02.行ってきます
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あー、ダルい」
朝起きて着替えて顔洗って、うがいして。習慣化したそれらの行動を終えてから居間に行けば、「おはよう」と声が掛かった。姉ちゃんだ。
『如何にも行きたくないって顔してるね』
「そうなんよ…学校なんて、かったりぃよなー」
『義務教育の間は、しゃーない話だねぇ』
座卓の上に顎を乗せて「面倒」やら「ダルい」を連呼するように愚痴る。普通の奴らみたいに進学とかする気ないし、学校なんて絶対行かなきゃならん訳じゃないのに。
そんなオイラを見て姉ちゃんは笑う。姉ちゃんだって高校生の癖に全く行く気がないのか、まるで他人事だ。
『あたしはいいの。高校生ったって別に強制じゃあないんだから』
「でもアレ、単位とかあるんだろ?」
『あぁ、別に全く気にしてないから』
くそっ、何て爽やかな笑顔なんだ。いや、気にしないって…姉ちゃんって一応シャーマンじゃない一般人なんだから、そこは気にした方がいいと思うけど。
『まぁ、何はともあれ。とにかく食べなさいな』
「…いただきます」
ずっと各地を放浪してるだけあって、姉ちゃんは何でも出来た。ご飯に味噌汁、魚とか。朝は和食が多い。昼間の弁当にも色んなおかずが鮮やかに敷き詰めてあって、夕食もこれまた豪華。でもちゃんと二人で食べきれる量しか作らない。
『夕飯、何かリクエストとかある?』
「んー、麻婆豆腐とか?でも、あんまり辛くないやつがいい」
『はいよ、りょーかい』
言えば大体その通りに出てくる。ふと「テレビで作ってた料理が美味しそうだった」と感想を言えば、近日中に同じものが食卓に並ぶ。「食べたそうな顔してた」と言われた日の夕食、イメージしてた味そのまんまで驚いた。「姉ちゃんプロだよな」って言えば大袈裟だと笑われたっけ。
「あ、そういやぁ昨日変な奴に会ったんよ」
『ほうほう。で、どんな?』
「チビで口うるさくて、でも…」
曖昧な部分でわざと止めた。そんなオイラを急かす事なく、姉ちゃんは黙って言葉を待っている。嗚呼、何て言うか…この一瞬の間が好きだ。最近そう思う事が増えた。一人じゃ絶対に有り得ない。何故か唐突に、そんな気持ちにさせてくれる姉ちゃんの存在が有り難かった。
―――
「んじゃ、行ってくるんよ」
『はいはい、気をつけてね』
散歩に行く時と同じ言葉。些細な事だが、やっぱり嬉しい。話し相手が居る、それだけで嫌な気持ちが吹き飛ぶ。
「ウェッヘッヘッ」
流石姉ちゃん。あの後、まるでオイラの心を読んだみたいに「その子はいい子だよ」と言ってくれた。「霊が見える奴に悪い奴は居ない」、そう思ったオイラの想いを否定せず、ちゃんと受け入れてくれた。
姉ちゃんはシャーマンじゃないから見えはしないのに、ちゃんと話を聞いてくれる。気配とかホントまるっきり分かってないけど、何故か知識だけは蓄えてるみたいで、持ち霊探しにも協力してくれるらしい。
取り敢えず、放課後また墓場に行ってみよう。姉ちゃんの話だと、大昔のサムライの首塚が有るとか。昨日はそんなの気にせず、ただノンビリしてただけだから気づかなかったけど。
「ひひっ」
思い出し笑い、というか楽しみがまた増えた。早く夜にならないかなぁ。
朝起きて着替えて顔洗って、うがいして。習慣化したそれらの行動を終えてから居間に行けば、「おはよう」と声が掛かった。姉ちゃんだ。
『如何にも行きたくないって顔してるね』
「そうなんよ…学校なんて、かったりぃよなー」
『義務教育の間は、しゃーない話だねぇ』
座卓の上に顎を乗せて「面倒」やら「ダルい」を連呼するように愚痴る。普通の奴らみたいに進学とかする気ないし、学校なんて絶対行かなきゃならん訳じゃないのに。
そんなオイラを見て姉ちゃんは笑う。姉ちゃんだって高校生の癖に全く行く気がないのか、まるで他人事だ。
『あたしはいいの。高校生ったって別に強制じゃあないんだから』
「でもアレ、単位とかあるんだろ?」
『あぁ、別に全く気にしてないから』
くそっ、何て爽やかな笑顔なんだ。いや、気にしないって…姉ちゃんって一応シャーマンじゃない一般人なんだから、そこは気にした方がいいと思うけど。
『まぁ、何はともあれ。とにかく食べなさいな』
「…いただきます」
ずっと各地を放浪してるだけあって、姉ちゃんは何でも出来た。ご飯に味噌汁、魚とか。朝は和食が多い。昼間の弁当にも色んなおかずが鮮やかに敷き詰めてあって、夕食もこれまた豪華。でもちゃんと二人で食べきれる量しか作らない。
『夕飯、何かリクエストとかある?』
「んー、麻婆豆腐とか?でも、あんまり辛くないやつがいい」
『はいよ、りょーかい』
言えば大体その通りに出てくる。ふと「テレビで作ってた料理が美味しそうだった」と感想を言えば、近日中に同じものが食卓に並ぶ。「食べたそうな顔してた」と言われた日の夕食、イメージしてた味そのまんまで驚いた。「姉ちゃんプロだよな」って言えば大袈裟だと笑われたっけ。
「あ、そういやぁ昨日変な奴に会ったんよ」
『ほうほう。で、どんな?』
「チビで口うるさくて、でも…」
曖昧な部分でわざと止めた。そんなオイラを急かす事なく、姉ちゃんは黙って言葉を待っている。嗚呼、何て言うか…この一瞬の間が好きだ。最近そう思う事が増えた。一人じゃ絶対に有り得ない。何故か唐突に、そんな気持ちにさせてくれる姉ちゃんの存在が有り難かった。
―――
「んじゃ、行ってくるんよ」
『はいはい、気をつけてね』
散歩に行く時と同じ言葉。些細な事だが、やっぱり嬉しい。話し相手が居る、それだけで嫌な気持ちが吹き飛ぶ。
「ウェッヘッヘッ」
流石姉ちゃん。あの後、まるでオイラの心を読んだみたいに「その子はいい子だよ」と言ってくれた。「霊が見える奴に悪い奴は居ない」、そう思ったオイラの想いを否定せず、ちゃんと受け入れてくれた。
姉ちゃんはシャーマンじゃないから見えはしないのに、ちゃんと話を聞いてくれる。気配とかホントまるっきり分かってないけど、何故か知識だけは蓄えてるみたいで、持ち霊探しにも協力してくれるらしい。
取り敢えず、放課後また墓場に行ってみよう。姉ちゃんの話だと、大昔のサムライの首塚が有るとか。昨日はそんなの気にせず、ただノンビリしてただけだから気づかなかったけど。
「ひひっ」
思い出し笑い、というか楽しみがまた増えた。早く夜にならないかなぁ。