06.いいなずけ
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「…その話は本当ですか?」
「嗚呼…」
SFを告げる星が頭上を駆ける少し前、私はゴルドバ様に呼ばれ会議室を訪れていた。
そこでたった今知らされた、遭っては為らない真実に動揺し思考が停止する。
「目的は分からん、どんな者なのかも全ては謎だ…」
王が復活する、それは前例の無い出来事で重大事件。国家機密に相当する程の事。
「今回は一族の汚点である、あいつも転生してくる…
嗚呼、何故今になって…!」
私達はただ大精霊の意思を仰ぎ、護り、王の誕生を見届ける事。パッチの心は常にGSと在り続ける。それが遥か太古からの習慣で掟で私達の存在理由である。
「全てはグレートスピリッツの意思、今更足掻こうとも無駄なのだろう…」
これが我らに与えられた天命であり試練なのだと、彼は言った。まるで全てを、諦めたかの様に…
―――――
「…ゴルドバ様、これは?」
少しの沈黙と気まずい空気が流れた時、視線を落とした先に年期の入った古いボロボロの本に目が止まった。
「代々族長に伝え受け継がれて来た物だが、全てが白紙。何を伝えたいのかは解らん…」
手に取って捲(めく)る。確かに真っ白で一文字すら書かれていない、新品そのものだ。それに反して、見た目はかなりの重量と古文書並特有の擦り切れ感。代々族長に…という位だから何か理由が有るのだろうが、使い道や目的が不明な為か、常に仕舞われたままだと言う。
「(勿体ない)」
そう思うのは多分、その存在に興味が湧いたから。使用目的等は復活するらしい歴代王が認知している筈だが、迂闊に接触する事は余り良い案だとは言えない。寧ろ無謀な話だ。
先ずどんな人なのか知らない。歴代王、つまり一度王になった者がこの時代に復活するというのだから、何か訳ありなのは考えるまでもない。
王になり、全知全能の神となり、全てを手中に納めた筈の御方が何故今、再び地上へ舞い戻ったのか?…疑問は尽きない。
「各自準備を怠るな、皆にそう伝えよ」
「御意」
私は静かに、且つ丁寧に本を元有った場所へ戻し、一礼をして部屋を後にした。
嗚呼…私の心はたった今、あの本に奪われた。
「嗚呼…」
SFを告げる星が頭上を駆ける少し前、私はゴルドバ様に呼ばれ会議室を訪れていた。
そこでたった今知らされた、遭っては為らない真実に動揺し思考が停止する。
「目的は分からん、どんな者なのかも全ては謎だ…」
王が復活する、それは前例の無い出来事で重大事件。国家機密に相当する程の事。
「今回は一族の汚点である、あいつも転生してくる…
嗚呼、何故今になって…!」
私達はただ大精霊の意思を仰ぎ、護り、王の誕生を見届ける事。パッチの心は常にGSと在り続ける。それが遥か太古からの習慣で掟で私達の存在理由である。
「全てはグレートスピリッツの意思、今更足掻こうとも無駄なのだろう…」
これが我らに与えられた天命であり試練なのだと、彼は言った。まるで全てを、諦めたかの様に…
―――――
「…ゴルドバ様、これは?」
少しの沈黙と気まずい空気が流れた時、視線を落とした先に年期の入った古いボロボロの本に目が止まった。
「代々族長に伝え受け継がれて来た物だが、全てが白紙。何を伝えたいのかは解らん…」
手に取って捲(めく)る。確かに真っ白で一文字すら書かれていない、新品そのものだ。それに反して、見た目はかなりの重量と古文書並特有の擦り切れ感。代々族長に…という位だから何か理由が有るのだろうが、使い道や目的が不明な為か、常に仕舞われたままだと言う。
「(勿体ない)」
そう思うのは多分、その存在に興味が湧いたから。使用目的等は復活するらしい歴代王が認知している筈だが、迂闊に接触する事は余り良い案だとは言えない。寧ろ無謀な話だ。
先ずどんな人なのか知らない。歴代王、つまり一度王になった者がこの時代に復活するというのだから、何か訳ありなのは考えるまでもない。
王になり、全知全能の神となり、全てを手中に納めた筈の御方が何故今、再び地上へ舞い戻ったのか?…疑問は尽きない。
「各自準備を怠るな、皆にそう伝えよ」
「御意」
私は静かに、且つ丁寧に本を元有った場所へ戻し、一礼をして部屋を後にした。
嗚呼…私の心はたった今、あの本に奪われた。