格を考慮してくれた事もある。けれど自分はそれで満足しているからと、その優しさに蓋をした事もある。恵まれ過ぎるのは良くない。自分を見失わない程度でいい。
後デアノ子モ行クカラ
『うん、大人しく待ってるよ』
自分一人は淋しいから、どっかの誰かみたいに我が道を突き進めればいいけど。ボクはそういう訳にはいかない。何せ方向音痴なもので。
行くッテモイイ…
デモ、セメテ無事ニ帰ッテ来テ頂戴
『はーい』
迷っても…それは道に?
もしくは今後の方向性に?
自分ガ後悔シナイ道ヨ
嗚呼、ぜーんぶ見透かされている。
流石、亀の甲より年の功…
、私ガ年寄リダト言イタイノ?
『えー、褒めてるのにー』
何処ガ
彼女は比べない。ボクとあいつを。
同じだけど違う存在だからか、それとも
性格モ名前モ全部違ウ別人ジャナイノ
『あー、あいつは…』
ソレニ、アノ子ハ"ソッチ"側ジャナイワ
『そーでした』
ボクはシャーマンだけど。
あ、違う。ボクがシャーマンだから、あいつはシャーマンじゃないんだ。もしボクがシャーマンじゃなかったら、あいつがシャーマンだったかも知れないけど。
でも聞いた話、あいつシャーマンの家系に生まれたとか。どんだけだよ。罰ゲームなの?ボクだったら嫌だな。だってシャーマンじゃないんだったら、気持ちとか汲んでやれないし。シャーマンだから、同じ仲間だから分かる痛みもあるだろうに。
でも、その境遇を不幸だと思わないところが逆に凄い。あいつに後悔なんて言葉は無いんだろうか?
時間ネ…
『うん、"父さん"が急かしてる』
早く行けと。
これから凡そ20年もこの地を離れるんだから、もう少しくらいゆっくりさせてくれてもいいのになぁ。
口を尖らせて愚痴れば、彼女は苦笑して長い身体で潰されないように優しくボクを引き寄せた。ハグ。彼女は蛇だから手や身体の区別が出来ないので仕方ない。
行ッテラッシャイ、"エン"にヨロシクネ
『うん、行ってきます』
名残惜しそうに解放したボクの身体中は、次第に溢れた光で埋め尽くされていった。