序章
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いつも寝ている布団よりも柔らかくて軽い。肌触りもいい掛け布団を手で手繰り寄せる。旅館、な、訳がない。勢い良く上体を起こす。微睡みから一気に覚醒した頭で昨日のことを思い出した。
「あ、起きてる。」
「おは、ようございます…。私、昨日、」
「…、昨夜遅くに父が連れてきたと聞いています。今、母を呼んでくるから少し待っていてください。」
タイミングよく現れたのは同い年くらいの子だった。髪が肩につくくらい長くて、顔立ちもきれいだったので一瞬女の子かと思ったのだが、たぶん男の子だろう。直感だ。
あの子が戻るまでの間、昨日のことを思い出しては恥ずかしさと申し訳無さで消えそうになる。情けなくも寝落ちしてしまった上に一晩泊めていただいたということは予想がついている。
パタパタと小さく足音が近づいて、さっきの子と雰囲気の似ているきれいな女性が現れた。
「おはようございます、それと、一晩泊めていただいてありがとうございました。」
「あらあら、顔を上げて。そんなに畏まらなくても大丈夫よ。」
借りた布団の上ではあるが正座をして、深く頭を下げる。
「あの人があなたを連れてきたときは少し驚いたけど、私達は迷惑だとは思ってないわ。」
「そう、なんですか?でも、私、とても申し訳なくて。できれば、その、あの方にもご挨拶とお礼をしたいのですが…。」
「あら、ごめんなさい、もう仕事に出ていて家に居ないの。いつ戻るかもちょっと分からなくて。あの人には私から伝えておくわ。
それより、早く帰らないと親御さんも心配していらっしゃるでしょう。」
あ、と声が漏れる。確かに。親ではないが施設には早く戻ったほうがいいだろう。助けてくれた忍者の方に直接お礼を言えないのは残念だが、ここに長居するわけにも行かない。
女性に案内してもらって玄関へ。
「本当にありがとうございました。…そうだ、
私はみよし うゆうといいます。差し支えなければお名前を伺ってもいいですか?」
「ええ。私はうちはミコト。それと、あなたを連れてきたのは夫のフガクさん。」
「名乗るのが遅くなってすみません。近々改めてお礼をさせてください。」
「本当に気にしてないわ。そうそう、帰りは息子に送らせるわね。ここから里の方へは少し道が分かりにくいかもしれないから。」
ミコトさんが奥に声をかけると、今朝の子が来る。
「イタチ、学校へ行く前にこの子を送ってあげて。」
「はい。…荷物を持ってくるので少し待っていてください。」
「そういえば、うゆうちゃんは今何歳なの?」
「えっと、五歳です。」
「まあ……、イタチより年下……。とてもしっかりしているのね。」
最近の子はこんなに大人びているものなのかしら?とミコトさんは頬に手を当てる。少し背中に冷や汗をかきつつ、イタチが戻ってくるのを待った。
「あ、起きてる。」
「おは、ようございます…。私、昨日、」
「…、昨夜遅くに父が連れてきたと聞いています。今、母を呼んでくるから少し待っていてください。」
タイミングよく現れたのは同い年くらいの子だった。髪が肩につくくらい長くて、顔立ちもきれいだったので一瞬女の子かと思ったのだが、たぶん男の子だろう。直感だ。
あの子が戻るまでの間、昨日のことを思い出しては恥ずかしさと申し訳無さで消えそうになる。情けなくも寝落ちしてしまった上に一晩泊めていただいたということは予想がついている。
パタパタと小さく足音が近づいて、さっきの子と雰囲気の似ているきれいな女性が現れた。
「おはようございます、それと、一晩泊めていただいてありがとうございました。」
「あらあら、顔を上げて。そんなに畏まらなくても大丈夫よ。」
借りた布団の上ではあるが正座をして、深く頭を下げる。
「あの人があなたを連れてきたときは少し驚いたけど、私達は迷惑だとは思ってないわ。」
「そう、なんですか?でも、私、とても申し訳なくて。できれば、その、あの方にもご挨拶とお礼をしたいのですが…。」
「あら、ごめんなさい、もう仕事に出ていて家に居ないの。いつ戻るかもちょっと分からなくて。あの人には私から伝えておくわ。
それより、早く帰らないと親御さんも心配していらっしゃるでしょう。」
あ、と声が漏れる。確かに。親ではないが施設には早く戻ったほうがいいだろう。助けてくれた忍者の方に直接お礼を言えないのは残念だが、ここに長居するわけにも行かない。
女性に案内してもらって玄関へ。
「本当にありがとうございました。…そうだ、
私はみよし うゆうといいます。差し支えなければお名前を伺ってもいいですか?」
「ええ。私はうちはミコト。それと、あなたを連れてきたのは夫のフガクさん。」
「名乗るのが遅くなってすみません。近々改めてお礼をさせてください。」
「本当に気にしてないわ。そうそう、帰りは息子に送らせるわね。ここから里の方へは少し道が分かりにくいかもしれないから。」
ミコトさんが奥に声をかけると、今朝の子が来る。
「イタチ、学校へ行く前にこの子を送ってあげて。」
「はい。…荷物を持ってくるので少し待っていてください。」
「そういえば、うゆうちゃんは今何歳なの?」
「えっと、五歳です。」
「まあ……、イタチより年下……。とてもしっかりしているのね。」
最近の子はこんなに大人びているものなのかしら?とミコトさんは頬に手を当てる。少し背中に冷や汗をかきつつ、イタチが戻ってくるのを待った。
