13.ほしのうたごえ
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※トゥエガの台詞、本来はヒロイン視点ではないので表記しませんが、今回はわざと書いています。
act.13-③:私が信じるのは…-sideたまお
何で、どうして…?
彼女の周りには小鬼が群がっていた。彼女が見えているはずなのに、まるで其処に誰も居ないみたいに素知らぬ顔をしている。何の反応も示さない。葉明様に何か遭ったのかと、そう思ったけれど反応が無い意外に特に変わった様子もない。
「あなた、ハル様ですよね?
葉様の従兄弟の…」
『嗚呼、うん。あなたが、たまおちゃん?』
「何で…私の名前…!」
『知ってるよ。葉の伯母である、麻倉実の娘だもの』
自分も麻倉の端くれだから、と苦笑い。…確かに、実様に聞いていたのなら説明がつく。
「葉明様が捜しておられます。私も、あなたを捜していました」
『上手く隠れたつもりだったんだけどなぁ』
「堂々と歩き回ってた癖に良く言う…」
『うるさいよ』
「へいへい」
「…誰か、其処にいらっしゃるのですか?」
『誰だろう?見えない人?』
「俺に振らんでくれ…」
ハル様の今居られる場所は廊下の中程。部屋に面している場所ではないし、誰かが隠れられそうな場所でもない。けれど。
「もしや、その方が葉明様が言っていた知り合いの神様なのですか?」
『・・・・・』
「だから、俺を見るなって…」
ハル様が視線を向ける、その先にはやはり誰も居ない。私はシャーマンだから、何か居るなら視えるはずなのに。神様だって、まだ逢った事はないけど、ポンチとコンチも一応精霊だし。もし、もしもあの行動が私を混乱させる演技だとしたら…
「なぜ、そんな事を?」
『何に対して?』
「地下牢を脱した事、葉明様から逃げ回っている事、今だって…誰も居ないのに!」
『うーん…』
「私はシャーマンです!まだ弱いから修行中だけど、いつか葉様のお役に立てるよう出頑張っています!なのに、あなたときたら…どうして……
もし、あなたの隣に本当に誰か居るのなら、あなたは間違いなくシャーマンです!死者の霊も精霊も神様だって、その存在を知る事が出来るのはシャーマンだけなんです!
だから、どうか…ハル様も、この麻倉の為に…!」
『のーさんきゅう』
「な…」
『麻倉の為って、(愚弟に聞いたけど)あたしは元々追い出された身。今更都合が良すぎるのでは?それに、地下牢って響きだけでノーテンキュー。あとお爺から逃げ回ってるって…』
「ようやく見付けたぞ!この馬鹿孫がぁ!」
『見つかったら意味ないっての』
「たまお、よくやった!」
「は…はいぃっ!」
私の声が大きかったからなのか、葉明様が血相を変えて飛んで来た。小鬼は、その形相に驚いているみたい。
「お前たち、何をやっとるんだ!
何で知らせない?!」
それに対して小鬼たちはまごまごと、汗をかいている。
『単に見えないからでは?』
「ああ?そんな訳あるかっ!」
『実際なーんの反応もなかったでしょうに』
「ワシの式神に問題があるとでも?」
『だって、此処にたっくさん居るんでしょう?それがいい証拠になる』
「ぐっ……!」
葉明様が本家に散らばる小鬼を集めていく。その姿はとても大きく、膝が嗤った。この式神、今の私の実力では到底敵わない。
「ハルよ、お前が今どのような立場にあるかワシは知らん。学校も行かずフラフラしおって…その性根、叩き直してやろう!」
葉明様よりも、私よりも、そしてハル様よりも大きくなっていく。和室一間をゆうに超えている気がする。威圧感が凄くて、私はその場に座り込んだ。もう、立っていられない。
「お前のその余裕が本当かどうか、試してくれるわ!」
突風、まるで台風のよう。葉明様の式神が、日常の空気を巻き上げてハル様に向かう。棒立ちしているハル様には、もうどうする事も出来ないと思う。だって、もう、目と鼻の先まで……なのに、
「な、な、な、な……!」
『いやー、いきなり突風とか…スカート履いてなくて良かったー』
「それ、スカートじゃなかったのか…」
『うん、キュロット。
大丈夫、パンツ見えてないよ』
「ちょ、分かったからヒラヒラするんじゃありません!」
・・・何で、無傷なのー!?
act.13-③:私が信じるのは…-sideたまお
何で、どうして…?
彼女の周りには小鬼が群がっていた。彼女が見えているはずなのに、まるで其処に誰も居ないみたいに素知らぬ顔をしている。何の反応も示さない。葉明様に何か遭ったのかと、そう思ったけれど反応が無い意外に特に変わった様子もない。
「あなた、ハル様ですよね?
葉様の従兄弟の…」
『嗚呼、うん。あなたが、たまおちゃん?』
「何で…私の名前…!」
『知ってるよ。葉の伯母である、麻倉実の娘だもの』
自分も麻倉の端くれだから、と苦笑い。…確かに、実様に聞いていたのなら説明がつく。
「葉明様が捜しておられます。私も、あなたを捜していました」
『上手く隠れたつもりだったんだけどなぁ』
「堂々と歩き回ってた癖に良く言う…」
『うるさいよ』
「へいへい」
「…誰か、其処にいらっしゃるのですか?」
『誰だろう?見えない人?』
「俺に振らんでくれ…」
ハル様の今居られる場所は廊下の中程。部屋に面している場所ではないし、誰かが隠れられそうな場所でもない。けれど。
「もしや、その方が葉明様が言っていた知り合いの神様なのですか?」
『・・・・・』
「だから、俺を見るなって…」
ハル様が視線を向ける、その先にはやはり誰も居ない。私はシャーマンだから、何か居るなら視えるはずなのに。神様だって、まだ逢った事はないけど、ポンチとコンチも一応精霊だし。もし、もしもあの行動が私を混乱させる演技だとしたら…
「なぜ、そんな事を?」
『何に対して?』
「地下牢を脱した事、葉明様から逃げ回っている事、今だって…誰も居ないのに!」
『うーん…』
「私はシャーマンです!まだ弱いから修行中だけど、いつか葉様のお役に立てるよう出頑張っています!なのに、あなたときたら…どうして……
もし、あなたの隣に本当に誰か居るのなら、あなたは間違いなくシャーマンです!死者の霊も精霊も神様だって、その存在を知る事が出来るのはシャーマンだけなんです!
だから、どうか…ハル様も、この麻倉の為に…!」
『のーさんきゅう』
「な…」
『麻倉の為って、(愚弟に聞いたけど)あたしは元々追い出された身。今更都合が良すぎるのでは?それに、地下牢って響きだけでノーテンキュー。あとお爺から逃げ回ってるって…』
「ようやく見付けたぞ!この馬鹿孫がぁ!」
『見つかったら意味ないっての』
「たまお、よくやった!」
「は…はいぃっ!」
私の声が大きかったからなのか、葉明様が血相を変えて飛んで来た。小鬼は、その形相に驚いているみたい。
「お前たち、何をやっとるんだ!
何で知らせない?!」
それに対して小鬼たちはまごまごと、汗をかいている。
『単に見えないからでは?』
「ああ?そんな訳あるかっ!」
『実際なーんの反応もなかったでしょうに』
「ワシの式神に問題があるとでも?」
『だって、此処にたっくさん居るんでしょう?それがいい証拠になる』
「ぐっ……!」
葉明様が本家に散らばる小鬼を集めていく。その姿はとても大きく、膝が嗤った。この式神、今の私の実力では到底敵わない。
「ハルよ、お前が今どのような立場にあるかワシは知らん。学校も行かずフラフラしおって…その性根、叩き直してやろう!」
葉明様よりも、私よりも、そしてハル様よりも大きくなっていく。和室一間をゆうに超えている気がする。威圧感が凄くて、私はその場に座り込んだ。もう、立っていられない。
「お前のその余裕が本当かどうか、試してくれるわ!」
突風、まるで台風のよう。葉明様の式神が、日常の空気を巻き上げてハル様に向かう。棒立ちしているハル様には、もうどうする事も出来ないと思う。だって、もう、目と鼻の先まで……なのに、
「な、な、な、な……!」
『いやー、いきなり突風とか…スカート履いてなくて良かったー』
「それ、スカートじゃなかったのか…」
『うん、キュロット。
大丈夫、パンツ見えてないよ』
「ちょ、分かったからヒラヒラするんじゃありません!」
・・・何で、無傷なのー!?